美人になっても、幸せになれず、なにもかも失った話【見たままを映してくれる写真はいいよね】
「美人になっても、幸せになれず、なにもかも失った話」は、外見に執着し、整形によって美しさを手に入れた主人公アヤナが、地味な同級生トモエを常に意識し、自らの優位性を誇示しようとする話です。トモエの恋人を奪い、あらゆる場面でマウントを取り続けるアヤナの行動はエスカレートしていきます。今回は、インターンシップ後に撮った写真をSNSにあげていくアヤナの話をご紹介いたします。
あらすじ
ハイスぺ男性との関係を深めるトモエへの嫉妬から、怒りに震えるアヤナ。パソコンの画面には、トモエと彼を中傷するコラージュ画像が表示されています。誰にも邪魔されたくないアヤナは、心配する母親を怒鳴りつけ、部屋に閉じこもります。そして、醜い自分は両親の遺伝子のせいだと心の中で毒づきながら、嬉々としてSNSに捏造した情報を投稿するのでした。翌朝、投稿の反響のなさに苛立ちながらも、トモエの顔がはっきり映っていることを確認し、満足げなアヤナ。さらに大学の匿名掲示板にも投稿し、トモエが窮地に陥る姿を思い描いて恍惚とします。大学では、アヤナの投稿によってトモエの画像が拡散されており、困惑するトモエの姿がありました。友人たちがトモエをかばう中、アヤナは知らぬふりをしてトモエに駆け寄り、心配するふりを装います。
見どころ
トモエを陥れるアヤナの執着心
アヤナは、トモエとハイスぺ男性の東の写真を合成し、「大手企業エリートが、インターン女子大生をお持ち帰り!?」といった扇情的な見出しをつけて、SNSに投稿しようとしています。薄暗い部屋でパソコンの明かりに照らされたアヤナの目には、どす黒い執着心が宿っており、その狂気がひしひしと伝わってきます。ここまで他者を貶めようとするアヤナの行動に、思わず息をのむでしょう。
歪んだ感情をぶつけるアヤナ
アヤナがSNSに投稿しようと画策していると、母親が夕食を気遣って部屋の外から声をかけます。しかし、アヤナは「うっさい!邪魔しないで!」と叫び、手元にあった本をドアに投げつけます。ドアの向こうで悲しそうな顔をする母親の姿と、アヤナの常軌を逸した行動の対比が印象的です。アヤナが抱える怒りや焦りが、親に対する態度にも現れていることがわかります。
悪魔のほくそ笑み
匿名掲示板に投稿された内容を見て困惑し、怯えるトモエ。友人たちがトモエを心配する中、アヤナは「ネット見たよ…!あれトモエ…だよね?」と、心配するふりをしてトモエに抱きつきます。しかし、その顔は邪悪なほくそ笑みを浮かべており、アヤナの根深い悪意が表れています。この悪魔のような笑顔は、今後の展開をさらに不穏なものにするでしょう。
▽自身の劣等感を他者への攻撃へと転嫁していくアヤナの姿は、強い衝撃を与えます。アヤナのSNSへの投稿が、今後の話にどのような波紋を広げるのか、そしてトモエはどのようにこの事態を乗り越えるのか、目が離せません。