大人になった「全ての女子」に読んでほしい! 現代版『赤毛のアン』である『本屋さんのダイアナ』が励まされる!
「できるだけ多くの女子に読んでほしい~! 本当に面白くて、心から励まされて、ページをめくる手がとまらなくなるから!! 」と筆者が個人的に思っている作家さんの一人に、柚木麻子さんがいます。Googirlでも『3時のアッコちゃん』や『伊藤くんA to E』などをご紹介させていただきましたが、今回は帯に“現代の『赤毛のアン』”と銘打ってある『本屋さんのダイアナ』という本をご紹介したいと思います。
少女から大人になった全ての女子をパワフルに励ましてくれる、読んでいてとても元気がでるお話です。まるで『赤毛のアン』の「アン」と「ダイアナ」のような友情が描かれているこの物語。一体どんなお話なのでしょうか?
『本屋さんのダイアナ』(柚木麻子/新潮社)
このお話は主人公が二人います。一人は「大穴」と書いて「ダイアナ」と呼ぶ、キャバクラに勤める母親に、金髪頭に染められた、やせぽっちの女の子。本が好きで、図書館に通いつめています。
もう一人は「彩子」という、真っ黒なおかっぱ頭の女の子。裕福な家庭で生まれ育った品の良さを感じさせる、キレイな子です。そして彼女も本が好きです。
二人は全く違う境遇で育ち、外見も正反対なのですが、会った瞬間に親友になります!
本書は、このダブルヒロインの、小学3年生からの15年間が描かれています。
現実は物語のように上手くはいかないけれど……。
小学校の時は仲良くしていた二人ですが、彩子が受験して私立の中学に入り、お嬢様路線を突き進む中、ダイアナは地元の問題児が多いことで有名な中学に進み、ますますたくましく、そして美しく成長していき始めると、二人に距離が生まれます。そしてお互いに、大きな試練に立ち向かうことになるのです……!
このお話は、物語のように、全てがハッピーエンド! という終わり方はしませんが、読み終わると心が晴れ晴れとした気持ちになります。
たとえ親友同士であっても、二人のうちどちらかが高く飛躍して活躍すれば、ずっと友達でいられることは、時として難しいことがあると思います。この二人は、自分の与えられた環境で悩みながらも努力して、自分に与えられた試練を、誰のせいにもせず最終的に自分一人で乗り越え、時にはケンカしながらも友達でい続けたことがすごいな……と思いました。まさに現代の「アン」と「ダイアナ」であった二人は、「腹心の友」と言っても過言ではないように思います。
熱い友情と、少女が大人になるまでの強さや切なさを身体いっぱいに吸い込みたい方! 良かったらぜひ読んでみてくださいね。