運命の相手はいつか、どこかに必ずいる【恋愛にルールはいらない #20】

「運命の相手は会った瞬間にわかりますよ。僕は昔からそうでした」――5月公開のとある映画に出演する俳優さんの取材で、恋愛に関する質問をしたとき、彼はそう答えました。さらにこう続けます。「この人のこと、もっと知りたいな、って思うんですよね。この人だ! って人にはそういう気持ちになる」
わかるなぁと思いました。ただ、はるか昔に抱いたことのある感覚ですけど……。もっと関わりたい。近づきたい。そして、知りたい。そんなふうに“WANT”が自然と湧き出てくる、あの独特な感覚を思い出しました。


出会い活動を再開したものの…

2月から3月半ばにかけて、久しぶりに出会い活動を再会してみました。使ったのは「100回のメールよりも、1回のデートを」という、超合理的なコンセプトが好ましいデーティングアプリです。
気になる人と「実際に会って一緒に食事をすること」にフォーカスした、新感覚のデーティングアプリとしてアメリカでヒットし、昨秋頃から日本に上陸したそう。類似のアプリと比べて、食事に行く店や日時のやりとりがメインで、会うまでの面倒なやりとりをあまりしなくていい点が特徴です。
そんなアプリを1か月半ほど使い、だいたい1週間に1度ペースで、5人の男性と会ってみました。全員、直接お店集合にして、対面したら「はじめまして。アプリでやりとりしてたイケダです」みたいに自己紹介から始めます。
1週間にひとり、仕事でも何でもない個人的な出会いがあるというのは、けっこうなハイペースかもしれません。全員初対面の相手ゆえ、各自と「新鮮」に感じるひとときを2~3時間過ごします。
でも、「次回の約束」を自ら取り付けたいとは思わなかったんです。

新鮮な出会い…でも「もっと知りたい」とはならない

思い返してみると、アプリ経由で会った人たちとの食事の場では、冒頭の俳優さんが発した「この人のこと、もっと知りたいな、って思うんですよね。この人だ! って人にはそういう気持ちになる」という感想が生まれることもなく、「もっと関わりたい。近づきたい。そして、知りたい」という“WANT”が生じることもありませんでした。
あまり知らない話を聞けたなぁ。なじみのない業界の話を聞けたなぁ。なんかすこし変わった人だったなぁ。相手が9割くらい喋っていて、私はインタビュアー化していたなぁ……etc.――そんなふうに、ポジティブ寄りな感想からネガティブ寄り(?)な感想が出てくるくらい。
ただ、自分が「2回目はなくていいかな」とジャッジしているということは、相手も同様に感じている可能性が高いです。現場ではそこそこ楽しんでいるように見せても、相手にこちらの「平熱感」は伝わるものだから。
実際、5人中2人からしか「次も会いたいです」という提案、というか誘いはありませんでした。全員、運命の相手ではなかった、ご縁がなかった、と解釈しています。

運命の相手と出会う「奇跡」はまた起こせる

運命の相手なんてそうそういない。絶世の美女や素晴らしい魅力がある人でも、平凡な自分もみんな同じです。そう簡単に、運命の相手とは出会わない。だから恋愛が思い通りにいかない、と嘆く人が後を絶たないわけです。
それでも、私を含めて過去に大事なパートナーがいた人は、確かに運命の人に出会ってきました。それぞれが同じようなタイミングで「もっと関わりたい。近づきたい。そして、知りたい」という気持ちを抱いて、どちらともなく距離を詰めていって、いつしか特別な人になる。
当時のパートナーは、当時の自分にとって運命の相手だったのだと思います。世界にはたくさんの人間がいるのに、たったひとりの人間と出会って、互いに引き合うって、よくよく考えたら奇跡としかいえないことですから。
そんな奇跡を起こしたことがある――そのことを思い出すと、なかなか運命の相手がいない……と嘆かずに、諦めずに、ただ日々を健やかに、少しずつアップデートして、生きていきたいと思えてきませんか?
がんばって生きていると、いつかまた奇跡は来る。そう信じて人生を過ごしていきましょう。

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【恋愛にルールはいらない】連載は#20をもって終了となります。これまでお読みいただき、ありがとうございました。

▽ 前回の記事はコチラ

2018.04.06

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子