「あの男はやめとけ」亡くなった夫のおかげで、不倫しなくて済んだ話【堪忍袋】

「もしかして、あなたが私の夫の浮気相手？」突然、見知らぬ美しい女性が自宅に乗り込んできた——。彼氏・昂の言葉を信じ、関係を持ってしまった夕実にとって、それはまさに青天の霹靂でした。しかし、昂の妻だと名乗る佳子の話を聞くうちに、夕実は昂の嘘に気づき始めます。そして、彼から打ち明けられていた「300万円」というキーワードが、二人の女性を結びつけることになるのです。

あらすじ

玄関先で突然ビンタされた夕実。そこに立っていたのは、昂の妻だと名乗る佳子でした。佳子は、昂が初めての結婚相手であり、もうすぐ結婚して2年になると告げ、夕実に身を引くよう迫ります。しかし、佳子の言葉は、夕実が昂から聞いていた話と全く食い違っていました。夫を亡くしたばかりの夕実を励まし、「自分も数年前に妻を亡くした」と言っていた昂。彼の言葉は全て嘘だったのです。絶望に打ちひしがれる夕実でしたが、ふと昂から打ち明けられた「亡くなった奥さんの治療費で抱えている借金」のことを思い出します。その額、なんと300万円。一方、佳子は最近、夫に300万円ほどの臨時収入が入ると言っていたことを思い出し、違和感を覚えていました。昂の嘘に気づき始めた二人の女性。その時、夕実の心の中で何かがブチッと音を立てて切れたのです。

見どころ

食い違う証言

昂の妻だと主張する佳子と、昂から聞いていた話が全く違うことに戸惑いを隠せない夕実。「あなたが昂さんの今の奥さんというのは間違いないんですか？」と、わずかな希望にすがるように確認する夕実の表情が印象的です。

ウェディング写真という証拠

佳子が提示したのは、ウェディングドレスとタキシードに身を包んだ昂との幸せそうな結婚式の写真。「『今』も何も、彼は私が初めての結婚相手です」という言葉が、夕実の心を深く突き刺します。スマホ画面を見つめ、絶望で目を見開く夕実のアップが、胸を締め付けます。

「300万円」という共通点

昂の嘘に打ちのめされる夕実でしたが、ふと彼の「亡くなった奥さんの治療費で首が回らない」という言葉を思い出します。一方、佳子も夫の不自然な臨時収入に疑問を感じ始めていました。「300万円」という金額が、二人の間に共通の糸を繋ぎ始めます。

▽ 昂の嘘が次々と明らかになり、深く傷ついた夕実。しかし、彼の嘘はそれだけではなかったようです。夫の言葉を信じ、純粋に彼を支えようとしていた夕実にとって、裏切り行為は許しがたいものだったでしょう。今まで穏やかだった夕実が見せた、見たことのない鋭い眼光は、昂に対する怒りの表れに違いありません。果たして夕実は、昂の妻である佳子と手を組んで、彼に反撃するのでしょうか。