オシャレで完璧すぎる雑誌の誕生! 今、話題騒然の『CANVAS』編集長にインタビューしました!
こんにちは、渡辺早織(@w_saori)です。
先月7月25日に販売された新しい女性誌 『CANVAS(キャンバス)』。
ページをめくると雑誌の中の世界へ吸い込まれていくかのように、魅力的で充実したこの一冊の雑誌に夢中になってしまった。
この号のテーマはハワイや海、自然と都会の融合。
まずとにかく誌面がかっこいい。
しかし、その誌面にとどまらず『CANVAS』の扱うテーマや内容が現在たくさんある女性誌とは一線画しているように思い、思い切って今回はこの『CANVAS』の編集長宮原 友紀さんにインタビューをさせてもらうことにしました。(インタビューの最後に雑誌の中身を特別に一部公開しているので、気になる人は最後まで是非読んでみてくださいね!)
この雑誌は世の中の女性がほっておくわけがない!!
現に代官山のTSUTAYAでは販売後すぐに一時売り切れになるほどだったのだそうです。それだけ世の中の感度の良い女性が注目している雑誌、『CANVAS』。
先に断りをいれておくと、『CANVAS』はいわゆるファッション誌ではない。
ファッションだけではなく、その人のライフスタイルを網羅しているのだ。
人それぞれライフスタイルはもちろん違うけれど、『CANVAS』というフィルターを通して、それぞれの人が自分の“軸”を見つけていける…そんな雑誌なのかもしれない。
また、『CANVAS』の注目すべき点は時代の流れに則してアプリやwebと連動していること。しかもアプリなんかもそれだけでも完結できるほど丁寧にかわいくつくられているのだ。
色々とほっておけない『CANVAS』。
宮原さんはお会いするとまもなく、次々に思いを伝えてくれるとてもバイタリティのある方で、そんな宮原さんへのインタビューは雑談の中から始まりました。
『CANVAS』はfacebookページやwebページ、雑誌にスマホをかざすとアプリが開くなど連動して作っていますよね。
宮原:なんで始まったのかは分からないんだけど…。
雑誌だけだとこっちから発信する一方通行になっちゃうけど、(インターネットを介することで)リアルな反応はもらえるかもなぁと思って。
そのためのツールとして使わないわけにはいかないなってどっかでそういう気持ちがありました。雑誌だけでは感度の良い子にささらないんじゃないかなと思って。
こちら側から一人でも多くの人に“発信”するものって、一番はテレビだと思うんですが、“コミュニケーション”という役割は薄くて、結局「メディア」という立ち位置なんだと思うんです。でも、「メディア」としてよりも「コミュニティ」な存在になりたいと思ったんです。
女の子のファッション誌ってすごく昔からあってもう飽和状態ですよね。たくさんありすぎちゃうし、もしくはインスタ(Instagram)とかで自分発信ができちゃってるから、もしかしたらそっちの方が情報をもっている場合もある。だとしたらその雑誌自体が“コミュニティ”になれればいいんじゃないかって。
一方通行じゃなくて、みんなが集まってまた違うものを生み出して、みたいな。そういう核みたいなものになりたいと思ったんです。
CANVAS アプリ「HAPPY HAWAII GUIDE : CANVAS version」
では、今回この『CANVAS』を作った理由はそういうところに?
宮原:理由はもう1つあって、日本のファッションってコンサバとかサーフ系とかギャル系とか・・・、こう○○系っていうのに区切られちゃってて。
でもそうは言っててもみんな結局ブランドものも持つし、チープなものも好きだし、綺麗な格好をしたい時もあれば、デニムを履きたいときもある。
スタイルってそれぞれなんじゃないの?って思った時に、○○系にとらわれなくてもいいんじゃないかなって思ったんです。
そんな時にカテゴライズされない雑誌を作りたいと思いました。でもそうなるとファッション誌っていうよりかはきっとライフスタイルなんだろうなって。
中の構成的にもファッションは2割でいいなってくらいで、後の8割は明日から実践できるようなこと、ネクストウィークエンドでできること、次の休暇でできることを載せていこうという構成になりました。
『CANVAS』でハワイや自然、海を融合させようと思った意図は?
