「もう離婚よ!」と言う前に一息! ~弁護士が教える、離婚話の前に冷静に考えておくこと~【後編】
前編では、離婚の前に別居、そしてお子さんのことを考えるべき! と書きました。離婚を言い出す前に、考えておくべきことはまだまだあります! 後編ではお金関係について書いていきます。
生活費については?
生きていくには、お金がかかるものです! 特に旦那さんが外で働き、奥さんであるあなたが家庭を守るスタイルでやってきた場合、離婚をしたあと、どうやって生活をしていくかが問題になります。
ハッキリ言ってしまいましょう! あなたが必死に働かないと、離婚前と同じ生活水準を保つことは、超難しい!!
旦那さんとあなた、2人で頑張って1つの世帯を作り上げてきたからこその、現在の生活水準です。離婚は、世帯がわかれることです。これまでと変わらない収入で、2つの世帯を維持することができますか!?
離婚したあともらえる養育費は、旦那さんとあなたの収入の関係で決まります。かりに旦那さんの年収が400万円、あなたが0円、お子さんは7歳の子と3歳の子の2人と仮定した場合、もらえる養育費はお子さん1人につき3~4万円です!!
かりに2人で8万円支払ってもらったとしても、「家賃と光熱費くらいしか出ないじゃん!? 子供の習いごとは? 食費は? 子どもにかけていた学資保険は?」という現実問題に直面することになります。体調に問題がなければ、お仕事を探していただくことをオススメいたします。
そもそも離婚してしまえば、あなたと旦那さんは他人です。養育費はお子さんのために支払われるお金で、あなたの生活費は含まれていないのです。なお離婚したあと養育費がどれくらいもらえるかは、ネットで「家庭裁判所 養育費」と検索すると、裁判所が公開している養育費算定表というものを簡単に見ることができるので、参考にしてみてください!
財産分与・慰謝料?
財産分与というのは、結婚してから別居するまでに夫婦2人で作った財産を半分にわけることです。慰謝料は、離婚の原因を作ってキズつけた方が、相手に支払うお金です。ズバリ、これらがいくらくらいになりそうかは、弁護士にきくべきところです!
離婚した直後お金がかかる時期に、一定のまとまったお金が手に入る可能性があるのが、財産分与や慰謝料です。しかしながら、つねにもらえるものではないので、期待しすぎるまえにプロのアドバイスをもらいましょう!!
どうやってとりきめる?
離婚についての条件、特にお金関係に部分については、あとでモメてしまうことがないようにきっちりと書面で決めておくべき! それも自分たちで作った書面ではなくて、公証役場というところに行っていただき、そこで作ってもらう公正証書にすることがオススメです。弁護士などに一度相談をするのもいいと思います。
「離婚」の言葉は慎重に
法律的な話のあとで、最後に。離婚は、ご夫婦の中でもとても大きな選択です。感情的になって、ケンカの度に「離婚!」と言うことはあまりオススメできません。いつも「離婚!」と言っていると、旦那さんも気に留めてくれなくなりますし、何度も言われて気分がよいものではありません。言うことで何か好転するわけではないのです。
「離婚を考えるほど傷ついた。悩んでいる」というご自身の感情の深さを伝えたいがために、省略して「離婚!」と言いたくなってしまうのはわかりますが、本当に離婚について考えてないのであれば、伝え方を工夫していただきたいなと思います。
いっぽうで、離婚について本当に考えている場合には、私がこれまで書いてきたことをご自身なりに考えていただくと話がかなり具体的になりますので、旦那さんにもあなたの本気が伝わるはずです。
まわりに相談してみましょう
考えることが多すぎて、「私……離婚できない!?」と、悩みを深めてしまったあなた。1人ですべて抱える必要はありません。まわりに相談をしてください。これまで書いてきたことのいくつかは、ご実家のサポートがあれば解決するものがあります。また、行政のサポートを受けることも考えられます。そして、弁護士に相談するということも、方法の1つとして頭に入れておいてください。あと、率直にまわりのお友達に相談してみるのもいいと思います。
4組に1組のカップルが離婚すると言われている時代です。積極的に言わなくても、離婚について経験があったり、身近な人で離婚をしている人は意外と多いのです。真剣に相談をすれば、手を差し伸べてくれる人は、少なくないはずです。