プレゼントなんかいらない! 夫が「離婚危機」に直面して初めて気づいたこと【今までありがとう】
妻や我が子を大切に思う夫は理想的です。しかし、その「大切にするための行動」が、妻の本当の願いとすれ違っていたらどうなるのでしょうか?今回は、双子の娘がいる夫婦、健吾とさつきの話をご紹介いたします。
あらすじ
妻さつきから突然離婚を告げられた健吾は、義父に制止され、さつきがこれまでどれほど苦しんでいたかを知り、言葉を失います。そのまま義実家を追い出された健吾は、頭の中がぐちゃぐちゃになりながら帰路につきます。半月後、自宅に届いたのは、さつきのサインがされた離婚届と手紙でした。手紙には「今までありがとう」「幸せな時間もあったし、マコとマイを私に授けてくれて感謝もしてる。だけどもう辛くて、これ以上一緒にいられない」と綴られており、「最後だから、今回くらい私の要望を聞いてほしいです。サインして送り返してください」と。健吾は離婚届にサインし、残業も副業も辞め、虚無感に苛まれるのでした。
見どころ
義父が語る「さつきの苦しみ」と健吾の衝撃
さつきから離婚を告げられ、義父に制止された健吾。義父は、さつきが「気持ちをだいぶやられていた」「育児は待ってくれない」「新生児のときからずっと1人でやっていたなんて…想像を絶するよ」と、さつきがこれまでどれほど過酷な状況で苦しんでいたかを、強い口調で健吾に突きつけます。この義父の言葉は、健吾がこれまで全く気づかなかったさつきの苦しみを明確に示しており、健吾が「さつき…が…そこまで…」と呆然とする様子は、彼の心に大きな衝撃を与えたことを物語っています。
「離婚届」と「さつきからの手紙」が突きつける現実
健吾の自宅に届いたのは、さつきのサインがされた離婚届と、彼女からの手紙でした。手紙には、「健吾くん、今までありがとう」「もう戻ることはないけど、幸せな時間もあったし、マコとマイを私に授けてくれて、感謝もしてる」「だけどもう辛くて、これ以上、一緒にいられない。最後だから、今回くらい私の要望を聞いてほしいです。サインして送り返してください」と綴られています。この手紙は、さつきの最後の願いであり、健吾の独りよがりな「頑張り」が、さつきの心を完全に離れさせてしまったという残酷な現実を突きつけています。
健吾の「虚無感」と喪失
さつきの離婚の意思を受け入れ、離婚届にサインした健吾。それ以来、残業も副業もする必要がなくなったため、それらを辞めます。仕事面は楽になったにもかかわらず、「俺は虚無感でいっぱいでした」と、死んだ目でパソコンを叩く健吾の姿は、彼が本当に大切にすべきものを失ってしまった喪失感と後悔を深く表しています。彼の「頑張り」の理由であった家族を失い、目標を失った健吾の姿は、彼の悲痛な状況を痛感させます。
▽ 結局、健吾とさつきは別れを選び、健吾は深い虚無感の中で日々を過ごしています。良かれと思って選んだ道が、皮肉にも家族との別離を招いてしまった健吾の話は、相手の気持ちに寄り添うことの大切さを改めて考えさせるきっかけとなるでしょう。