恋愛にルールはいらない #3「ひとりの男に執着しない」

恋愛ルールやハウツー、テンプレートは数あれど、それらを信じすぎたり、振りまわされたりするのはもうやめませんか? 恋愛はひとりでできるものではなく、相手がいて成立することですから「◯◯すれば絶対にうまくいく」というものではないのです。
本連載では恋愛シーンにおける固定観念や思い込みを捨て、自分らしく、心地よく恋愛を楽しむ方法を提案します。

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第3回目で考えたいトピックは「ひとりの男に執着しない」。それって単なるビッチじゃないですか? と疑問に思う方もいるかもしれません。でも、そんなに単純なことではないのです。
「執着」には「ある物・事に強くひかれ、深く思い込んでどうしても忘れ切れないこと」(岩波国語辞典より)という意味があります。執着の度合いがあがると、その相手のことしか見えなくなることも。
ひとりの相手に強くひかれ、深く思い込んで、どうしても忘れ切れなくなる――つまり執着すると、大きく2つのデメリットがあります。むしろ、メリットはゼロ! 1つずつ説明していきます。


視野が狭くなって、チャンスを失う

1つめは、視野が狭くなるのに加え、俯瞰的・客観的な見方ができない状態になってしまうこと。
世界にはたくさん恋愛相手の候補がいるにも関わらず、「こんなに私に合う相手はいない」「この人が運命の相手」などと思い込み、ひとりしか見えなくなることにより、幾多ものチャンスを失っている可能性もあります。
たとえば、Aくんのことだけしか考えられない、見えない状態になると、ほかの相手からアプローチされても「眼中にないから」と、冷たくあしらったり、適当な扱いをしたりしてしまう可能性も。
その相手と仲良くなれば、実はAくん以上に自分と相性がいい人かもしれない、というのに。もったいない、と思いませんか?

思い通りにいかないとき、ストレスフルになる

2つめは、狙っている相手との関係が、トントン拍子に進んでいかないときに、やたらとストレスがたまってしまうこと。
たとえば「Aくんを落としたい」と切望し、Aくんのことばかり考えているとします。そうなると、AくんからLINEが既読になっても返信がないと、気になってほかのことが手につかなくなったり、過度に落ち込んだり、ほかに女がいるのではと悶々としたりと、マイナスなループにハマり込んでいくのです。
結果、Aくんとの関係が自分の理想通りにいかないときは、心に余裕がなくなってしまい、表情が暗くなったり、テンションが低くなったり、無気力になったり……。そんな姿は傍から見て魅力的に映りません。絶対に損。

真剣交際するまでは、複数の「プロジェクト」を走らせていい

では、どうするか。解はシンプルで、ひとりの相手に絞り込んだ恋活をやめればいいのです。特定の恋人ができるまでは、何人の相手を好きになろうと、連絡をとろうと、デートしようと、それは自由。
本気の恋愛へ持ち込むまでは、複数人との交流をプロジェクトのように同時進行させることは、ビッチでもなんでもありません。後述しますが、魅力的な自分を維持するための、賢明な方法のひとつです。
仮に点数をつけるとすると、100点満点(に見える)Aくん1人に夢中になるよりも、70点前後のBくん、Cくん、Dくん……と複数の相手と適度に仲良くするほうが、精神衛生上、何倍も健康的。
自分にとって完ぺきな相手ではなくても、70点前後の相手なら、まぁまぁ気に入っている、一緒にいて楽しい人物であるはずです。そんな彼らと少しずつ距離を縮め、誰が一番自分に合うだろうかと、じっくり比較検討する――それでいいのです。

心の余裕が、見た目の余裕と自信をつくる

ひとりの相手に執着しないメリットは、上で説明したデメリットの逆です。視野が広くなり、俯瞰的なものの見方ができるようになり、チャンスを逃さなくなります。Aくんとの進展は遅々としていても、Bくんと遊ぶ間に距離がぐっと縮まるかもしれません。ストレスもたまりません。Aくんとのデート日が決まらなくても、BくんやCくんとはすんなりデートに行けるなら、それはそれで十分楽しいではないですか。
さらに「別にAくんとうまくいかなくても、私にはBくんやCくんがいるし」と思えることで湧き出る自信が、外見を「足りている女(満ち足りた女)」に見せてくれます。内面も「別に相手に不自由してないし」と思えるため、基本的に大きなブレのない、安定モードでいられます。「一緒にいて楽しい相手がたくさんいる」という状態は、見た目の余裕にもつながるのです。
投資の世界には、資産運用のリスクを軽減させるための「分散投資」という手法があります。恋愛の世界でも、同じように考えて良いと思います。ときめきを分散させる(複数のお気に入り相手と仲良くする)と、ひとりに執着しなくなります。執着する必要がなくなるのです。結果、自身の魅力を下げるリスクは減り、常に前向きで楽しい気分を保てる……というようにいいことばかり。頭の片隅において、実行していただきたいと思います。

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2016.11.02

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子