「娘ってのは難しいよ」不倫に嫁いびり…娘を想い奮闘するシングルファザーの話【誰も知らない未来】
少年院を出たばかりの孤独な竜一に、温かい食事と住む場所を与えた大吾。実の親を知らずに生きてきた竜一にとって、それは初めての温もりでした。今回は、娘たちの幸せを願うシングルファーザーの奮闘を描いた「娘ってのは難しいよ」より、話の見どころをご紹介します。
あらすじ
竜一の過去を知りながらも、分け隔てなく接してきた大吾。そんな大吾の娘である美鈴は、格式高い家柄の男性と結婚したものの、義母との関係に悩んでいる様子。以前、憔悴した美鈴を見かけた竜一は、いてもたってもいられず、大吾に美鈴に会いに行ってほしいと懇願します。親として娘を心配する気持ちは痛いほど分かるものの、相手の家に遠慮してしまう大吾。しかし、竜一の真剣な訴えに心を動かされ、ついに美鈴に連絡することを決意するのです。
見どころ
過去への感謝と親への想い
かつて自分の母親のように慕っていた美緒との日々を振り返り、感謝の言葉を口にする竜一。「本当に幸せだった」という彼の言葉には、短いながらも濃密な時間が凝縮されています。同時に、娘二人を持つ大吾と美緒に対し、「イカレタおじさんとおばさんだと思いましたけどね」と冗談めかしながらも、心を開いていたことが伝わってきます。
育ての親の愛情と期待
竜一の才能をいち早く見抜き、大工として育ててきた大吾。「こいつは絶対にいい大工になるってな」という言葉には、親としての愛情と期待が滲み出ています。一人暮らしを始めた竜一がすぐにアパートを借りて出て行ったことを少し寂しそうに語る姿も、また人間味あふれる魅力的な一面です。
娘の苦境を案じる切実な願い
義母との関係に苦しんでいるであろう美鈴を心配し、「頼むから美鈴さんに会いに行ってあげてください!」と必死に訴える竜一。自分がつらい経験をしてきたからこそ、美鈴の精神的な苦痛を察し、お腹の赤ちゃんへの影響まで案じる彼の優しさが胸に迫ります。
▽ 竜一の真剣な眼差しと訴えに、ついに重い腰を上げた大吾。娘を思う父親の気持ちは痛いほど伝わってきますが、格式高い家柄との間に横たわる壁は決して低いものではありません。幸せそうなウェディングドレス姿の美鈴に走る亀裂は、彼女の未来に暗雲が立ち込めていることを暗示しているようですね。