不倫問題を弁護士が分析! ~今話題の芸能人の不倫疑惑から考える~
今、マスコミを賑わしている芸能人の不倫疑惑。人によって感じるところ、意見はさまざまだと思いますが、世間の厳しい批判や、仕事におよぼす影響の多さにゾッとした方もいらっしゃるかもしれません。
今回の不倫疑惑を例にして「法律的に問題になる部分」について弁護士である筆者がレクチャーします。
まずどんな事案か確認
マスコミの報道なので、今回の不倫疑惑の真実ははっきりわかりません。ですので、今回は実際の事件とは少し離れて(ここがポイントです)、仮の事案をベースに検討します。
仮定した事案
X子さんは、A男さんと、平成27年の夏に結婚しました。その後、A男さんは結婚していることを内緒にして、Y子さんと親しくなり、2人で食事に行くようになりました。その後、Y子さんはA男さんが既婚者であることに気づきます。しかしながらY子さんはA男さんとの交際をやめることはできず、平成28年1月のお正月には、泊まりがけでA男さんと一緒に、遠方にあるA男さんの実家を訪ねました。
その後の、平成28年1月上旬、A男さんとY子さんの関係は世間に明らかになることになります。その後、A男さんはX子さんに離婚をしたいと申し入れました。
法律的な問題点
ポイント1
一番の問題は、ストレートに、Y子さんとA男さんが、性的な関係を持ったのかどうか。一緒に2人で食事に行くだけでは不倫にはなりません。日帰りができない遠方の土地に、2人で行って同じ宿泊先に泊まったとなると……あとは想像にお任せします。
ポイント2
Y子さんは途中からはA男さんに、X子さんという奥さんがいることを知っているので、それを知った以降も性的な関係のある交際を続けたのであれば、不倫と認定される可能性が高いです。
ポイント3
A男さんとX子さんの仲が極端に悪くなっていて、とうの昔に別居状態だったなどの事情があるかどうかです。Y子さんと交際したせいで、A男さんとX子さんの夫婦関係が壊れたわけではない(前から壊れていた)として、Y子さんの責任がなくなる可能性があるんですね。あとは、A男さんがY子さんを――そう、騙していた場合。
ただ、新婚ホヤホヤのA男さんとX子さんなので、なかなかこの理由づけは大変そうです。
ポイント4
不倫で権利が侵害されるのは、X子さんです。今後はX子さんが、慰謝料をA男さん、Y子さん、あるは2人に請求するかどうかを決めることになります。裁判で請求してもいいし、弁護士をつけて話合いで請求するという方法もあります。
ポイント5
仮にA男さんとY子さんの間に不倫があったと認められると、A男さんは、奥さんであるX子さんとの夫婦の関係を壊す原因を作った夫(法律的には有責配偶者といいます)として、A男さんからの離婚が裁判でかなり認められづらくなります。X子さんからの離婚は可能です。
つまりA男さんはX子さんに離婚したいと頼んでも、X子さんが応じない限りなかなか離婚することは難しいのです。
不用意な行動を取る前に、弁護士に相談を!
最後に、法律の問題は弁護士に相談! つまり不倫の問題も弁護士に相談! が鉄則です。
今回の記事は、わかりやすいようにかなりコンパクトにまとめています。本当の事案は、もっと細かい部分の検討が必要ですので、ご注意!!