「あの男はやめとけ」亡くなった夫のおかげで、不倫しなくて済んだ話【強い人】

愛する人を失った悲しみから立ち直ろうとした矢先に、再び裏切られるという経験は、想像を絶するほどの絶望をもたらしますよね。しかし、もし亡くなった人が、そんなどん底にいるあなたに、そっと手を差し伸べてくれるとしたら。今回は、絶望の淵に沈む女性に、亡き夫が残したメッセージが届き、彼女が自身の「強さ」に気づく、「『あの男はやめとけ』亡くなった夫のおかげで、不倫しなくて済んだ話」をご紹介します。

あらすじ

夫・哲也の死後、心の傷を癒そうと立ち上がった夕実でしたが、新たな出会いを求めた相手・昂に裏切られ、再び深い悲しみに沈んでいました。
そんな夕実を心配そうに見守っていた哲也の魂は、彼女に生前書き綴った日記を見つけさせます。日記に書かれた哲也の深い愛情と、新たな幸せを願う言葉に涙する夕実。
彼女は、昂に裏切られた時に感じた怒りが、哲也が遺してくれたものを守ろうとする愛から生まれたものだと気づきます。自分は弱い人間だと思い込んでいた夕実に対し、哲也の魂は、彼女がいかに強く、困難を乗り越えてきたかを語りかけ、自信を持つよう励まします。そして、哲也の身体が消えゆく中で、夕実の心には、亡き夫からの温かいメッセージが確かに届いたのでした。

見どころ

哲也への愛と自己認識の変化

昂に裏切られた時の怒りを「哲也くんが頑張って遺してくれたものを」「目先の欲だけでかすめ取られるのが我慢できなかった」と語る夕実。
この言葉は、彼女が哲也への深い愛情ゆえに怒りを抱いたこと、そしてその怒りが彼女を動かす原動力となっていたことを示しています。自分を「他人に流されやすい、弱い女のまま」だと思っていた夕実が、哲也への愛を通して自身の「強さ」に気づき始める、心の変化が描かれる重要なシーンです。

哲也の魂が夕実に語りかける言葉

夕実が「私、こんなのでも生きてていいのかな――」と自暴自棄になった時、哲也の魂が後ろから彼女を抱きしめます。
そして、「俺は生きていてほしい」「夕実は、俺の思ってるより何倍も強い人だったって」「決断できることも素晴らしいことだけど、それが間違ってたって認められるのは強い人だけだ」と、哲也の魂が夕実に直接語りかけ、彼女を励まします。哲也の言葉は、夕実の自己肯定感を高め、彼女が抱える不安や自己嫌悪を打ち消す、温かいメッセージとなるでしょう。

亡き夫からの最後のメッセージと指輪

哲也の身体が少しずつ発光し、消えそうになっている中、彼は夕実の肩口から顔を出し、「どんな夕実でも、俺はずっと大好きだよ」と優しく微笑みかけます。
その言葉がはっきりと聞こえた夕実が振り返ると、そこには哲也の姿はなく、彼の結婚指輪が落ちていました。この指輪は、哲也が確かにそこにいた証であり、そして彼が死後もなお夕実を愛し、見守り続けていることの象徴です。夕実が指輪を胸に抱きしめる姿は、彼女が哲也からのメッセージを受け止め、前向きに生きていく決意を固めたことを示唆しています。

▽ どんな時でも、自分を信じ、応援してくれる人がいることは、確かに彼女の支えとなるでしょう。亡き夫からの愛と励ましを受け取った夕実が、これからどのように新しい人生を歩んでいくのか、彼女の未来に光が差し込むことを願ってやみません。