【自由な結婚】vol.7「人生のパートナーは、私が一番自分らしくいられる相手です」

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2018.10.28.Sun

結婚は自由だし、結婚をしない生き方もある。法律婚にとらわれない、いろいろな結婚のスタイルがあっていい――。
本連載【自由な結婚】では、そんなメッセージを伝えるコンテンツをお届けしていきます。vol.7では「人生のパートナー」と出会って15年になる尾碕万美さんにお話を伺いました。

「恋人でもないし、夫婦でもないし、子どももいない私たちにとって、一番しっくりくるのがパートナーという言い方。何かあったら助け合うし、楽しいことやつらいことは共有する。そんな関係です」

いくつもの偶然が重なり、距離が縮まった

6歳年上のパートナーと暮らしている尾碕さん。ふたりが出会ったのは尾碕さんが20代後半のとき。友人の紹介でした。
男女4人で飲んだ帰り、尾碕さんの友人が酔いつぶれてしまい、彼の家に連れていったのが、意気投合するきっかけになったといいます。

「友人は熟睡していたので、彼と夜通し喋ってました。当時、私はイギリス留学から帰国して1年ほどで、周りからは『イギリス帰りなの!?』と、特別な目で見られることが多く、複雑な気持ちになっていました。でも彼は私の経歴をまったく気にせず、フランクに話してくれたんです」

彼の第一印象は「丸い(体格がいい)」。交通事故に遭ったばかりで、腕を骨折していたのも記憶に残っているといいます。

15年一緒にいて、一度だけあった別れ

「彼の家に猫がいたのも、猫好きな私にとって“壁”が1枚なくなる理由になりました。『猫を飼える人なんだ!』って。私と出会う1か月前から偶然飼い始めたそうですが(笑)」

それから何度かデートをするうちに、付き合うようになったふたり。彼はいろいろなことを知っていて、ものの見方や考え方が面白く、一緒にいて楽しい人でした。交際に到るのも自然な流れだったといえます。
しかし、交際から3年ほどで、一度ふたりは別れます。丸半年、連絡すら取らない日々が続きました。

「私が若かったんです。私をもっと大事にしてほしい。わかりやすい言動で、気持ちを示してほしい。そんな思いが強かったんです。でも、彼はそういうタイプではないから、私は度々不安になって、不機嫌な態度をとっていましたね」

「私が一番私らしくいられる相手は彼」

距離を置いていたものの、ふたりはぽつぽつと連絡を再開します。やりとりのスパンが短くなり、時々会うようになり、その流れで復縁へ。
どうして「やっぱり彼だ」って思ったんですか? そう聞くと尾碕さんは「今となって思うことだけど、私が一番私らしくいられて、やりたいことができるパートナーは彼だから」と答えました。

「女性・パートナーはこうあるべき、って像が彼にはないんです。昔は彼の生き方が自由奔放に見えていたけれど、今は私を自由にさせてくれるのは、彼しかいないなと思います。相手に対して“べき像”を持っている男性は、私とは付き合いたくないと思いますよ。『料理して』と言われても、気分が乗らないと『嫌だ』って言いますから(笑)」

離れている間、思っていることの伝え方や相手への気遣い、歩み寄りなど、いろいろなことを考えた尾碕さん。復縁直後は「攻略本」を手に、一度遊んだゲームに再チャレンジしている感覚があったと振り返ります。

「おうちでごはん」が幸せな瞬間

「この言い方では彼に伝わらない。同じことを言うにしても、違う言い方をしよう。そうやってPDCAを回しました。リアルに別れた時期があったからこそ、気持ちを切り替えることができて、うまくいっているんだと思います。
今はおうちでごはんを食べているときが幸せです。彼は趣味が料理なので、ごはんが本当に美味しくて。作ってくれたごはんの話や最近食べにいったお店とか、そういうゆるい話をしながらまったりしていますね」

10年の別居生活を経て、5年ほど前から同居し始めたふたり。籍は入れておらず、今後も入れる予定はないといいます。

何度も話し合って納得した結婚のこと

「出会った当時から、彼は結婚(法律婚)に興味がないと話していました。私は私で、彼の考えがいつか変わる、と思ってて、それでも変わらないから、理解したくて何度も『なんで?』と聞いていました」

尾碕さんには結婚願望がありました。だから純粋な「どうして?」があったのです。友人の結婚式に参列した後など、機会があるときにあまり重々しくならないよう、ポップな感じで尋ねて、ポップな議論を繰り返していたといいます。

「最終的に腑に落ちたのは4年前。35歳の誕生日に、友人がサプライズでパーティを開いてくれたんです。しかも、ウエディングみたいなコンセプトで。そこへスペシャルゲストとして彼が現れて、手紙を渡されました。そこにすべてが書かれてあって、ようやく理解できたし、納得できたんです」

ふたりが人生のパートナーとして、長くタッグを組んでいる秘訣は何なのか。尾碕さんと別れた後、取材中に話してくれた「私と彼は個人と個人。他人だからいい意味で、何も期待していない。変な馴れ合いになっちゃいけない、と思ってる」という言葉を思い出しました。
信頼しているし愛情はあるけれど、「何かをしてくれない」ことに対して不満を持つことはない、というのです。自立したふたりがパートナーになり、心地よい関係を維持していく心がけを教えていただいた気がします。

▽ 尾碕万美さん
University of Sussex(英国)大学卒/大学院 修士課程修了後、帰国。
約15年のオンラインビジネス経験を持ち、事業企画、マーケティング、組織マネジメントに従事。また、STOTT PILATES(R)認定インストラクター資格を取得。
現在は、南青山のピラティススタジオ Sky Pilates Tokyoで指導を行うほか、ヘルスケアとITを融合することで「小さな負」の解消を多様な選択肢から選べる世界の創出を目指し、お灸セルフケアmogusanoファウンダー、(株)ケアくるCSOとして活動中。

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▽ Twitter:@mamiooomami
▽ Instagram:@mami___ozaki.mogusano

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記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子