「彼の興味関心に完全乗っかりデート」は予習がキモ【デートは日常。#1】

2020.05.25

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「デートしたい」「うーん……今だと、オンラインデートかな」「でも、オフラインデートの方が楽しい」
私はオフラインデートが好きです。お相手の顔を見たいし、声を聞きたいし、ときに触れたいし、同じ空間にいて生み出されるモノを大事にしたいから。
しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止の観点から、外出自粛が求められている今、不要不急のお出かけは避けるべしとされています。
だから、事態が収束に向かったとき、オフラインデートを楽しみたい……そう願うすべての方に向けて、日常にデートを溶け込ませて心身にうるおいをもたらすエッセイをお届けします。日常的にデートを楽しんでいる私がしてきたデートの内容をベースに、オフラインデートが叶う頃、実践していただけそうなTipsも交えて綴ります。


【デートは日常。#1】

デート前の“予習”に時間をかける

2月某日。午前10時頃、お相手が私を自宅近くでピックアップ。そのまま山梨の富士吉田に向かいました。3時間ほどのドライブ。このときの目的は「富士山付近」ということもあり、道中に富士山情報を収録したDVDで予習。
時折、彼の解説が入ります。詳しすぎるからありがたい! ここでただ「へぇ」「そうなんだ」「ふーん」と相づちを打つだけだと、お相手に張り合いがないので、事前に少しだけ予習していました。編集者という仕事柄なのか、いくら私が「話し手に気持ちいい相づちしますね〜!」と褒められることが多くても、相づちだけで長時間のドライブを乗り切る自信はございません。
適度な予習で知識を仕入れておくことで、適切な質問を打ち返せるようにしておくと、お相手も会話をしていて満足感を得られるはずです。クルマ・密室・ふたりだけで3時間移動、というのはなかなかの長丁場だと思います。もちろん「寝てていいよ」と言ってくれるお相手もいますが、それを真に受けて熟睡するのも無粋な気がする……。
そんなわけで、少なくとも明るいうちは起きていることにします。むしろ寝られない! お相手が運転してくれるなら、気の利いたことをしたいし、できるだけ楽しい雰囲気を作りたい。そう思うのです。それゆえの予習はある程度、時間をかけてやっておきたい。

富士山関連スポットを巡り続けたショートトリップ

今回のデートのお相手は富士山に見識があり、富士山の魅力を人々に伝えるのをミッション(?)に掲げているようなかた。そのため、このときに訪れたのは、食事処を除くとすべて富士山関連施設でした。
富士の歴史を学べるミュージアム「ふじさんミュージアム」から始まり、世界文化遺産に登録された「忍野八海」、日本神話に登場する女神・木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)などを御祭神として祀った「北口本宮冨士浅間神社」、重要文化財「御師旧外川家住宅」など……。
お相手の口から富士山の素晴らしさを伝えられるまで、富士山について考える機会はほとんどなかったと言ってもいいでしょう。20代半ばに勤めていた会社で「有志で富士登山をしよう。池田さん行く?」と呼びかけられたときは、何の躊躇もなく「私は行きません」と即断ったほど(笑)。当時は自分が元々持っていた興味関心の中でしか、行動していなかったんですね。だから、自分とは縁のなかった富士山が話題にあがってきたとき、無意識のうちに「興味ないし」と避けたのだと思います。

△ 重要文化財「御師旧外川家住宅」

お相手の土俵に乗ると、新しい世界に飛び出せる

でも、今となっては新しいトピックへの興味関心は、人が運んできてくれると考えています。だから、自分がそれまで意識することのなかった分野であっても、あえてそこを覗いてみることにしています。
それが、自分の世界を広げるきっかけになるから! お相手との富士を巡るデートも、ある日の食事中に彼が目をキラキラさせ、少年のような表情で富士山について語っているのを目の前で見て「この人がここまで言うなら行ってみたい」「気になる」と、自分自身が前のめりになったのを機に実現したものです。お相手の“プレゼン能力”が高い、というのもありますが、その魅力に自分も触れたい、と思わされたのですよね。
だから今回は100%、お相手の土俵に乗って、彼が行きたいところにそのままついていきました。お相手が「おお!」と興奮して走り出し、途中置いてきぼりにされることもありましたが、そこは「少年感があるなあ」と温かい目で見つめていたはず。

「デートでしたテストの答え合わせ」をする連載に

あえてお相手の興味関心に思いっきり乗っかることで、自分の生きる世界を広げる。そんなデートをみなさんも試してみては?
連載【デートは日常。】では女性人気の高い著名人のデートテクを実践したり、本やコラムで読んだ大人のデート術を試してみたりと、テスト的な試みを取り入れて、その効果も包み隠さず書いていくつもりです。併せて新感覚のデートも提案できればと考えています。1年続ける予定の同連載、楽しんでいただけたらうれしいです!

2020.05.25

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子

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