魔の2歳児子育て(2) 1人子育てママには「ジジババ力」も求められる
赤ちゃん時代は「赤ちゃんだから当たり前」と思える
3歳になる我が子は生後4ヶ月まで、毎晩9時頃になると1~2時間理由もなくギャンギャン泣き続けた。やっと寝かしつけた後も夜中の2~3時間置きの授乳はもちろん、早朝5時頃から30分置きに起きては泣くという状態が待っている。
当時は産後まもなく、いわゆるマタニティブルーにかかりやすい不安定な時期。連日の睡眠不足に加えて、3日に一度はしこり、週に1回は乳腺炎になる半年間もガチガチなおっぱいを抱えていた。
フラフラになりながら胸の痛みとともに、世界の終わりのように泣き喚く我が子を1~2時間立ちながら抱っこし続けた。それでも不思議とイライラしなかった。
思えば26歳で出産した筆者は周りの友達の中でも早い出産で、いわゆる「普通の赤ちゃん」を知らない。入ってくる情報もゼロで、何もかもが初めて。世間からみれば「育てにくい赤ちゃん」でも、当時の自分にとっては「普通の赤ちゃん」。「赤ちゃんだからこれが当たり前」と思い、そこまで苦にはならなかった。
良い意味で「子どものすること」と一歩下がる
ところが3歳も近くなると、様子が変わってくる。着替えもトイレも自分のことは自分で一通りして、お喋りも一丁前。それどころか口がきくようになり、まるで「小学生くらいの子と話している」ような気分になる。
こうなると、親も子どもに求めるレベルが自然とあがる。「何で分からないの」、「何で何回も同じことをするの」、「何でぐずるの」、「何でできないの」……。
でも、まだ3歳だ。生まれてたった、3年だ。
現場での解決策として、良い意味で「子どものすること」と一歩下がってみると気が楽になった。これは、「子どもだからこれしかできない」と見下すのではない。見下した気持ちは子どもも読み取り、逆にうまくいかなくなる。そうではなく、「子どもと大人の線引きを意識的に明確化する」ということだ。
基本的にママは「子どもの気持ちに寄り添うことが大切」とされている。いわば子ども1番の理解者はママだ。しかし子どもが泣いたり怒る感情に引きづられては、共倒れする。
騒ぎたい、投げたい、遊びたい、甘えたい、何度言っても分からないのが子どもだ。初対面の人に「バカ」と言ったり、危ないことにこそ手を出し、人を叩くこともある。大人からみればハチャメチャだ。でも「これが子どものすること」と一歩離れてみれば、怒りも自然と薄まる。
思えば昔は親の頭に血がのぼっても、「それくらい」となだめてくれる祖父母や近所の大人がいた。今は自分たちの両親が近くにいないどころか、子連れに対する世間の風当たりも強い。1人で育児する現代のママにはママ力だけでなく、子どもの成長過程を俯瞰するような「ジジババ力」も求められるのかもしれない。
▽ 次回へ続く
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