「私の人生終わったな…」いじめっこ女の悲劇【カヨの一番しあわせな日】
「自分が気に入らない」というだけの理由で他人に嫌がらせをし、相手の人生を妨害する「いじめ」。それは、相手の心に大きなダメージを与える、決して許されない行為です。今回ご紹介するのは、「『私の人生終わったな……』いじめっこ女の悲劇」の話の中からいじめっこが一番しあわせな日だった話をご紹介いたします。
あらすじ
ついに結婚式当日を迎えたカヨ。バージンロードを父・竜之介と歩きながら、カヨは「夢じゃないよね…?」と感極まり、完璧な人生を歩んできた自分が勝利した瞬間だと確信します。しかし、バージンロードの先に立つフィアンセ・慎太郎の表情は浮かないままでした。牧師に誓いを立て、指輪の交換を終え、誓いのシーンへ。カヨは胸を膨らませて目を閉じますが、慎太郎の唇は彼女の額に触れるか触れないかのところで止まります。カヨは動揺するも、緊張のせいだと自分に言い聞かせ、結婚式は滞りなく進行。
しかし、結婚式に参列していた久世は、慎太郎がしたふりをしていたことを見抜き、竜之介への恩義から彼を裏切れなかったのだろうと推測します。その夜、スイートルームで新婚初夜を待つカヨは、期待に胸を膨らませていました。
見どころ
カヨの自己陶酔と「勝利」の確信
バージンロードを歩くカヨが、「ウソみたい…夢じゃないよね…?」「私、パパと一緒にヴァージンロードを歩いてる…!」と感極まる様子は、彼女がこの日をどれほど待ち望んでいたかを示しています。さらに、「今日は今までの苦労が報われる日。やっぱりパパは正しかった!誰より完璧で賢い私が勝利した瞬間なのね…!」と、自らの人生における「勝利」を確信するのは、彼女の自己陶酔と、いじめによって他人を支配してきた過去を正当化しているかのようです。
参列者の冷徹な視線とカヨの「無自覚」な幸福
結婚式に参列していた久世が、慎太郎の「したふり」を見抜き、「あいつ、デコチューもできない相手とどうやって夫婦していくつもりなんだろうな」「育ててもらった恩がある松井 竜之介を裏切れなかったんだろ」と、冷徹な視線で慎太郎の状況を分析するシーンは、この結婚がどれほど歪んでいるかを痛感させます。しかし、当のカヨはそれを知る由もなく、ホテルのスイートルームで「大丈夫…準備はできてる…ッ」と、新婚初夜に胸を膨らませている様子が描かれており、この「無自覚」な幸福が、後にどのように崩壊していくのか、興味を掻き立てます。
▽ ついに結婚してしまったカヨと慎太郎。すっかり骨抜きになっているカヨは、慎太郎の浮かない表情に気づけていないようです。カヨにとって「人生で一番幸せな日」であるはずの結婚式で、すでにほころびを見せ始めた二人の関係。慎太郎の偽りと、それを知らずに幸福に浸るカヨの姿は、この結婚が「いじめっこ女の悲劇」へと繋がることを予感させます。彼女の「完璧」な人生は、これからどのように崩壊していくのでしょうか。