どうして…慰め合いから始まったW不倫の末路【真犯人は】
夫ではない男性・慧との関係に溺れ、抜け出せなくなってしまった早紀。夫・祐介の異様な束縛から逃れるため、別れを告げたものの、その狂気は増すばかり。何とか祐介の追跡をかわし、最寄りの駅にたどり着いた早紀でしたが、依然として背後には見えない何かの気配がまとわりつきます。疲弊しきった心身で地下鉄の階段を下りようとしたその時、まさかあの瞬間に悲劇が起こってしまうなんて――。
あらすじ
薄暗い夕暮れ時、スマホを操作しながら駅へと急ぐ早紀。ふとした瞬間に感じた悪寒に振り返るも、そこに祐介の姿はありませんでした。「ちゃんと撒いたはず」と自身に言い聞かせ、早足で駅の階段へと向かいます。しかし、階段に足をかけようとしたまさにその時、再び強烈な悪寒が彼女を襲います。
背後の気配に神経を尖らせながらも、一歩を踏み出そうとした瞬間、背後から強烈な衝撃を受け、早紀の身体は宙へと投げ出されます。
スローモーションのように階段を転がり落ち、頭を強く打ち付けた早紀は、激痛の中、朦朧とした意識の中で階段の上に立つ人影を目撃します。
それは祐介ではなく、見知らぬ女性の影でした。一体、誰が、なぜ――?意識が途絶える寸前、早紀は愛しい慧の名を心の中で叫ぶのでした。
見どころ
拭えない悪寒
階段を降りようとした瞬間にも、またしても早紀を襲う嫌な予感。振り向くことはできないけれど、背後の気配にただならぬものを感じています。「…やっぱり 視線を感じる気がする」という心の声は、彼女が常に何かに怯え、追い詰められている状況を表しています。この一連の悪寒は、読者に不穏な空気感を強く印象付け、この後に起こるであろう事件への緊張感を高めます。
唐突な衝撃と落下
「念のため 駅内でも少し大回りに行こうかな」と考え、まさに一歩を踏み出そうとしたその時、背後から強烈な衝撃が。次の瞬間、早紀の身体は抵抗することもできずに宙へと投げ出されます。まるで静止画のように空中に倒れ込んだ早紀の姿は、突然の出来事に翻弄され、為す術もない彼女の絶望的な状況を物語っています。
見覚えのない影
激しい痛みに意識が朦朧とする中、早紀が辛うじて捉えたのは、自分が倒れ込んだ階段の上に立つ女性らしき人影。膝に手をつき、こちらを覗き込むようなそのシルエットは、早紀にとって全く見覚えのないものでした。「…?」「だ、れ…?」「祐介じゃない…」「女の、ひと…?」という早紀の混乱した心の声は、事件の真相が全く予想もつかない方向へ向かっていることを示唆し、大きな衝撃と謎を残します。
▽ 一瞬にして日常から突き落とされた早紀。追いかけてくるはずだった夫・祐介ではなく、見知らぬ女性によって突き落とされたという衝撃的な事実。最後に見たその影は、このW不倫の結末に、底知れない闇を投げかけます。意識を失った早紀に、一体何が待ち受けているのでしょうか。