30年近く男尊女卑を虐げられてきた母…娘の彼の母親を前に「呪い」のような半生を振り返った話
令和になっても男尊女卑の価値観が根強く残る人っていますよね。特に家庭内や地域全体で男尊女卑の思想だと、周囲に価値観をアップデートする人がいないのでやっかいなもの。今回は30年近く男尊女卑を虐げられてきた母が、しがらみを断ち切るよう説得された話をご紹介いたします。
高校生の常盤くぬぎは男尊女卑の思想が根強く残る地域に住んでいます。そのため性別だけが理由で弟・一鉄のみ優遇され、くぬぎは我慢を強いられていました。毎日惨めな思いをしているくぬぎは、早く自由になりたいと考えています。
そんなときに美容師を目指す親友の志野から、高校を卒業したら一緒に上京しようと提案されます。志野と上京したいくぬぎは父・平に進学したい旨を伝えるも、「女に学歴なんかいらん!」と一蹴されてします。しかし成績優秀なくぬぎは担任から奨学金をすすめられたため、再度平に上京を宣言します。
それでも平、母・ふたば、一鉄から猛反対されてしまったくぬぎですが、売り言葉に買い言葉で有名大学ならいいと交換条件を出されました。試験の費用や交通費なども自分で工面しなければならないくぬぎは、美容師として働く志野の母親・京子のお店でバイトをしながら試験勉強に励み、有名大学合格を果たします。
志野とルームシェアをしながら新生活をスタートさせた2年後、ゼミの飲み会で絵本作家を目指す松戸成志と出会います。最初は成志を警戒していたくぬぎでしたが、成志の綺麗な絵に惹かれ交際、結婚が決まります。大学を卒業し現在は研究職をするくぬぎと、絵本作家として個展も決まっている成志は、成志の強い希望でくぬぎの実家へ挨拶に行くことに。しかしくぬぎは母子家庭で育った成志が、両親から失礼なことを言われるのではないかと悩みます。
それでも7年ぶりに実家に帰省すると、ふたばは母としてくぬぎを受け入れてくれました。そして平、一鉄と対面しますが、案の定成志の仕事や母子家庭であることをバカにします。それでも成志は怒ることなく、横浜で開催される自分の個展に平、ふたば、一鉄を招待します。成志の人気に驚いた平は、ふたりの結婚を認めました。
そしていよいよ両家顔合わせがはじまりますが、酔っぱらった平はくぬぎを「親不孝な薄情娘」と言ったり、女性の社会進出に否定的な発言をしたりします。しかしそれを聞いた経営者の成志の母・三咲は「私の立つ瀬がない」と切り出し、「人柄もよく聡明な彼女が私は大好きです」とくぬぎを庇います。翌日ふたばは三咲に誘われお台場に行きますが、自分とは正反対の人生を送る三咲を見て、くぬぎに男尊女卑の価値観を押し付けてしまったのはとんでもない過ちだったのではないかと考えます。
ウィンドウショッピング中、三咲からオシャレな服を「ふたばさんに似合いそう」と言われますが、自分でもよくわからないまま「こんなの私には似合わない」と怒鳴ってしまうのでした。
なぜか怒鳴ってしまいハッとするふたば
「まるで呪いじゃない」
男尊女卑地域で虐げられてきた半生を美咲に話したふたば。まったく違う環境の美咲には「まるで呪い」と言われてしまいました。くぬぎにとってはふたばも理解のない親でしたが、そのくぬぎが家を出たときに「ホッとした」のであれば、まだ一般的な価値観を取り戻す余地がありそうです。いつかふたばも呪いから自分自身を解放できるとよいですね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。