恋に悩む前に、毎日『自動更新』される人になろう【恋愛にルールはいらない #11】

「恋愛したいな」「彼氏がほしい」「ドキドキしたい」と、20代前半~半ばの恋愛をしていない時期(恋人不在期)の私は、そんなことをよく考えていました。恋愛経験が少なかったせいか、恋愛への憧れや興味関心がとても高く、「恋したい病」に侵されていたようです。

今振り返ると、「仕事をもっと真面目に頑張りなさい」「たくさん映画を観たり、本を読んだりして、自分の内面を高めなさい」「思いっきりハマる趣味を見つけて、それに時間とお金をかけて没頭しなさい」「ジムでトレーニングをして体を鍛えなさい」など、当時の自分に助言したいことが山ほどあります……。

ただ「恋愛したい」「彼氏がほしい」「ドキドキしたい」とだけ思っていて、外見を適度にとり繕ったり、恋愛マニュアル本を読んだりしても、全くもって魅力的な人物にはならないものです。


「つまらない女」は会うたびに変化がない

それからいくつか恋愛し、結婚し、離婚し……最後の恋が終了した後、なぜひとつひとつの関係が終わりを迎えたのか、じっくり考えたことがあります。
もちろん、ひとつひとつのケースで個別の理由はありますが、すべてに共通していたのは、自分自身が現状に甘んじて、自分の世界を拡張する努力をしていなかったから。そんな結論を導き出しました。

恋に焦がれ恋を手にした結果、初期のころはふたりで楽しく過ごしていても、いつの間にか私は相手にとって「つまらない人」に成り下がっていたはずです。会うたびに「新しさ」「新鮮さ」を見せていなかったから、そう評価されても無理ありません。

もちろん、会うたびにメイクや服のコーディネートに気を使ったり、何を話そうか考えたりといった、表面的な新しさや新鮮さは見せるようにしていました。でも、内面から湧き出る新しさや新鮮さは、明らかに不足していました。

仕事は好きだから前向きにとり組んでいたけれど、映画や本は適当に吸収するくらいで、そこから深く学んだり考えたりしていたわけではなく、新たな趣味も作ろうとはせず、自分磨きもさほど頑張らず……という体たらく。どう考えても、代わり映えのしない面白味のない人物でしかないじゃないか、と思います。

いつも新しい自分であり続ける簡単な方法

そもそも、人は飽きる生き物。あえて極端な話をしますが、びっくりするくらいの美女と結婚した男性が、普通の女性と不倫や浮気に走る事例は後を絶ちません。人は、既存のものに飽きる――これは常に意識しておきたい法則です。
では、いかにして飽きられなくて面白い、魅力を持った人になるか。それは、いつだって新しい自分、新鮮な自分でいることではないでしょうか。新しい自分であり続ける方法は簡単です。

長期プロジェクト(年単位)・中期プロジェクト(月単位)・短期プロジェクト(日~週単位)で、何らかの新しいことをやってみる。それと向き合ってみる。ただ、これだけでOK。

最近の私自身の例でお伝えすると、長期プロジェクトは趣味のトレーニング(ジムでの筋トレ)にプロレス観戦や、プ女子(プロレスファンの女性)を対象にしたイベント実施活動、旅行などがあります。これらは細く長くやっていくもの。

中期プロジェクトは料理です。料理本を買って、そこに載っているレシピを一つずつ作って、一冊をすべてやりきることを目標としています。

短期プロジェクトは不動産探しです。貸会議室事業をやりたくて、それに見合う不動産を日々探しています。

恋したい、と思っても恋には到達しない。自然と落ちるのが恋

こうして、いくつかの「自分がひとりで勝手にやっているプロジェクト」を回していくと、毎日必ず何らかの新しいことを自然とやっているはずです。「何か新しいことをしないと……」「変化しないと……」というように、変にプレッシャーに感じることなく、無理のない形で新しいことに触れられます。

幅広く何かにとり組んでいるうちに、興味関心はさらに広がっていき、生きているだけで楽しくなってきます。男女を「男」「女」と区別・意識しなくなり、「人」「人間」というふうに捉えるようになるのも、面白い変化かもしれません。

さらに、次第に「恋愛したいな」「彼氏がほしい」「ドキドキしたい」という気持ちが、すっかり消えているのに気づくはず。これ一応、恋愛コラムですよね……とツッコミが入りそうですが、そういう「恋愛欲」は消失したっていいんです。

というのも恋は、「したい」と思ったり願ったりすれば手に入るものではなく、気づくと落ちているものだから。何かに熱中して、日々自分の細胞を外面だけでなく、内面からもアップデートさせ、生まれ変わらせているうちに、思いがけない人とのつながりが生まれたり、関係性ができあがったりしています。

毎日、自分を「自動更新」する。まずはその準備から。

▽ 前回の記事はコチラ
▽ 次回の記事はコチラ

2017.06.28

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

記事を書いたのはこの人

Avatar photo

Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子