娘の誕生日より推し活!?　アイドルに夢中になった男の末路【遠征に行きたい】

近頃、すっかり耳にするようになった「推し活」という言葉。好きなものに熱中する時間は、私たちの日々にきらめきを与えてくれますよね。でも、何が自分にとって本当に大切なのかを見失ってしまうと、思わぬ事態を招いてしまうことも……。
今回は、アイドルに夢中になってしまった夫を持つ女性の、ちょっぴり切ない話をご紹介します。

あらすじ

椎奈リオリのライブをきっかけに、夫の純はすっかり様変わり。家の中はリオリグッズで溢れかえり、彼女のことばかり話すように。家事も手抜きがちになり、若菜は寂しさを募らせます。寝室にはリオリの等身大タペストリーが飾られ、スマホの待ち受け画面もいつの間にかリオリ一色に。以前は若菜とのツーショットだったのに……。そんなある日、純は若菜に「横浜公演だけ特別にリオリちゃんの誕生日イベントがあるから参加したい」と懇願します。

見どころ

見つめられるような違和感

寝室の扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは壁に飾られた椎奈リオリの等身大タペストリー。「まるでずっと見られているみたいで落ち着かない」。若菜のささやかな訴えに、純は「ほかに飾るところがない」と取り合ってくれません。大好きな人の存在が、安らげるはずの空間で違和感を生み出してしまう切なさが、ひしひしと伝わってきます。

変わってしまった日常

ベッドに入ると、当然のようにスマホで動画を見始める純。ふと目に入った待ち受け画面は、いつの間にか椎奈リオリの写真に。「前までは私とのツーショットだったのに……」。言葉にはしないけれど、若菜の表情には言いようのない寂しさが滲み出ています。ささやかな日常の変化が、二人の距離を感じさせて切ないですね。

揺れる思いと、すれ違う願い

出産を間近に控え、心身ともに不安定な若菜。「無事に生まれてくるかもわからないし、私だってどうなってるか…」。それでも純は、「リオリちゃんの初めてのバースデーイベントだからどうしても現地でお祝いしたいんだ！」と必死に訴えます。「子供が産まれてからライブまでの2ヶ月、家事も育児も全力で頑張るから！」という言葉は、果たして本心なのでしょうか。大切なものの優先順位が、夫婦間でズレ始めているのを感じさせます。

▽ 出産を間近に控えた大切な時期に、推しの誕生日イベントへの遠征を願う純。これまで真面目だった夫を信じたい気持ちと、複雑な思いを抱える若菜。果たして、若菜は純の願いを受け入れるのでしょうか。そして、この出来事は二人の関係にどんな影響を与えるのでしょうか。