「やっぱり彼は運命の相手」――婚約者から元カレを略奪しようとした話【蒼真につり合うのは美月だけ？】

婚約者・美月からの強烈な牽制を受け、蒼真への想いを胸に秘めることにした千夏。しかし、その心は晴れません。一方、美月もまた何かに苛立っている様子で……。今回は、千夏の抑えきれない感情と、美月の内なる葛藤が描かれる話をお届けします。

あらすじ

蒼真を忘れようと決意したものの、なかなか頭から離れない千夏。同僚の由里に心配をかけながらも、無理に笑顔を作り、仕事に向かいます。一方、産婦人科から出てきた美月は、検査結果に苛立ちを募らせています。友人・沙綾をランチに誘い、蒼真にちょっかいをかける千夏を「泥棒猫」と罵り、蒼真に千夏が「つり合うはずもない」と言い放ちます。沙綾に蒼真に愛されているのは自分だけだと確認し、ようやく落ち着きを取り戻した美月は、千夏のことで悩むのが馬鹿らしいと結論づけるのでした。

見どころ

千夏の募る未練と葛藤

蒼真を忘れようと頭では理解しつつも、ナースステーションで仕事中もその思いが頭から離れない千夏。忘れようとすればするほど、かえって蒼真のことを考えてしまう様子が描かれています。この葛藤は、美月からの圧力に屈しながらも、蒼真への募る未練を断ち切れない千夏の苦悩を感じさせます。

美月のイライラの原因と高まる怒り

産婦人科から出てきた美月は「はぁ…検査結果も最悪だし…」「何もかもイライラする…！」と、苛立ちを隠せない様子です。彼女の機嫌の悪さの背景に、産婦人科での「検査結果」が関係していることが示唆されており、このイライラが、千夏への怒りをさらに増幅させていることが読み取れます。

美月の自己肯定と優越感

友人の沙綾に対し、「あんな女に蒼真がつり合うはずもないのに」「私が他の女に負けるはずないわよね？蒼真と私は最高のカップルだものね？」と威圧するように問いかける美月。沙綾が引きつった笑顔で同意すると、美月は「蒼真に愛されてるのは私だけだものね？」「あんな女のことで悩むなんて馬鹿らしいわね」と、自分を納得させます。美月の強い自己肯定感と、千夏への根深い優越感が露呈するシーンです。

▽ 美月からの牽制を受け、蒼真への未練を断ち切ろうと苦悩する千夏。しかし、美月自身も産婦人科での「最悪な検査結果」により、激しい苛立ちと不安を抱えていました。その矛先は千夏へと向けられ、美月は沙綾に自身の優位性を確認し、優越感に浸ることで心を落ち着かせます。美月の内なる不安と、それが千夏への攻撃に繋がっていることが描かれており、話の複雑な人間関係が浮き彫りになります。