恋愛にルールはいらない #1「モテなくても、好みの男性は落とせる」

恋愛ルールやハウツー、テンプレートは数あれど、それらを信じすぎたり、振りまわされたりするのはもうやめませんか? 恋愛はひとりでできるものではなく、相手がいて成立することですから「◯◯すれば絶対にうまくいく」というものではないのです。
本連載では恋愛シーンにおける固定観念や思いこみを捨て、自分らしく、心地よく恋愛を楽しむ方法を提案します。

******

第一回目で考えたいトピックは「モテる」。「男性にモテるには」「モテる技術」「モテファッション」「モテメーク」など、世界には「モテる」というキーワードがあふれています。「モテるために~しましょう」という指南の多いこと、多いこと。
「肩くらいまでのヘアをゆるく巻きましょう」「ベーシックで女性らしいファッションをしましょう」「聞き上手になりましょう」「手料理をサッと作れる女性になりましょう」など。
しかも、恋活・婚活シーンで悩んでいる女性たちは、それらを真面目に実践しています。でも、ちょっと待ってください。素直すぎませんか? そもそも、モテることってどうしても必要なのでしょうか?


恋愛対象外の人からモテてもメリットはない

一般的に、「モテる=不特定多数の相手から好意を持たれること」を指します。不特定多数のなかには

(1)自分の好みのタイプ
(2)微妙なラインのタイプ
(3)正直まったく好みではないタイプ

など、さまざまな相手がいるわけです。
(1)から好かれると(運とタイミングがよければ)恋愛に発展するメリットがありますが、(2)と(3)に好かれてもハッキリ言ってメリットはありません。モテることやチヤホヤされることを目標にしているのであれば、話は別ですが……。
私たちにとっての幸せは、モテることではなく、恋に落ちた相手と良好な関係を築くことではないでしょうか。実際、どうでもいい相手から好かれても、プラスはありません。むしろ、好みではない相手から執拗に誘われて、断るために気をつかったり、エネルギーを消費したりと、マイナスしかないのです。

「モテるために◯◯する」のをやめてみる

そろそろ「モテるための努力」をするのに疲れてきた方は、モテの呪縛から逃れませんか。私自身は20代前半の頃、世間一般にいわれる「モテコーデ」を選んだり、合コンで料理をといわけたり、「さ・し・す・せ・そ」を用いたリアクションを心がけるなど「モテるふるまい」をしたりと、広く浅く努力していたつもりです。しかし、それが実を結ぶことはありませんでした……。
あるとき、それに疲れてしまい、モテるためにという意識を捨てました。ファッションもふるまいも、自分自身がそうしたいからする――。「自分が心地よいこと」を軸に、ひとつひとつの行動を選択するようになりました。
人の目、男性の目は気にしなくなったのです。これは「女を捨てた」という意味ではなく、女性であることを肯定し、主体的に楽しみながらも「モテよう」という意図をなくした、ということです。

「その人と過ごす時間を全力で楽しむ」だけでいい

結果、恋人ができたり、結婚したり(現在は離婚しましたが)、好意を感じる人と親密になれたりと、とりわけモテなくても、自分が「いいな」と思う相手だけをうまく引き寄せられるようになりました。とはいえ、落としたい相手の「傾向と対策」を考えて、戦略的に近づいたり、接したりしているわけではありません。そんな器用なことはできませんし、駆け引きをするのは面倒くさい(駆け引きをしようがすまいが、相手がこちらに多少なりとも好意を持っていなければ、その先には進めないわけで、そこで悩む必要などないのです)。
こうしたらどう思われるかな……などとモンモンとする時間もムダだと思っています。そんなヒマがあれば本や雑誌を読んだり、趣味を深めたりして、自分の内面を豊かにしたほうが何十倍、何百倍も有意義で効果的です。
私が心がけているのは「その人と過ごす時間を全力で楽しむこと」のみ。忙しい大人同士が予定を合わせているわけですから、一緒にいる時間は相手に集中し、相手も楽しく過ごせるよう、最近ふれたおもしろい話題を共有したり、役立ちそうなネタを提供したり、おいしいお店に行ったり。すごくシンプルなことしかしません。

自分らしい状態で、今そのときに集中する

全力で楽しんでいる自分の姿を俯瞰すると、無理しない素の私でありながらも、相手の「知りたい」をいろいろと引き出し、その過程でたくさん笑い、ときに腹痛になるほどバカ笑いしていました。その間、スマホなんて見ません。
自分らしくふるまって、今そのときに集中する。目の前にいる、好きな相手とともに過ごす時間を楽しむ。ただそれだけで、ムダにモテなくても、好みの相手と距離をぐっと縮められます。
モテようとばかり思っていると「じゃあ、モテるために自分はどうするか」という視点しか持てません。モテようという枠からとび出すと「いかに自分がゴキゲンに、幸せに、心地よく過ごすか」という考え方ができるようになります。
結果、楽しく過ごせる相手を見つけ、その人と素敵な時間を作る努力を無意識のうちにできるようになるのです。目の前の相手に集中し、気遣うこと、いい時間を作ろうと心がけること。それこそがモテなくても、恋愛を通じて幸せになれるコツだと思います。

▽ 次回の記事はコチラ

2016.08.31

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

記事を書いたのはこの人

Avatar photo

Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子