疲れない出会い方、を見つけた【恋愛にルールはいらない #18】

“新しい出会い”は疲れる――そう思っていました。だから、最近はわざわざ出会いの場にいくこともなく、気心のしれた人と会うか、1人で遊ぶか。そんな風に過ごしていました。
でも、縁というか運というか、偶然との邂逅で人生は流れていくものなんですね。noteを見ていると、たまたま「知らない異性10人と出会って話す会」の告知を見つけたんです。


「知らない異性10人と出会って話す会」へ行ってみた

知らない異性10人と出会って話す会は、渋谷のワインバー「bar bossa」のマスター、林伸次さんが主催する出会い会。「映画好きな人」とか「本好きな人」のように毎回テーマを決め、それに当てはまる男女が10人ずつ集まります。
それぞれ事前に、テーマに沿った好きなもの、その他好きなものや趣味などをキーワードで紙に書き出します。当日は紙を交換し、「その作家さん好きなんですね」とか「私もその本読みました」などと会話をふくらませていくんだそう。
告知を見てすぐに申し込みました。この会には行ってみたい、行ったほうが良い、という気持ちになり、自然と指が動いていた感じです。とくに女性の枠がすぐ埋まるという人気の会ですが、参加できることに。ラッキーでした。

知らない異性と話しても疲れなかった

当日、感じの良い店に集まる男女は皆、感じの良い人たちばかり。人当たりが良いというか、心地良く会話できる人たちというか。美味しいおつまみとお酒を味わいながら、男性1人につき10分ずつ会話をします。10分×10人なので、およそ2時間。
20代前半のころ、婚活パーティに行ったことがあります。業界や業種、年齢、趣味など、相手のことが表面的にしか知れない情報だけを集めた、会話が広がりづらい、ありきたりなプロフィールカードを見ながら会話をするものです。3~5分×20~30人と、速いテンポで大勢の人たちと話して、とにかく疲弊したこと、誰が誰だったか管理できなくなったこと、最後のほうは笑顔が硬直するくらい疲れていたことなどを思い出しました。
というのも、今回はまったく疲れなかったから。テーマは「スポーツ好きな人」で、ジム通いを除いて“観戦”がメインの私も、何らかの共通項がある男性が多く、紙を交換して楽しく会話できたんです。

疲れる出会いと疲れない出会いを分ける3つのこと

疲れる出会いと疲れない出会い。両者を分かつものは何か、考えました。

前向きな気持ち

1つ目は、集まりに対し前向きな気持ちを持てるかどうか。今回、会に対しポジティブな思いしか浮かんでいませんでした。bar bossaは渋谷で20年続くワインバーで、マスターの林さんが何冊も書籍を出していたり、常にWebでコラムを発信していたりすることから、よく知られています。
良い雰囲気の場所、だとはなんとなく感じていました。そんな良い場所に集う人たちも、きっと魅力的なんだろうと想像したんです。

あらかじめわかっている共通点

2つ目は、何らかの共通点を持つ人たちが集まると、あらかじめわかっていること。「好きなもの」がかぶっている可能性がある相手と、会話が広がるキーワードが散りばめられた紙を見ながら話すので、話していて良い気持ちにならないわけがない。

お互いが相手に興味を持つ

3つ目は、お互い相手に興味を持つこと。好きなものが書かれた紙を交換すると、基本的には互いに質問し合い、双方向のやりとりが生まれます。目の前の相手に興味を持ち、質問することが出会いのスタート。この3つを満たしていた会だから、疲れなかったのだと思います。

でも、マッチングはならず

とはいえ、疲れなかったからといって、出会いがうまくいく(マッチングする)とは限らないのが現実でした。この会では会の終わりに、気になる異性の名前を最大5人まで書き、翌日お互いが名前を書いていたら、それぞれの連絡先をもらえるという、ドキドキする仕組み。私はひとつもマッチングならず、で残念な結果に……。
後日、林さんに聞いたところ、私が名前を書いていた男性は私の名前を挙げておらず、私が名前を書かなかった男性が私の名前を挙げていたとか。普段、「人生思い通りにいかないのがデフォルト」と思って、期待値低めに生きていますが、「1人くらいはマッチングするだろう」と予想していただけに、30分くらいへこみました。
「こちらのこと若干気に入ってくれてる?」と思うくらい、話しやすい男性ばかりだったので、勘違いしちゃいました……。

人は人を通して自分を知る

ただ、疲れない出会いが手に入ることは会を通じてわかったので、それが収穫です。参加して正解だったし、運が良かったなと思います。自分にとって疲れる出会いの場は避けて、疲れない出会いの場に出ていって、それが実っても実らなくても、「あのとき楽しい時間を過ごせたな」「彼と話していた自分は一番笑っていたな」など、なんらかの発見や気づきがあれば十分。
人との出会いやコミュニケーションを通して、自分自身のことや心の奥底にあること、自分の知らない自分などが、新たに見えてくることはあります。人との新たな出会いは自分を知るきっかけにもなるんです。
出会いに疲れた……と感じていたら、疲れない出会いの場に飛び込んでみるのがおすすめです。

▽ 前回の記事はコチラ

2018.02.02

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子