托卵の何が悪いの? 不倫相手の子どもを産んだ女性の話【最高の遺伝子と最高の環境】
「私は、完璧な人生のシナリオのため、より優秀な遺伝子を求めているだけ――」。これは、目的のためなら手段を選ばない一人の女性が、不倫相手の子どもを出産した「托卵」という衝撃的な選択をしたお話。彼女は本当に「最高の遺伝子と最高の環境」を手に入れたのでしょうか?
あらすじ
悠真との不倫関係を重ねて数か月後、美咲は夫の翔太に妊娠を告げます。翔太は心から喜び、美咲のお腹の子が自分の子ではないとは微塵も疑いませんでした。一方美咲は悠真にはピルを飲んでいると嘘をついておりました。
それからの翔太は、仕事の調整をして健診に必ず付き添い、診察室で真剣にエコーを見たり、父親教室にも積極的に参加したりと、まるで自分が妊娠しているかのように美咲をサポートします。
重い荷物も全て持ち、何でも手助けしてくれる翔太を見て、美咲は「やはり私の選んだ夫は完璧」と満足します。そして無事出産し、天使のように可愛い娘・姫華が誕生。美咲は、優しくて十分なお金を稼いでくれる夫と、理想の子どもを手に入れ、「最高の遺伝子と最高の環境」をすべて手に入れた瞬間だと確信するのです。
見どころ
妊娠発覚
不倫や托卵という行為に対し、美咲は一切の罪悪感を抱いていないどころか、「より優秀な遺伝子を求めているだけ」と自己を正当化しています。そんななか、美咲の妊娠が発覚しました。もちろん、翔太との子かどうかさえ怪しいのですが……。
完璧な夫・翔太
美咲の夫である翔太は、妻の妊娠を心から喜び、献身的にサポートしてくれました。幸せいっぱいの日々、まさか自分の子ではないなんて、微塵も思わないですよね。
「最高の遺伝子と最高の環境」
美咲は、不倫相手の優秀な遺伝子と、夫の提供する最高の環境を手に入れたと確信していますが、その完璧な人生は偽りの上に成り立っています。いつかバレてしまうかも……なんてことは今の美咲は考えていないようです。
▽ 偽りのもとに成り立つ完璧な人生は、果たして本当に完璧なのでしょうか? 夫の翔太がとてもいい人なだけに、美咲の行いが余計に可哀そうに感じられます。この「完璧な人生」が、いつか揺らぎ始めることはあるのでしょうか。