「一緒におばあちゃんになろう」モラ彼の洗脳から逃げ出した話【完全なる支配】
ゆず子のマンションにまで押しかけてきたモラハラ彼氏の澄。ドアを開けたゆず子に、常軌を逸した剣幕で詰め寄ります。今回は、そんな異常な支配から抜け出すことができずにいるゆず子の苦悩が描かれた話を紐解いていきましょう。
あらすじ
澄に酷く責められたであろうゆず子は、憔悴しながらもスマホを握りしめていました。そして、昨日の非礼を詫びるため、今夜澄を自宅に招き夕食を振る舞おうと必死にメッセージを送ります。既読がついたことに安堵し、わずかな希望を見出すゆず子。澄からの「分かった」という返信に、心底安堵し、買い物に出かける準備を始めます。
一方、リビングのテーブルには、先ほどまで桃華と過ごした痕跡が残されています。そんな中、夜になり、手料理をたくさん用意して澄を迎えたゆず子。「おいしい」と満足そうに食べる澄を見て、ゆず子は心底ホッとします。食後、洗い物をしながら、澄が機嫌を直してくれたことに安堵するゆず子。しかし、東京のパティシエのゼリーを出した途端、澄の表情は一変。「下品な人間とは今後付き合ってほしくない」と、昼間に訪ねてきた桃華を侮辱するのです。
見どころ
友を想う気持ちと届かない願い
マンションを見上げる桃華の物憂げな表情が印象的です。「明らかにゆず子の態度が変わった」「壁に何かが当たった音も気になる」というのは、親友の身に何か異変が起きているのではないかという強い懸念が伝わってきます。
心配しながらも、今は帰るしかないと諦めたように去っていく後ろ姿には、「絶対に私がゆず子を救ってみせる!」という強い決意が滲み出ています。
支配からの解放を求めるSOS
必死にスマホに文字を打ち込むゆず子の切羽詰まった表情が痛々しいです。「澄さん、本当にごめんなさい」「今夜はうちに夕飯を食べに来てくれませんか?」というメッセージには、恐怖と自己嫌悪が入り混じったような痛々しさが感じられます。「お願いだから来るって言って!」という心の叫びからは、澄の顔色を窺い、許しを請うことでしか、この状況から抜け出せないと感じているゆず子の苦しい立場が伝わってきます。
一瞬で変わる愛情の裏側
「東京で有名なパティシエが作った物なの」「甘さ控えめで 食後にもピッタリなんだよ」と、心を込めてデザートを勧めるゆず子。
しかし、その言葉を聞いた途端、澄の楽しそうな表情は一瞬にして消え失せます。深いため息とともに放たれた「ああいう下品な人間とは 今後付き合ってほしくないな」という言葉は、ゆず子のささやかな喜びを踏みにじる、支配欲の表れと言えるでしょう。
▽ 追い出されるようにゆず子のマンションを後にした桃華。そして、親友である桃華を「下品な人間」と切り捨てる澄。この歪んだ関係性の中で、ゆず子はますます孤立を深めていくのではないでしょうか。澄の支配は巧妙に、そして着実にゆず子の心を蝕んでいるようです。この先、ゆず子は一体どうなってしまうのか、彼女の未来が案じられます。