「私は孫のお世話をさせてあげてるだけ」実家依存の毒姉に振り回された話【一番の犠牲者】
「姉妹って、なんだかんだ言って一番の味方でしょ?」そう思っている方もいるかもしれません。でも、もしその姉が、あなたの平穏な日常を根底から揺るがす存在だったとしたら……? 今回は、実家依存の強すぎる姉に振り回される女性のお話。子育てに奮闘する主人公の元に、実家暮らしの姉と甥っ子がやってきたことで、彼女の日常は一変します。今回は、その中でも特に考えさせられる話に焦点を当ててご紹介します。
あらすじ
実家での甥っ子・望の様子から、姉が子育てにきちんと関わっていないのではないかと感じ始めた主人公・つぐみ。里帰りを決意したものの、甥っ子の激しい癇癪に悩まされる毎日を送っています。昼寝もままならない状況に疲れ果てたつぐみは、母親に甥っ子の以前からの様子を尋ねます。母親は「保育園に入る前はここまでひどくなかった」と言い、長時間保育による愛情不足ではないかと推測します。
しかし、つぐみはそれに疑問を抱きます。自分の友人にも長時間保育を利用している母親はいますが、皆が皆、甥っ子のような状態ではない。限られた時間の中でも工夫して子どもと向き合っている人もいます。「時間と愛情は必ずしもイコールではない」――そう考えたつぐみは、甥っ子の癇癪の原因は単なる愛情不足ではないと感じ始めます。そしてふと、姉が家で本当に甥っ子の相手をしているのか、疑問に思い当たるのでした。
見どころ
もしかしてお姉ちゃん、家でもスマホばかりで望の相手をしていないのでは…
つぐみがハッとします。これまでの姉の言動を思い返し、甥っ子の癇癪の原因に気づき始めます。
そういえば……ちふゆが望を褒めたり抱きしめている姿、1回も見たことないわね…
母親の何気ない一言が、つぐみの疑念を確信へと変えます。実の母親である姉が、子どもを褒めたり抱きしめたりする姿を一度も見たことがない――この事実が、姉の子どもへの関心の薄さを決定づけます。
望はお姉ちゃんの一番の犠牲者だ
これまで甥っ子を「モンスター」と感じていたつぐみ。しかし、母親との会話を通して、甥っ子の行動の裏に姉の適切でない子育てがあると気づきます。心の中でつぐみは甥っ子への深い同情の感情が芽生えます。
▽ 甥っ子・望の奇異な行動は、母親である姉の無関心が原因だったのかもしれない。そう気づいたつぐみの心の声は、胸に深く突き刺さります。子どもは親を選べません。親の無責任な行動が、どれほど子どもの心に影響を与えるのか――この物語は、改めてその重みを私たちに教えてくれます。