親だって人間ですから! 反抗期の子どもに反撃してみた話【兄貴の雷】
「自分の成績が悪いのは、自分だけの部屋がないからだ!」と豪語し、祖母・恵美子に預けられた圭二。冬休みの間、家族と離れて恵美子と過ごし、気持ちが少し落ち着いたようです。恵美子から編み物を教えてもらった圭二。自宅に戻ったことで、また反抗期に逆戻りしなければいいのですが……。本日は「親だって人間ですから! 反抗期の子どもに反撃してみた話」の中から兄の雷が落ちた話をご紹介させていただきます!
あらすじ
正月、恵美子の家から帰宅した圭二は、家族との再会を喜び、武の冗談にも素直に「ここがいい」と応えます。しかし、自室に戻ると、ヘッドホンをしてベースの練習をしている兄・孝太郎の姿が。無言で部屋を出ていこうとする孝太郎に、圭二は条件反射でカッとなってしまいます。そんな圭二に対し、孝太郎が今まで見せたことのない冷たい表情で「好き勝手わめいて騒いで反抗して、いい気なもんだ」と切り出し、圭二の甘えを指摘します。両親にひどい態度を取る圭二に、孝太郎は「これ以上母さんたちを困らせるなら、その時は覚悟しとけよ」と迫ります。兄の迫力にすくみあがる圭二。それから数日、圭二はまったく口をきかなくなり、アスカは心配します。その夜、圭二は自室で孝太郎に隠れて編み物をしていました。
見どころ
兄からの手厳しい言葉
いつもは穏やかな兄・孝太郎が、圭二に放った厳しい言葉の数々にはドキッとします。圭二が恵まれていることに気づかず、周りに当たり散らす姿を「甘えている証拠だよ」と一刀両断する孝太郎。両親に理不尽な態度をとる圭二に対して、今まで抱えていたであろう不満を一気にぶつけます。圭二も思わず言葉を失ってしまうほどの、兄の真剣な眼差しと厳しい言葉が印象的なシーンです。
孝太郎の怒りの理由
圭二が「兄貴は俺が嫌いだもんな」と卑屈な態度をとった際、孝太郎が「“そういうところ”は確かに嫌いだ」と答える場面は、孝太郎の圭二に対する複雑な感情が垣間見えます。孝太郎は圭二の存在そのものが嫌いなのではなく、反抗期を理由に周りに当たり散らし、甘えている圭二の態度が嫌いなのだとわかります。それは圭二を大切に思っているからこその、孝太郎の怒りなのでしょう。
圭二の変化の兆し
孝太郎に厳しい言葉を突きつけられてから、圭二は家族と口をきかなくなってしまいます。心配するアスカをよそに、圭二は自室で布団にくるまり、こっそりと編み物をしています。恵美子に教えてもらった編み物をしながら、自分の気持ちを整理しているような圭二の表情からは、孝太郎の言葉を受け止め、何かを考え始めていることがうかがえます。圭二がこの経験を経て、どのように変化していくのか期待が膨らむシーンです。
▽ いつもは温厚な兄・孝太郎の、圭二に対する率直で厳しい言葉は、圭二だけでなく私たちにも深く突き刺さります。反抗期の圭二に対する家族の愛情や、その中で葛藤するそれぞれの思いが伝わってくる話ですね。