『W不倫する私が地獄まで落ちた話』【夫の退院日】
夫・ミナトとの関係に悩み、同じく既婚者のツバサとW不倫をしているユヅキ。周囲には良い顔をするミナトと義両親のせいで、誰にも相談できず孤立を深めていました。そんな中、夫の浮気が発覚。離婚を決意したユヅキは証拠をつかもうとしますが、焦りからか空回りしてしまう日々。そしてついに、ミナトの退院日がやってきました。
今回は、そんな崖っぷちのユヅキを描いた「W不倫する私が地獄まで落ちた話」の中から夫の退院日についての話をご紹介します。
あらすじ
夫のミナトが退院することになり、実家に送っていくことになったユヅキ。義母からは退院祝いの準備まで頼まれ、うんざりしていました。この1か月、夫の浮気の証拠を掴めなかった焦りと、義母への不満が募るユヅキ。病室で着替えるミナトに「先に荷物を持って降りてるから」と告げ、部屋を出ようとしたその時、病室のドアがノックされます。現れたのは、ミナトの浮気相手であるアキでした。小さな花束を手に現れたアキに、感謝の言葉を述べるミナト。
一方、自分が何度も病院へ見舞いに来ていたのに、何の感謝もないことにユヅキは憤りを感じます。「私は先に出ていますから、ごゆっくり」と笑顔で二人を残し、病室を後にするユヅキ。
しかし、彼女には最後の望みがありました。病室の外で静かにドアを開け、二人の会話を盗み聞きしようとします。すると、聞こえてきたのは甘い言葉の数々。「やっと普通に会えるね」「今まで寂しい思いさせてごめん」「落ち着いたら結婚しような」——そして、決定的なキスをする二人の姿を、ユヅキはスマホで撮影することに成功します。「これでミナトと離婚できる!」と、これまで苦しめられた分の慰謝料と財産を奪い取ってやると心に誓い、ユヅキは満面の笑みを浮かべるのでした。
見どころ
よそよそしい夫婦の会話
夫の退院という喜ばしいはずの日に、どこか冷めた空気感が漂うミナトとユヅキの会話。「先に実家に寄ってくれよ」「まだ病み上がりなんだから」というミナトの言葉に、「…わかった」とだけ返すユヅキの温度差が、二人の間に深い溝があることを物語っています。
浮気相手の登場と夫のデレデレ顔
病室に現れたアキに、満面の笑みで「ありがとう」「退院日も来てくれるなんて」と感謝を伝えるミナト。ユヅキが何度も見舞いに来ていたことには一切触れず、あからさまな態度の違いを見せつけます。そんな夫の様子を目の当たりにし、ユヅキの怒りが募っていくのが手に取るように分かります。
「結婚しよう」の言葉とユヅキの冷笑
ついにミナトの口から飛び出した「落ち着いたら結婚しような」という言葉。さらに、実母がアキを気に入っているという発言に、嬉しそうに「うん」と返すアキ。この二人の幸せそうなやり取りを聞きながら、ユヅキは心の中で「バカな人たち」と冷笑を浮かべています。しかし、その手にはしっかりと離婚の切り札となる写真が握られているのです。二人の間の温度差と、ユヅキの静かなる復讐心が垣間見える、印象的な場面です。
▽ なんとかこらえた1か月の入院生活。ユヅキはようやく決定的な証拠を手に入れることができました。ミナトとの離婚に心を弾ませ、復讐に燃えるユヅキ。しかし、自分がW不倫をしていることには完全に目を向けていません。この後、ユヅキを待ち受けるのは、果たして本当に明るい未来なのでしょうか。