「親友になれると思ったのに…」ママ友と夫に裏切られていた話【僕はいらないんでしょ?】
子育てをしていると、同じ境遇のママ友の存在は心強いもの。ランチをしたり、子どものことを相談したりするうちに、まるで親友のような関係になれることもありますよね。しかし、そんな大切な存在だと思っていたママ友から、まさか裏切られてしまうなんて……。今回は、信頼していたママ友と夫の信じられない関係を知ってしまうお話をご紹介します。
あらすじ
保育園で、息子・優斗が家族の絵を描きました。しかし、画用紙に描かれていたのは、顔が真っ黒に塗りつぶされた舞花と優斗の絵。保育士から家庭の事情について気づかいの言葉をかけられた舞花は、優斗の異変に心を痛めます。 帰り道、優斗に絵について尋ねる舞花に、優斗は「僕のパパじゃない!翔太くんのパパだもん!早く返してきてよ!」と涙ながらに訴えます。さらに、「ママは翔太くんのパパのことばっかりで、僕のことなんてどうでもよくなったんだ」「休みの日はいつも一緒に遊んでくれたのに!」と、寂しさを募らせます。 舞花は、優斗を一人で遊ばせて、洋平と楽しそうに過ごしていた過去を思い返し、優斗を傷つけていたことに気づくのです。「僕はいらないんでしょ?」と泣く優斗を抱きしめ、「そんなことない!」と強く否定する舞花。しかし、心の中では「この子をこんなに苦しませてたなんて…全部私のせいだ…」と、深い後悔の念に苛まれるのでした。
見どころ
黒く塗りつぶされた家族の絵
保育園で描かれた家族の絵。しかし、優斗が描いた舞花と自分の顔は、クレヨンで真っ黒に塗りつぶされています。これは、優斗の心に渦巻く複雑な感情の表れです。一体何があったのか、悲しみと悔しさが視覚的に伝わってきます。色で描かれた感情の表現は鮮烈で、強いインパクトを与えます。
「僕のパパじゃない!」という叫び
帰り道、舞花が絵について優しく問いかけると、優斗は堰を切ったように叫びます。「僕のパパじゃない!翔太くんのパパだもん!早く返してきてよ!」――この短い言葉には、優斗の「喪失感」と「混乱した心」が凝縮されています。大好きな人がもう“自分だけのものではない”という現実が、幼い心に痛みとなって突き刺さるのです。
抱きしめる舞花の葛藤
「僕はいらないんでしょ?」と涙ながらに問いかける優斗を、舞花は強く抱きしめます。「そんなことない!」という言葉とは裏腹に、彼女の顔には、内なる葛藤と苦しみがにじみ出ていました。舞花は、自分がどれほど息子を傷つけてきたのかを痛感し、この瞬間は深い後悔と良心の呵責に満ちています。母の抱擁は、謝罪の気持ちと、自分のしてきたことに対する無力さの表れでもあったのです。
▽ 優斗の純粋な心は、大人の都合によって深く傷ついてしまいました。舞花の心に突き刺さる「僕はいらないんでしょ?」という悲痛な叫びは、彼女がこれまで目を背けてきた現実をまざまざと見せつけます。子どもの信頼はとても壊れやすく、最も近しい存在からの裏切りは深い傷となって残ります。