イヤよイヤよも好きのうち? 私の彼氏は嫌知らず【嫌知らずのその後】
みなさんは「嫌知らず」という言葉をご存じでしょうか。「嫌知らず」というのは、嫌だからやめて欲しいと伝えても、その気持ちを理解できず、問題行為をやめてくれない人のことを指すそうです。この説明を読み、そういえば……と自分が過去にされた出来事を思い出す方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、そんな嫌知らずな彼氏に振り回された女性のお話、『イヤよイヤよも好きのうち? 私の彼氏は嫌知らず』です。社内中に彼の迷惑な行動が知れ渡り、ついに本人も自分の異常さに気づき始めるのですが……。
あらすじ
社食での瑛斗の行動は瞬く間に社内に広まり、彼はどこへ行っても注目の的となってしまいます。陰で噂され、避けられる存在となる中、彼のこれまでの数々の迷惑行為も部署内で共有され始め、完全に孤立してしまいます。そんな状況を目の当たりにした志保は、過去の自分を振り返り、見る目のなさを痛感します。
しばらく経ったある日、瑛斗は志保に「これまでのこと、ほんとにごめん!」と謝罪します。以前、土屋も同席してほしいと懇願してきた瑛斗と、中庭で3人で話し合うことになったのです。瑛斗は自分のこれまでの言動を反省し、志保だけでなく周りの人々にも嫌な思いをさせてきたことに気づいたと告白。そして、もう二度と志保が嫌がることはしないから、もう一度やり直してほしいと懇願します。しかし、志保は冷たい視線を送るだけで……。
見どころ
噂の的に
社食での一件以来、瑛斗は社内で完全に浮いた存在に。「あれが例の嫌知らずの人?」とひそひそと噂される様子や、彼が近づくと途端に愛想笑いを浮かべる同僚たちの態度が、彼の孤立を如実に物語っています。今まで見て見ぬふりをしていた周囲も、さすがに彼の行動を問題視し始めたことが伝わってきますね。
ドン引きの日常
後輩へのしつこい絡みや、女性社員へのデリカシーのない発言など、瑛斗の嫌知らずな行動が具体的に描写されています。「その髪型、モップみたいで似合ってるじゃん」「なんかそのパスタ、ゲロがかかってるみたいだな」といった発言に、周囲がドン引きしている表情が印象的。これらの言動が、彼が長年周囲を不快にさせてきた証拠と言えるでしょう。
きっぱりとした決断
復縁を迫る瑛斗に対し、志保は「お断りします!」と一切の迷いなく、きっぱりと拒否します。彼の必死な懇願を遮るように放たれたこの一言には、彼の身勝手な言動に心底うんざりしていた志保の強い意志が感じられます。ふっきれたような表情で太陽を見上げるラストも印象的ですね。
▽ 周囲の人たちの視線に、ようやく自分が異常であることに気が付くことができた瑛斗。しかし時すでに遅し。一度失ったものは、そう簡単には戻って来ません。気付けただけでもよかったと思う他ないですね。志保の冷たい態度ときっぱりとした拒絶は、読者にとって一種の爽快感を与えてくれるのではないでしょうか。この経験を通して、志保がこれからもっと良い未来をつかむことを心から願っています。