妻が入院して子どもの面倒を一人で見た夫の感想「俺が悪かったです」【家事に終わりはない】
普段何気なく過ぎていく日常も、誰か一人が欠けると途端に回らなくなるものですよね。特に、家事や育児の中心を担う人が不在になった時、その大変さを痛感する人は少なくないはず。今回ご紹介する『妻が入院して子どもの面倒を一人で見た夫の話』では、そんな状況に置かれた普通の会社員・利長の奮闘が描かれています。
妻・小百合の突然の入院。残された夫は、小学5年生の息子と小学3年生の娘の世話に追われることになります。そんな利長の慌ただしい一日を描いた話に注目してみましょう。
あらすじ
夕食を終え、ホッと一息ついたのも束の間、利長は新たな問題に直面します。それは、娘・小春をお風呂に入れること。父親とのお風呂を嫌がる年頃の小春に、一人で入るにはまだ不安が残ります。結局、利長は脱衣所の外で見守ることにしますが、小春の不安そうな声に終始ハラハラ。
さらに、寝る前になって息子・勇利がシーツの場所を尋ねてきます。ストックの少なさに焦りを感じた利長は、明日にはシーツがなくなるかもしれないと気づき、洗濯という新たなタスクの出現に頭を抱えます。次から次へと湧き出てくる家事に、利長はいつになったら眠れるのか見当もつかなくなるのでした。
見どころ
娘との距離感に戸惑う父親
「ママとがいい…」とはっきり告げる小春に、言葉を失う利長。「父親と風呂に入るのは嫌だろうけど、かといって、1人で風呂に入れるのはまだ不安です」というモノローグからは、娘の成長を感じつつも、どう接していいか戸惑う父親の心情が伝わってきます。今まで妻に任せきりだったからこそ、娘の繊細な気持ちに気づけなかったのかもしれません。
見守るしかないもどかしさ
曇りガラス越しに見える娘のシルエットに、「パパー、ちゃんといる?」と不安げな声をかける小春。脱衣所の外でしゃがんで見守ることしかできない利長は、「ああ…子どもの風呂も、妻に任せっぱなしだった」と痛感します。娘の成長を尊重したい気持ちと、父親としての責任感の間で揺れ動く利長の姿が、共感を呼ぶのではないでしょうか。
終わりなき家事に気づく瞬間
「寝られるのはいつになるのか、まったくわからなくなりました…」という利長のモノローグが印象的なこのシーン。服の洗濯という新たな家事に気づき、愕然とする表情からは、家事の終わりが見えない絶望感がひしひしと伝わってきます。今まで当たり前のように妻がこなしていた家事の量と、その大変さを改めて感じる利長の姿に、共感せずにはいられません。
▽ 妻の入院という予期せぬ出来事に見舞われ、初めて一人で子どもの世話をすることになった利長。食事、お風呂、そして寝る準備と、慣れない家事に翻弄される彼の姿は、これまで家庭内の役割分担を意識してこなかった多くの人に、改めて考えるきっかけを与えてくれるのではないでしょうか。次々と現れる「やらなければならないこと」に、利長は一体どう立ち向かっていくのでしょうか。彼の奮闘はまだ始まったばかりです。