「奥さんとは別れるって言ったのに……」そんな彼に慰謝料請求できますか?
「ヨメとはもう別れるから」という、彼の言葉を信じてお付き合い、めでたく婚約……となったものの、まったく彼に別れる気配がない……。
もしや、だまされた? 彼のウソがひどすぎると思うんですが、泣き寝入りするしかないんでしょうか……。
20代のGoogirl世代の女の子から、このような相談を受けることが一定数あります。弁護士である筆者は、「いろいろ難しい点はあるものの、慰謝料請求をすることは可能です」とアドバイスさせていただくことが多いです。
奥さんからみればアナタは夫の不倫相手
メディアで報道される芸能人の不倫問題を見ているとイメージがわくと思うのですが、奥さんがいることを知っていたのにお付き合いをしてしまったアナタは、いわば「不倫相手の女性」で、奥さんから慰謝料等を請求されかねない立場です。
「え? 私もすごく傷ついたのに、不倫相手……で終わり!?」そんな気分にさせられてしまうかもしれません。
実際に慰謝料を支払う必要があるかどうかは、今回はここでは書きませんので、本当に気になる場合には弁護士に法律相談をしてくださいね!
アナタの立場をかわいそうだと考えてくれることもある
彼が言葉たくみにアナタをだましてきたのに、アナタはなにも言えなくて場合によっては慰謝料を請求されるだけ……では、あまりにも理不尽ですよね。
昭和44年に最高裁判所は、アナタのような立場の女性が彼を訴えた事件で「不貞関係になった責任が主に彼にあって、アナタの悪さに比べて、彼がいちじるしく悪いと評価できるとき」は、彼はあなたに慰謝料を払わなければいけないね……と、判決をしてくれました。
昭和44年ってずいぶん昔ですよね。その頃から、裁判になる問題だったわけですね。そして、最高裁判所は、だまされてしまった女性の味方をしてくれる結論を出してくれました。
法律的な話ですが、このような慰謝料を「貞操権侵害に基づく慰謝料」と呼びます。
彼が超悪質でなければなりません!
彼が圧倒的に超悪質……! というのは、なにを見て判断されるものでしょうか。貞操権侵害のケースはたくさんあるのでわかりやすい目印としていくつか書いておきます。たとえば、年齢差や社会経験! 彼がうんと年上で、社会経験もあって世の中のことをたくさん知っていて、子どもみたいなアナタなんてコロッとだまされちゃうよね!? といえるかどうか……。
当然恋愛経験もポイントで、異性との交際歴や結婚離婚歴などもポイントになります。この点も、専門家である弁護士に相談をするのがベストです。
いかがでしたか?
不倫の慰謝料については、情報があふれていて一般常識になっているように感じますが、だまされて不倫相手になってしまった女の子のココロの傷についても、じつはサポートをする法律的な考え方があるのです。一番悪いのは、奥さんもアナタもだましていた彼なんですよね。うん!