東大男子の恋愛事情2 ~アラサーでモテ期バブルがやってくる~
東京大学法学部を卒業した筆者が、学生時代からアラサーの現在に至るまで身近に見聞きしてきた東大男子たちの恋愛事情を追う本連載。
今回は、世間で「ハイスペ男」と言われる彼らの社会人デビュー後の恋愛、そしてアラサーになった彼らに起こる珍現象について紹介する。
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合コンで引く手あまた。とはいえ……
華の社会人デビューをし、その肩書きで突然合コン市場で引く手あまたになった東大卒男子。学生時代よりはお金もある、女の子の反応も悪くない。少しずつ、彼らの生活の中に「女性」という要素が入り込んでくる。
とはいえ卒業直後の数年間は、なんだかんだいって有名私大卒の男子の方がモテるのが現実。イメージもおしゃれだし、実際話がおもしろくて女性の扱いが上手な人が多い。東大卒男子は個人差はあれど相対的に「うまく」ないのだ。
そのうえ東大男子は根本がまじめなので、なかには仕事に打ち込みすぎて恋愛そっちのけの人も多い。
中堅どころになる東大卒企業戦士、そして突如現れる新勢力
ところがアラサーになってくると、東大卒男子たちも仕事で中堅どころになってきて、少し余裕が出てくる。就職したての頃に比べると、恋愛に割ける労力が増える。
そして、このタイミングで社会人恋愛市場にぽーんと投げ出される新勢力が一組存在する。弁護士一同だ。彼らは大学卒業後、ロースクールを出てさらに司法修習を1年間受けるので、社会人としてのスタートが数年遅い。かつての同級生が華々しく社会人デビューするのを横目で見ながら、一番長くコツコツ勉強してきた組である。彼らはついこの間まで「学生」だったのに、アラサーでいきなり「先生」と呼ばれる社会人生活のスタートをむかえる。
……近年の司法制度改革で、弁護士ももはや「おいしい」仕事ではない。就職口がなくてやむなく独立したり、安い報酬でこきつかわれたりしている人もザラだ。でも、世間の大多数の若い女性はそんな内情はよく知らない。弁護士ときけば「なんとなくいい感じ」と思う人が大半だ。
女性のニーズの変化
男性の状況をおさえたところで、ここでいったん、女性の方に視点を移してみよう。世間の女子の多くはアラサーになると少し男性観がかわる。「かっこよくて~ステキなお店知ってて~」と言っていた時代を終え、「結婚」の二文字がちらつきはじめると、多くの女性が「できれば高収入で、将来性があって、まじめで、親にも紹介しやすい人がいいな!」と言い出す。
すると、なにが起こるか。
アラサーでバブル並みのモテ期がくる
東大卒男子、人生最大のモテ期到来。――完全にバブル並みの価値高騰だ。美女揃いで有名な企業や、CAさん、ありとあらゆる魅惑的な合コンの話が持ちかけられ、ちやほやされ、完全に売り手市場である。もちろんこの時期も冷静に受けとめ、「これぞ」と思った女性と真剣に付き合い、結婚していく人もいる。
が、舞いあがる人も多いのだ。彼女がいても、「ほかにもいるかも」となかなか決められないと言う。1回の合コンで何人つかまえられるか、その研究に予断のないやつもいる。ある弁護士男子は、キープしている女性が5人いるらしい。……あきれるを通り越して感心する。「大学時代そんな人だったっけ!? いや、真人間だったぞ……」と、同窓女子の間ではガッカリ感が蔓延する。モテ期バブル恐るべし。
そしてじつはこの舞いあがる組の男子たちの陰で、ほぼ同じくらいの割合で「バブルの波にうまく乗りきれない組」もひっそりと出現する。彼らについては、次回詳述する。
▽ 次回へ続く