「家ごはんデート」は彼に一品作ってもらう【デートは日常。#2】

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2020.07.09.Thu

「久々にチーズタッカルビが食べたいなあ。もう2年くらい食べてないんだよね」。チーズタッカルビが大好物である私のこんな一言から、韓国出身の男性が我が家でチーズタッカルビを作ってくれる流れになりました。
緊急事態宣言が出されて2週間ほどたつ頃でした。互いの自宅が徒歩30分ほどの距離なので、彼は歩いてうちまでやってきます。
我が家にもともと揃っている材料は伝え、足りない材料、特に鶏肉は調達してもらい、調味料や香辛料は彼の自宅にあるものを持ってきてもらう形を取りました。

「あなたに任せます」がいい

DKにあるキッチンスペースを明け渡し、チーズタッカルビの調理は完全に彼に任せます。私はその間、テーブルに置いたPCで作業。最初にうちのキッチンのルールを伝えた後は、基本的に干渉しません。自由に過ごします。だって、私の自宅だから。
「タッカルビの作り方はわかるけど、チーズタッカルビはそんなに食べたことないから、わからないなあ(笑)。でも、レシピを見れば作れると思うよ」と言っていた彼ですが、それはもうテキパキと動いていました。
時々フライパンを覗きに行くと、コチュジャンや唐辛子で赤く染まったおいしそうな具材。そして、ごま油の香ばしい香り。故郷である韓国の料理は、私よりも彼のほうがうまいでしょう。だから信頼して、介入はやめておこうと思ったのです。
ただ、時折感想を伝えたり、褒めたりするのを繰り返していました。「あ〜いい香り。たまらんね」「食欲が湧いてきた〜」「わ〜きれいな色」「おいしそう〜」「これ絶対おいしいわ」など言葉を微妙に変えつつ、とにかくリアクションします。そうしたら、確実に気分良く作ってくれるから(笑)。

言葉に出して初めて伝わる

△ 左が彼作のチーズタッカルビ 、右が私が事前に作っていたレンコンと野菜のカレー炒め

結論から言うと、できあがったチーズタッカルビは最高でした。韓国料理店で食べてきたものと遜色なく、「さすが本場の調味料をいい配分で使ってるね」「料理上手だね」と褒めの嵐。
でも、これはお世辞ではなくて「また作ってね」という意図も込めて伝えています。もちろん食べ終わってから「おいしすぎたから、また食べたいよ」と口頭で伝えたのも言うまでもありません。
いろいろな人たちと関わっていると、言語化しなければ伝わらないと、つくづく感じます。表情や態度で伝わっているだろうと思うのは、こちらの勝手です。あくまで「伝えているつもり」なだけ。相手がそれを受け取っているかどうかはわかりません。
だから、わざわざ言葉にして届ける必要があると思います。それに言葉で人の気持ちを動かして、行動につなげることはできる。編集者という言葉に敏感にならざるを得ない仕事をしていると、本当にそう感じます。

外食にはないのんびり感・リラックス感

ちなみに、もし当時“自粛期間”ではなかったら、彼と韓国料理店に行っていたと思います。でも、緊急事態宣言下で、彼行きつけの韓国料理店が長らく休業していたことから、「じゃあ、我が家で食べようか」という流れになりました。
本当は外食が大好きだし、外に出かけて食べるワクワク感を味わうのも好きだから。ただ、それが叶わないなら、自宅でもいいかと思ったのです。
結果、彼が料理する姿を見ることができたり、韓国料理についての話を聞けたり、昼間からお酒を飲んだり、移動しなくて良くてのんびりできたりと、外食するときにはない感覚を楽しむこともできました。なんとなく“同棲カップル風”な感じも出て、ちょっと楽しい気分にもなりますよね(笑)。
だから、自宅で他者に料理をふるまってもらう、という経験は悪いものではなく、むしろ「なかなかいい」ものだとも感じることができたのです。

自然な褒め言葉で相手もハッピーになる

相手が得意だと思われる料理を作ってもらう。そんなシーンでは相手に対し、自然と褒め言葉が溢れ出るもの。それが相手の自尊心を上げることにもつながります。さらに、その国の料理の話をすることにもなり、会話も予想外の方向へ広がっていきます。つまり、メリットはたくさん。一度試してみてはいかがでしょうか。

連載【デートは日常。】では女性人気の高い著名人のデートテクを実践したり、本やコラムで読んだ大人のデート術を試してみたりと、テスト的な試みを取り入れて、その効果も包み隠さず書いていくつもりです。併せて新感覚のデートも提案できればと考えています。

▽ 前回の記事はコチラ

記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子