【趣味と私と人生と】vol.5 乗り鉄女子は「乗る電車」から旅先を決めるんです(東香名子)

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2018.09.07.Fri

心から「楽しい」「最高」と感じられる趣味があると、人生はよりおもしろく、彩り豊かなものになります。趣味という名の美しい沼に浸かっている人たちを紹介していく連載【趣味と私と人生と】。
第5回目は「鉄道」を愛する東香名子(あずまかなこ)さんに登場いただきます。

鉄道に乗るのが好きな「乗り鉄」

テレビやラジオに「鉄道に詳しいコメンテーター」として呼ばれたり、「東洋経済オンライン」に路線に関する寄稿をしたり、大好きな鉄道を仕事に絡め、活躍しているコラムニストの東香名子さん。
小学生時代、ファミコンの「桃太郎電鉄シリーズ(初代)」(Konami)に熱中し、日本全国の地理を覚えたことが、鉄道好きになる最初のきっかけになりました。
鉄道好きと一口に言っても、ジャンルは細分化されていて、東さんは鉄道に乗るのが好きな「乗り鉄」活動がメイン。他にも鉄道を撮るのが好きな「撮り鉄」、駅メロやモーター音などを聴くのが好きな「音鉄」などがあります。

「大学生の頃は学校が北朝霞(武蔵野線)にあったこともあり、授業が早く終わった日は武蔵野線の終点まで行ったり、地道に活動していました。最初から最後まで乗るのを鉄道用語で『完乗(かんじょう)』と言って、乗り鉄はそれを目指すんです」

ローカル線は発車15分前にホーム待機

乗り鉄の東さんが女性におすすめするのは、JR九州の車両。鹿児島中央駅―指宿駅間で運行中の特急列車「指宿(いぶすき)のたまて箱」号の写真を見せてもらったところ、角張ったフォルムながらも黒と白のバイカラーになった車両は、どこかおしゃれでかわいい印象を受けました。

「旅行するときは『何線に乗るか』から決めます。目的の電車に乗ることが旅のメインイベントなので(笑)。今年の冬は『ストーブ列車』に乗りたくて青森に行きました。雪景色を長めながら、ストーブの上で焼いてもらうするめと日本酒をいただくのは、至福の時間でした」

ちなみに、列車に乗る前に気をつけていることがあるという東さん。ローカル線だと誰よりも先に乗りたい、という気持ちがあるため、発車時刻の15分前くらいにホームでスタンバイ。余裕を持って準備することで、「良い席」を確保できるといいます。

直近では6月30日に新大阪駅―博多駅で運行開始した「ハローキティ新幹線」に乗ったという東さん。現地で購入したファイルとペットボトルを持参して見せてくれました。そのときの東さんの表情がとても輝いていて、なにより楽しそう……!

寝台特急は車窓からの眺めが楽しくて眠れない!

続いて1泊2日程度でさくっと行ける、女性ひとりでの鉄道旅のプランを聞いてみました。
ロマンを感じる寝台特急なんていかがでしょう?

「今、定期運行している寝台特急はサンライズ出雲・瀬戸だけになります。私は高松が終点になるサンライズ瀬戸に乗りました。東京駅で友達と飲んだ後、『一回乗ってみたくない?』と当日にチケットを取ったんです(笑)」

なんともかろやかな決断です。車内は清潔感があり、カギがかかる個室もあります。22時に東京駅を発ち、朝6時頃に岡山に到着する長い列車の旅で、東さんは「楽しくて眠れなかった」とそのときの思い出をふり返ります。

「普段は見られない夜の風景を見られてうれしかったです。深夜2時台の大阪駅を見る機会なんてないですからね。誰もいない! って興奮しました。人が歩いていない都会を見るのも楽しいですが、地方の静かな田園風景も良かったです。田んぼの水面に月だけが映し出される光景がきれいで。朝焼けを見たのもいい思い出です」

「ご当地グルメは絶対に外せない」東さんにとって、この旅のふたつめのミッションは、終着駅の高松で讃岐うどんを食べることでした。その後は岡山駅まで移動して、そのまま東京駅まで新幹線で戻ったそう。思い立ったら即、旅の態勢に入れるのも、鉄道旅の魅力!

音鉄、筋鉄の活動も語らずにいられない

乗り鉄がメインとはいえ、音鉄・筋(すじ)鉄な一面もある、という東さん。
音鉄はわかるんですけど、筋鉄ってなんですか……?

「時刻表やダイヤグラム(鉄道の運行時刻を図にしたもの)が好きな人のことをいいます。私は時刻表を読むのが好きで、家でひとり飲みをしているときに、ダイヤグラムを引くのが趣味です。『今日は筋引くか』みたいな感じで没頭します(笑)」

そしてご当地駅メロを目当てに青森まで行ったのは、音鉄メインの活動といえます。ドアが閉まる際に津軽三味線の音が流れる弘前駅で、生音を聴いてうっとりし、録音して東京へ持ち帰って、好きなときに聴いているのだそう。

「独自駅メロを愛でるのも好きなんです。東京でもご当地駅メロはけっこういろいろあります。たとえば山手線駒込駅は『さくらさくら』(唱歌)、日比谷線秋葉原駅は『恋するフォーチュンクッキー』(AKB48)、りんかい線東京テレポート駅は、踊る大捜査線のテーマ曲『Rhythm And Police』(ユニバーサルミュージック)が流れていますよ」

編集後記

東京から名古屋へ鈍行列車で移動し、ひつまぶしを食べた後、特急しなので長野へ向かい、温泉に浸かって特急あずさで帰京――いつぞやの東さんの夏休みひとり旅です。
春・夏・冬に販売される青春18きっぷを使って、各駅停車の電車に乗る、ゆったりとした時間を楽しみながら、ご当地グルメを堪能し、帰りは大人ならではの経済力(?)を使って、特急や新幹線で“ワープ”する。
今回、そんな自分のペースで満喫する鉄道ひとり旅を教えていただきました。旅だけではなく、日常的な乗り物である列車を楽しむコツも指南してくれた東さん。今後の鉄道活動、鉄道コラムも楽しみにしています!

▽ 東香名子さん

1983年生まれ。東洋大学大学院修了。外資系企業、編集プロダクション、女性サイト編集長を経て現在フリー。趣味は鉄道一人旅。英語、ドイツ語が堪能。特に愛している路線は西武線と京急線。おしゃれな人が多く乗っているという東急東横線、銀座線ではファッションのヒントを得ることも。

▽ 前回の記事はコチラ
東 香名子オフィシャルサイト

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記事を書いたのはこの人

Written by

池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。
写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子