離婚してる、と知っても気を使わないでほしい【恋愛にルールはいらない #19】

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2018.02.24.Sat

離婚しても、結婚時に名乗っていた姓を継続して使える、ってご存じですか? 簡単な申請書を1枚書くだけで、そのまま使い続けられるんです。私は「戸籍上の姓」を結婚時のまま、元夫の姓のままにしていて、仕事では旧姓の池田を名乗っています。
どうして別れたのにそのままにしているかというと、元に戻そうとするとかなりの手間暇がかかるから。区役所での手続きは紙切れ1枚で終わっても、複数の銀行カードやクレジットカード、保険証、はたまた印鑑登録に至るまで、あらゆるものの手続きをする必要があります。
仕事上の取引先によっては、戸籍上の姓で取引先登録簿、のようなものを作っているところもあるため、それも変更届を出さないといけない……。そういった諸々を「面倒くさい」「億劫」と感じてしまい、まあいっかと思っているんですね。
日常生活をしていて、本来の姓で呼ばれる場といえば、金融機関や医療機関くらいです。銀行カードやクレジットカード、保険証などは戸籍上の姓で登録しているからです。あとは、パスポートが必要な海外くらいでしょうか。

離婚していると言うと、気を使われる

先日、ハワイ取材のプレスツアーに参加したんですね。私を含め5媒体、5人のエディターがメンバーでした。最終日の夕方、前泊したホテルに忘れ物をしてしまい、そのやりとりの際、パスポートに記載されている、「池田ではない姓」を何人かに知られることになったんです。
翌日、ひとりの方から「旦那さんはどんな人なんですか?」と訊かれました。姓がふたつある=結婚(法律婚していて、戸籍上は夫の姓なのだ)している、と解釈するのは現代日本において自然なこと。そこで、今は結婚してないんですよ、ごめんなさいね、と思いながら、「離婚してるんです。でも、姓をそのまま戻してないだけで(笑)」と答えると、その方は「そうだったんですね。なんかごめんなさい……!」と慌てて、その話題を引っ込めたのでした。
とても明るく面白く、ツアー中に場を盛り上げ和ませてくれる方でしたが、その瞬間だけ、とても申し訳なさそうな表情になった彼女。気を使わせてしまったようで、こちらこそ申し訳ない気持ちに。ただ同時に、離婚という選択肢が昔よりも珍しくはなくなり、離婚という道を選ぶ人も増えている今、それでも離婚=気を使うこと、として扱われているんだな、と考える機会になりました。

恋愛も結婚も離婚も、人生でしたひとつの選択にすぎない

でも、離婚したという事実は、果たして特別なことなのか。そこまで気を使われることなのか。私は特別なことでも、気を使うことでもないと思っています。もちろん、傷が癒えていなくてつらい・精神的に苦しい時期は別として。
恋愛・結婚・離婚……数は少ないながらも、すべて一通り我が身で体験してみて、最も大きかった離婚のダメージによる心のしこりがキレイすっきりなくなった後、こう考えるようになりました。

恋愛も結婚も離婚も、特定の相手とつながったり離れたり、というだけのこと――。

人によって異なると思いますが、恋愛と結婚、離婚を一続きのものとして捉えている身としては、どれも「人生のなかで、ただ選択したこと」なんです。
生きていると、大小問わずさまざまな選択をし続けることになります。恋愛や結婚、離婚もその選択のひとつでしかありません。自分ひとりで完結する選択と違うのは、“キーパーソン”とも言える人物が登場することくらいでしょう。
自分が選び相手が選んだ、お互いが持つ人とのつながりのなかで、唯一無二といえる関係の人。ただ、その関係が恋愛感情やそれに似た感情を伴うだけで、一種の人間関係には変わりありません。

パートナーの有無は、どちらも特別なことじゃない

人は人とのつながりなくして生きてはいけません。孤独に幸せはあるけれど、孤立に幸せはありません。だからといって、恋愛や結婚、離婚で得られる人間関係が何が何でも必要で、スペシャルなもの、だとは思わないんです。
もちろん恋愛至上主義、というように恋愛に重きを置く人もいますが、基本的には、友だち・家族・仕事関係・知り合い・趣味仲間などの人間関係、コミュニティを何個か持っておけば孤立することなく、気持ちよく生きていけます。
恋人や夫婦というのは、最小のコミュニティ単位です。人は生きている限り、複数のコミュニティに所属していて、恋人や夫婦関係はあくまでその一種。そう考えると、恋愛することもしないことも、結婚することもしないことも、離婚という選択をすることも、どれも別に特別なことではないと思いませんか?
ただ、その選択をしただけ――。恋愛も結婚も、そして離婚も、そんなふうに捉えられるようになり、ネガティブな意味や重たいニュアンスが減ったらいいのにと願います。

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記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子