東大男子の恋愛事情1 ~残酷な男女比にあえぐ学生時代から、華の社会人デビューまで~
私は東京大学法学部を卒業した。そのため東大男子たちの恋愛事情を、学生時代からアラサーの現在に至るまで身近に見聞きしてきた。そこでこの連載では、世間で言われるところの「ハイスペ男」になっていく東大男子たちの恋愛模様の変遷、そしてアラサーになった彼らに起こる興味深い現象を紹介する。
東大生だって、学生生活を楽しんでいる
読者の皆さんは、「東大生のキャンパスライフ」ときいてどんなものを想像するだろうか。東京大学といえば、いわずもがな、そこに集う新入生たちは皆、受験勉強を勝ち抜いてきた人ばかり。入学したころ私は、右も左も天才ばかりに見えてこわかった。
でもふたを開けてみれば、お堅い話しかしないガリ勉ばかり……ということはなく、男女問わず個性の強いおもしろい友人がたくさんできて、濃いキャンパスライフをともに過ごすことができた。飲んでバカ騒ぎをしたり、女どうし恋バナという名のゲストークを徹夜でしたり、サークル仲間男女7人で花火大会にいく……なんていうちょっとした「オレンジデイズ」的体験もできて、人間関係に恵まれた大学時代を送ったと思っている。
そんな仲間たちのなかで、のちのち「ハイスペ男」と言われるようになる“東大男子”の恋愛模様はどうだったかというと……?
東大男子――なかなか訪れない「彼女とのキャンパスライフ」
さきほど「ガリ勉ばかりではない」とはいったものの、「勉強も恋愛も部活も遊びも、受験生時代からぜーんぶバランスよく楽しんでました!」なんていう“さわやかリア充“はせいぜい2~3割。やはり基本的に皆、まじめだ。残りの7~8割は、高校卒業までの時間を人一倍勉強に労力を割いてきている。
しかし無事入学したからといって、そう簡単に「彼女アリ」の青春は手に入らない。大学内のアンバランスな男女比のため自然と男子はあぶれてしまう。そのため学内で奪い合いになる女子をうまくつかまえる、もしくは手際よく女子大とのインカレサークルに入って彼女を見つける必要がある。
しかし――奥手な男子にとって、それは意外とハードルが高い。それならば、大学外での合コンに励みまくるのか? ……もちろんなかにはそういう人もいるが、多くが将来のための勉強に時間を費やす。とくに公務員や弁護士を目指す人は、放課後や休日に予備校に通う。受験勉強は大学に入っても続くのだ。
卒業後、突然訪れる価値の高騰
そんな大学生活を送った彼らが、卒業して就職する。するとどうだろう、キャリア官僚や有名企業の肩書に、合コンの話が次から次へと舞いこむ。大学時代にほどよく遊んで恋愛もしていた部類の男子は、世間のそんな反応にも割と冷静だ。社会人生活が落ち着きだした3年目くらいに、学生時代からの彼女と結婚する人もちらほら出てくる。
一方で、そんな「引く手あまた」状態に慣れていない部類の男子たちは、少々舞いあがる。華やかとは言えない大学生活をおくっていたはずが、合コンでかわいいOLさんに「すごーい! さすが物知りですね!」なんてキラキラ笑顔で言われると悪い気はしない。当たり前だ。私だって舞いあがるだろう。
学生時代よりはお金もある、女の子の反応も悪くない――。こうして少しずつ、彼らの生活が変化しはじめる。
▽ 次回へつづく