宮原:これを言ってしまうとあれなんだけど、私のそのものの12年間を踏襲させていただきました。
サーフィンの雑誌の編集を12年前にやっていたんですが、どうしても海側で遊んでいるとサーファー系みたいに区切られているっていうのがあって。
今日本における海文化っていうのは薄いと思うんですよね、カルチャー自体が。せっかく夏にサーフィンがきても冬になると廃れていったり…。
なんで日本って、サーフィンじゃないにしても何でも「ブーム」になっちゃうんだろうって思ったの。
それぞれカルチャーじゃない? 好きなものはずっともっていけるものだし、サーフィンをやりながらコンサバな格好をしてもいいわけだし。なんかそのことを12年前からずっと思っていたんです。
それで1回サーフィンの雑誌をやめて。
さらに言ってしまえば、実はわたし12年前に1冊ある雑誌で編集長的なことをやっているんですが、それが24歳頃だったのだけど、お願いする人がみんな年上だから完全になめられるし(笑)、予算も含めて、まぁ惨敗な結果で終わったんです。
それで私は雑誌に向いてないんだと思って一回身を引いたんです。
その後は「Yahoo! JAPAN」にいきました。でもそこで私が思っていたのは、昔から本つくるのが好きだなぁって、さらには残っていくものを作りたいんだなぁと思ったんです。
そういう意味ではデジタルなものは“タイムリー”なものなんだけれど、“タイムレス”なものも絶対に必要だと思って。
そして私はきっとそっちを作る人だろうし、作れるだろうと思って、ファッション誌に携わりはじめました。
そこから自分の伝えたいことに近づいていけた?
宮原:ファッション誌でもサーフィン誌でも、ライフスタイルを謳うには、今まででは多分時代が早かったのかもしれませんね。
今はみんな充実した人生や選択肢もたくさんあるし。
3.11(の東日本大震災)が起こってから、“ライフスタイルで本当に大事なものってなんだろう”って考えるようになって、もしかしたら今だったら私がずっと思っていた「好きなものをチョイスして自由に人生を生きる」みたいなことって、みんなに共感してもらえるんじゃないかなってそれを去年2012年の夏~秋頃に思いました。それで、「よし!だとしたらそれは自分への清算と、みんなの一つのコミュニティを作りたい」っていうので『CANVAS』はできたんです。
CANVASの誌面のコンセプトは?
宮原:私のことを知っている人は、12年間私の頭の中にあったことを出したんだなって思っていると思います。
実は私、仕事も紆余曲折してきたし、結婚も2回目(笑)。だけどきっと失敗している人の方が次のジャンプが高く跳べるんだと思う。
『CANVAS』もクリーンな人に絶対出てもらいたい! とは思ってなくて、むしろ人生に抑揚のある人に出てもらいたいなって思ってるんです。だから過去にいろいろあっても、今それでも前向きに生きていこうとしている人が素敵だなと思うんです。
弱いけど強い女の人っていうのを共感してもらえればと思っています。
これから『CANVAS』を手にとってくれる女性へのメッセージをお願いします。
宮原:本をもし買ってもらえたのだったら、ずっととっておいてもらえると嬉しいなと思ってます。
それでそれを彼氏なり旦那さんなりと回し読みをしてほしい。
というのは、やっぱり雑誌をずっと作ってきて、その時々のトレンドのものが載ってるのをみてきたけど、それがトレンドじゃなくなっちゃった時、捨てられちゃうのがすごく悲しいなと思って。
それはエコじゃないし、やっぱり自然があって都会があるわけだから。
『CANVAS』を手にとってくれる女性は、そういう全体的なことを客観的に見られるキャパがある女性だって思っています。
だからそういうものを大事にしてほしいなっていう気持ちがあるんです。
あと、私もオーガニックのものも好きだけど、ジャンクな食べものも大好きで、そこが矛盾してるって思う部分もあるんだけど、そこはやっぱり規制やルールをつけないで、その時の気持ちで選び取っていける指針というか、ナビゲートブック的なものになればいいなって思ってます。
雑誌を作っていく中で面白かったことは?
