「今を疑う」のも社長の仕事【新米社長日記 #3】

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2020.07.16.Thu

2020年2月から、プレスラボという編集プロダクションの社長をしている池田園子です。
6月10日、約3か月ぶりにメンバーと再会しました。これまで2週間に一度の全体会議でメンバーと会っていましたが、コロナウイルスの影響でオンラインでの会議に移行していたため、かなり久しぶりの対面。状況が落ち着いてきた今、以前のやり方をどうするか考えると——。

2週間に一度集まる会議は必要?

オフィスはあるけれど“原則リモート勤務”のプレスラボでは、出社義務はありません。勤務開始時間も終了時間も各自の自由です。
唯一守らなければいけないのは、自分の担当する仕事に責任を持つこと。お客様との間で「○日までに納品する」と約束した制作物を、期日までに高いクオリティでお渡しするのです。それさえ押さえておけば、平日に休もうと、土日に仕事をしようと、何でもいい。フリーダムな組織ですが、一方で一定程度の自己管理力が求められます。
ただ、「個人が裁量を持って動く中で、時には他のメンバーとも顔を合わせた方がいいよね」という考えもあり、2週に一度の全体会議はオフィスに集まって行うことになっていました。前代表のときからの決まりごとです。
私も2019年秋から会社に参画してオフラインでの全体会議を体験し、「毎週やる必要はないけれど、これくらいの頻度で集まるのはちょうどいいのでは」と感じていました。
しかし、3月後半から5月末までこの会議がオンラインへと置き換わる中で、「わざわざ集まらなくても、オンラインでOKではないか」と思うようになっていたのです。

社内会議で顔を出す意味ってある?

オンラインでの全体会議は当初「Zoom」を使っていました。全員が顔を見せるビデオ通話を実施。それに慣れてきた頃、ひとりのメンバーからの提案で「Discord」というゲーム好きな人がよく使うというコミュニケーションツールを使うようになりました。Discordでは音声だけで、顔は出しません。
4月に某ソフトウェア開発企業のリモートワーク事例を取材したとき、「社内での会議は顔出しナシ。顔を見なくてもコミュニケーションが成り立つから」という話を聞きました。お客様をはじめとする外部との会議では、最初の挨拶のときだけ顔を見せて、その後はビデオをオフにして画面に資料を投影しながら話を進めるそうです。顔出しをしたまま会議を進めるよりもデータ通信量が小さくなり、音質や通信速度がよくなるメリットがあるといいます。
確かに私たちも、会議中は議事録や他の資料を見ながら話をします。となると、特にビデオ通話を使う必要はなく、音声のみでいいねとなりました。Discordを使い音声だけのコミュニケーションをしていますが、特に不都合はありません。

「会う理由」は会議じゃなくてもいい

そうやってオンラインでの会議スタイルを少しずつ変化させながら、徐々に慣れていった私たち。この件に限らずですが、人間って適応能力が高い生き物だと思います。最初は「どうなの?」と思うようなことであっても、繰り返すうちによくも悪くもこなれて、いつの間にかそうすることが自然な状態になっているから。
例えば、知り合いがひとりもいない場所で働き始めたとしても、数週間、数か月たつ頃にはなじんで仲のいい人ができている、なんてことは珍しくありません。
久々に対面で会議をしたとき、「今後の全体会議はどうする? 例えば、引き続きオンラインなのか、月に一度は集まるのか? みんなはどう思う?」と問いかけました。全体の意見を吸い上げた結果、オンラインでのスタイルを続け、会議でなくても時々(月一度程度)は顔合わせの機会を設ける、という方法を取ることにしました。会議はオンラインでする方が無駄なく効率的に進行できると、この約3か月でわかりました。だからこそ、せっかく会うなら会議とは違うシーンで会いたい。そんな話でまとまったのです。

「その方法で本当にいいの」と疑う役目

「今までのやり方がこうだから」「ずっとこれでやってきたから」。そんな理由を並べて昔の方法に戻すのは簡単です。でも、それでいいの? 前の状況に近づいてきたからといって、元通りにするのは退化ではないのか?
社長には「そのままでいいの?」を真剣に考える役目があると思います。言い換えると、これまでのやり方を疑うことが必要ともいえます。社長の役割はメンバーが働きやすい環境を作ること。それにより組織がいい方向へ向かっていくからです。
となると、今回のように全体会議を100%オンラインに切り替えることで、メンバーの移動時間を減らし、それによって生じる体の疲れを排除するのは働きやすさにつながると考えます。「よりいいよね」と考えられる方法を積極的に試して、組織にしっくりハマるようであればそれに変えてみる。違うと思ったら別の方法をとる。そんなふうに柔軟性を重要視しながら動いています。

▽ 前回の記事はコチラ

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記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子