反抗期の中2娘の言葉に無力さを痛感…お父さんがいれば…一人涙したシングルマザーの話

子育てをしているとたくさんの試練を乗り越えなくてはいけません。特に中学生くらいの年代になると、反抗期が訪れるため、子どもとどう接したらいいのかわからずに悩んでしまうママも多いことでしょう。ただ、子ども自身も複雑な感情を抱えているものです。今回は、亡き夫と比べて自分の無力さを痛感した母の話をご紹介いたします。
主人公・琴子は、中2の娘の茉莉を育てるシングルマザーです。夫は、茉莉が8歳の頃に交通事故で他界してしまいました。琴子は、茉莉が目標とするデザイン系の私立高校へ進学させるべく、家政婦の仕事をしながら毎日頑張っています。家政婦の仕事先は立派な豪邸で、琴子は改めてそのすごさに圧倒されつつも、自分とは無縁の世界だと割り切って働いています。
その豪邸には茉莉と同じ年齢の少年・優が暮らしていますが、引きこもって学校には行っていません。自分の娘と同じ年齢の子どもということもあり、どうしても放って置けない琴子は、お節介だとわかりつつも部屋まで食事を届けに行きます。すると琴子は、茉莉が反抗してくることを思わず優に相談してしまいます。そのあと、琴子が優の食べ終えた食器を片付けようとすると、そこには「いつもごちそうさま」というメッセージが添えられていました。
一方、茉莉は学校のお昼休みに、いつも一緒にお弁当を食べている友達の智子を誘うものの、「茉莉の母が家政婦をしていることが恥ずかしい」「貧乏がうつる」という理由で断られてしまいます。智子はクラスのリーダー格である立花に逆らえず、茉莉の前から去っていきました。大切な友達を失ったのは全て母のせいだと思い込み、茉莉は琴子への嫌悪感が強くなります。その日から、学校で孤立してしまった茉莉。ある日、立花に「あんたの母親がうちに掃除に来たわよ」と言われ、家政婦のみならず家事代行の仕事をしていることをバカにされてしまいます。
ショックを受けた茉莉は、ますます母への憎しみが募り、琴子が作ったお弁当を口にすることはありませんでした。
お弁当を残す理由を茉莉に聞くと、自分の仕事のせいで娘がいじめられていることを知って、琴子は衝撃を受けます。家政婦を恥ずかしいと訴える茉莉と、家政婦の仕事に誇りを持ってやっているという琴子。話し合いどころか言い合いになってしまい、茉莉は琴子を部屋から追い出しました。ドア越しに、琴子は家政婦の仕事への想いを必死で伝えようとするものの、茉莉は聞く耳を持たず、「私立なんて行かない」「お弁当もいらない」と拒絶します。
言い合いになってから1週間、一言も口を聞いてくれず、お弁当にも手をつけない茉莉。自暴自棄になった茉莉は、コンビニで手に取った商品をポケットに入れようとすると、見知らぬ男の子に阻止されます。それは、引きこもり少年の優でした。同じ中学校だと気づいた優は、茉莉を家に招くことにします。
優の家は大豪邸でぼう然としてしまいますが、欲しかったハイスペックなパソコンや最新の液タブが揃っていてテンションが上がる茉莉。優は同じクラスの不登校男子だということも判明し、さらに優が好きなゲームキャラクターの作者が茉莉の亡くなった父だということがわかり、2人は意気投合します。
茉莉は、家政婦の母親をクラスメイトにバカにされたこと、そんな母親を恥ずかしく思っていることなどを優に打ち明けました。すると優は茉莉を厳しく批判し、自分の母親よりも家に来てくれる家政婦のほうが好きだと伝えます。
その日の夜、茉莉が夜になっても帰ってこないことを心配していると、学校から電話がかかってきました。担任から茉莉が学校に来ていないことを知らされて、琴子はさらに不安になり……。
「あんた今日学校へ行かなかったでしょう?」


「召使の娘なんて言われながら貧乏人として生きるより、この世にいなかった方がよかったかもね。」という茉莉にカッとなった琴子でした。




無力さに絶望する琴子
茉莉の「この世にいなかった方がよかったかもね」という言葉を聞いて、手をあげてしまったことを後悔する琴子なのでした。いくら反抗期とはいえ、命を粗末にするような言い方をしたときは、厳しく注意しなくてはいけませんよね。亡き夫と比べて自分の無力さを感じているようですが、必死に頑張っていることは、いつか子どもには伝わるでしょう。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。