【インタビュー連載】 キャンドル作家・兼島麻里さん ~第3回 灯しやすく、見た人が心躍るようなキャンドルを作りたい~

キャンドルブランド『Ballare』代表、2児(3歳、1歳)の母でいらっしゃる兼島麻里さん(30代)。第1回では、キャンドルとの出会いや、キャンドル作りの魅力について。第2回では、産前・産後の活動の変化や、育児との両立についてうかがいました。
最終回では、出産を通してのキャンドルへの心境の変化、これからの展望についてうかがいます。


育児を通して得た新たな視点を、キャンドル作りに活かしたい

吉原:出産後はなにかキャンドル作りへの心境の変化はありましたか?

兼島さん(以下、兼): キャンドルを作りはじめてからのこの7年間で、作りたいキャンドルのカタチは大きく変化してきました。制作当初はとにかく見た目重視のキャンドルを作っており、灯すことは二の次。恥ずかしながら、作った本人が灯さないまま飾っていて埃をかぶってしまう、ということもよくありました。なんのためのキャンドルなのか、と漠然と感じながらも、見た目の可愛さ・技術を追求する時期が続きました。

兼:しかし、出産・育児を機に、キャンドルを飾ることよりも、「灯して癒されたい」という気持ちが強くなり、以前の生活よりも時間や場所が限られるにもかかわらず、キャンドルに火を点ける機会は増えました。子どものお世話をしながらですと、ロウ垂れや炎の様子が気になる形状のキャンドルは、とてもではないですが危険で灯そうという気がおきません。結局自分が灯すために選ぶキャンドルは、シンプルな形のものばかりでした。そこで気がついたんです。

兼:私は以前から、日本でも海外の様にもっと「キャンドルのある日常」が定着したらいいなと頭では考えていましたが、見た目を重視するあまり、今まで火を灯すのが少しおっくうになるキャンドルを作っていたのではないかって。「灯そう」と思えることがまず大切だなって。

吉原:なるほど、経験してこその発見ですね。それを踏まえて、今後の『Ballare』の展望をお聞かせください

兼:今は灯しやすい形を基本に、見た人が心躍るようなワクワクするデザインのキャンドルを作ることを意識し、試行錯誤しています。ゆくゆくはキャンドル教室を開き、キャンドルの灯りのすてきさや、キャンドル作りの楽しさをひろめたいです。習ったきりにならず生徒さんがお家でも一から自分で作れるように、レシピを工夫しながら伝えていきたいです。

読者へのメッセージ

吉原:最後に、同じく家庭をもつ女性、これからもつ女性にむけてメッセージがあれば、お願いします!

兼:育児をしていると、自分のためにお金や時間を使うことにうしろめたさを感じてしまうことも多々あります。子どもとこんなにも長い時間を一緒にすごせるのは今だけで、最優先であることにはかわりありませんが、一日のうち、少しだけでも自分のために使う時間を作ることは、親にとっても子どもにとっても悪いことではないと思います。

兼:子どもは親の行動をよく見ており、最近では作品ができあがると「ママ、昨日作ったの? 上手だね!」と褒めてくれたり、下の子がキャンドルにイタズラをしようとすると「ママが頑張って作ったものだから、だめだよ!」と上の子がいったり。そんな姿を見て私が癒されています。子どもとも一緒に作ったりしたいですね。

吉原:本日はすてきなお話を、ありがとうございました

今回お話をうかがって、キャンドルを語るときの真剣な表情とご家族の話をするときの優しい表情が印象的だった兼島さん。育児と制作活動が互いにいい影響をおよぼしあっていることにも、感銘をうけました。今後のご活躍に、期待大です!

『Ballare』のキャンドルは、下記店舗およびBallare公式サイトにて購入できます。
『コトノハ雑貨店』『浅草FUJIYAMA』
・HP handmade candle『Ballare』

2015.07.18

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Written by 吉原由梨(ヨシハラ ユリ)

東大法学部卒業後、外資OL、秘書職を経て、現在は都内で夫と二人暮らしのフリーライター。30代初級者。 趣味は読書、グルメ、美容と健康の研究、マッサージ巡り、人間観察etc. 自身の経験や思索、あとは好奇心の赴くまま、幅広いジャンルのコラムを書いていきます。 Twitter:@yuriyoshihara ブログ:http://yuriyoshihara.blog.jp 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子