宮原:面白かったのは、私フリーランスで仕事をしていて、社員でもないから編集部っていうものをもってないんです。
それで私がお願いしている編集のみなさんもみんなフリーだし、打ち合わせするにもTSUTAYAやモントークで打ち合わせしたりで、全部外だったんです。
それでみんな結局自宅作業で。でもそれでも十分にできるんですよね。
PCで、メールで、とかができるからリアルタイムでできたし。
雑誌以外にも、『CANVAS』のアプリ等もそこから広がっていって数回の打ち合わせでできたっていうことが、私の中で目から鱗でした。
たとえば大企業のような大きい会社だったら週に一回は打ち合わせをしたりとかして、1年はかかるようなボリュームでも、それを一ヶ月タームでやっちゃったんだけど、そう思うとすごいなって。
でもそのスピード力っていうのが何で出来たかというと、みんなフリーランスだったから。
みんなそれぞれの役割っていうのは自分の中で分かりつつもやれること、やるべきこと、やりたいことみたいなものがあって、たとえば編集の子はやるべきこととして取材に行くのだけど、やりたいこととなった時に、もう1つこういう企画があるんですけどっていうのを持ってきてくれたりとか、誰かを紹介してくれたりとか。
1人が2役3役やってくれてたなぁっていうのがあって。
それはノマド的な編集部隊だからできたんだろうなぁと思ってる。新しい形だなぁと思って。
多分私のだめな感じをみんなが見て動いてくれてるんだと思うんだけど(笑)、でもそれを客観的に見て新しいと思えたんですよね。
それでいて最終的にはみんなが同じ方向に向かえていたっていうのがすごく嬉しかった。
『CANVAS』の今後の展開は?
宮原:次号発売はまだ未定なんですが、徐々にコミュニティを広げていって、2号目を出せたらいいですね。内容的なことをいうと、次はもっと街メインで展開してもいいかなと思って。
結局週7日あって郊外に遊びに行くとなっても多くて2日。
週の5日は東京にいるわけだから、だとしたらそこでどうするのっていうこととか。
たとえばニューヨークのブルックリンは参考になることがたくさんあるし、東京の中でもやれていることっていうのもあるし、その辺をファッションもひっくるめてかっこいいビジュアルで見せていけたらいいなと思っています。
あとはやっぱり色々なジャンルのクライアントさんたちと作っていきたいな。
たとえば不動産とか水とか。あとは農協とか、なんだったら政治とかね(笑)。
渡辺:最初は海系の雑誌だと思ってみていた人が次の号の『CANVAS』は全く別のジャンルの街で「あれ?」って思っても、最終的にキャンバスの描いている軸が見えていくんだろうなと思います。
宮原:そのとおり! すごいね、一緒に本作らない?(笑)
渡辺:是非お願いします(笑)
インタビュー中も常に明るくバイタリティを感じる方で、その人柄に魅了されて多くの人が集まっていくのだろうと感じました。
人一倍の思いを背負った宮原さんだからこそ、この『CANVAS』は生まれ、そして世の中の多くの女性に共感され続けていくのだろうと確信しました。
最後に
やっぱりかっこいい。
そういえば先日現場でスタイリストさんがたまたま『CANVAS』を読んでいて私も嬉しくなって思わず声をかけたら、「これ、すごい良い雑誌でびっくり!! 隔月とかで発売してほしいなぁ」と、かなり興奮されていました。
『CANVAS』はこれからさらにたくさんの人達に届き広がって、日本を代表する雑誌になるのでしょう。
『CANVAS』は全国の書店、オンラインショップで発売中!
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