【趣味と私と人生と】vol.7 釣れて楽しい、食べて美味しい。だから釣りが好き(柳川裕美)

心から「楽しい」「最高」と感じられる趣味があると、人生はよりおもしろく、彩り豊かなものになります。趣味という名の美しい沼に浸かっている人たちを紹介していく連載【趣味と私と人生と】。
第7回目は「釣り」を愛する、柳川裕美(やながわひろみ)さんに登場いただきます。


初の釣りは微妙な思い出だけど

柳川さんが人生初の釣りに挑戦したのは2017年。年明けに行った旅先で、宿の前に湖があり、ワカサギ釣りを楽しもうとするも……。

「その日はとても寒く、そもそも虫が苦手なのに、ミミズのようなワームを釣り針に付けないといけない。そんな状況だったので、3分くらいで『無理!』と諦めました(笑)」

そのため再び釣りをすることになるとは思っていなかった柳川さんでしたが、知人である中川めぐみさん(現『ツッテ』編集長)がFacebookで毎週のように釣りに関する投稿をしていたのが気になり始めます。
もろアウトドアファッションという格好ではなく、おしゃれな装いで釣りを楽しむ彼女を見ていると、釣りに対して抱いていたイメージが変わり始めました。

手ぶらで行って、ほぼ確実に釣れる!?

ある日、中川さんはこんな投稿をします。「釣りにハマりすぎたので、釣りで起業します」。釣りがひとりの女性の人生を変えた――。柳川さんは思わず彼女に連絡しました。
そして、心から釣りを楽しんでいるように見える中川さんに、「私も釣りに行ってみたい」と伝えます。結果、その模様は柳川さんが勤めるRettyが持つWebサイト「Rettyグルメニュース」で記事化されることに。

「中川さんに釣りに連れて行ってもらったのは2017年12月です。金沢八景駅から船を出して、カワハギ釣りを楽しみました。海釣りはエサが小魚やイカなので、虫嫌いな私でも抵抗はなかったです。

海釣りの魅力は、船で“釣れるスポット”まで連れて行ってもらえるから、ほぼ確実に釣れること。初心者ばかりで行ったのに、ひとりにつき5匹ほど釣り上げていました。

長靴や合羽などすべてレンタルできるのもいいですね。ほぼ手ぶらで行けるので、釣りってこんなに手軽に楽しめるんだ! といい意味でびっくりしました。釣った魚を持ち帰るなら、グループにひとつ、クーラーボックスがあればOK。私もキャスター付きのクーラーボックスを買っただけで、釣り竿などはいつもレンタルです」

釣った魚を店に持ち込んで食す喜び

その日釣った魚は馴染みの飲食店へ持ち込みました。「自分で釣った魚を食べる」のに興味があった柳川さんにとって、釣りだけで終わらない「釣り+食」が、のめり込んでいくきっかけとなったようです。

「みんなで『これは○○さんが釣った魚だよ』なんて、釣りの様子を振り返りながら、一品ずつ味わうのも面白いですよ。いつものメンバーでも新鮮です。
釣れて楽しい、食べて美味しい! そう感じてからは周りの人にも釣りを勧めるようになりました。自分で魚をさばけるようになったのもうれしいですね」

都内からの近場だと、羽田空港裏の天空橋、元町・中華街付近には港があり、船で20分程度で“釣れるスポット”まで行けます。思ったより簡単に、クルマがなくても電車で、非日常を味わいに行けるのが釣りの魅力だと柳川さんは話します。

釣りで得られる達成感が気持ちいい

「1回の釣りにかかる金額はだいたい15,000円程度です。船に乗ると道具のレンタルを含めて半日(3~4時間)で5,000円、1日で8,000円くらいです(※乗船料は船によって異なります)。

釣った魚を持ち込む費用は店によって違いますが、私が持ち込んだお店の中で一番リーズナブルだったのは、北前そば高田屋川崎駅前店でした。持ち込み料1,500円で3品まで作ってくれます(※持ち込みプランがある店舗は同チェーンHPでご確認ください)。金額的には普通に食事をするより少し安くなります。

よく飲みに行く馴染みのお店にお魚を持ち込んで、釣果(釣りの成果)と思い出を共有しながら食事をするのも、楽しみのひとつです」

今では月1回のペースで釣りに出かける柳川さん。初心者と一緒に行くことが多く、比較的簡単に釣れるアジ釣りをすることが多いとか。

「アジ以外の魚も釣りたいと思うこともありますが、最初は簡単に釣れる魚を釣って、達成感を覚える経験をしてほしい。釣りなら仕事やその他のことよりも、すぐに目標を達成できますからね(笑)。アジなら早朝からではなく、昼からでも行けるのでおすすめです」

釣り×何かで楽しいコラボも

先日は前出の中川さんと熱燗にハマって「熱燗」で独立した友人(ライターのKENZOさん/別名:熱燗DJつけたろう)とコラボして、自分たちで釣った魚と熱燗を合わせていただく会を開催しました。

「10人くらいのメンバーで盛り上がりました。釣りにハマってよかったなと思うのは、好きなもので輪が広がる、という実感を得られたこと。そのイベントがうまくいったので、今後もいろいろなことを企画していきたいです」

編集後記

2018年に入るまで、趣味と言えるほどの趣味がなかったという柳川さん。30代に入って時間に余裕ができたことで、2018年の目標に「趣味を持つ」と掲げていたそうです。
釣りを趣味のひとつにしたことで、目標を達成するだけでなく、仕事以外のコミュニティも持つようになり、今まで以上に充実した日々を過ごしている印象を受けました。

▽ 柳川裕美さん

1986年生まれ。Retty株式会社でHR/コミュニティマネージャーを担当。

▽ 前回の記事はコチラ
『Retty』

2018.11.13

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子