元働き女子の専業主婦ライフとその本音 Vol.2
前回は、専業主婦になるにいたった経緯と孤独な専業主婦ライフの幕開けについてお話しましたね。今回は、そんな曇りに曇った日々の雲間から、青空が見え始めたきっかけについて書いてみたいと思います。
つわり期からの脱却
小さな頃から健康優良児であったため、この体調不良というものがどうしても受け入れられませんでした。気持ち悪くて、ひたすら眠くて、思うようにならない体をひきずっての毎日は、いつからか「やる気」とか「希望」という言葉を奪い去り、ただ「無力」という二文字を体に刻みつけたのです。
この体調不調が徐々に回復し、つわりが終わりを告げた頃には、朝から晩まで続くあのもやもや感がすっと引いていきました。しかし、単純に体調が戻れば元気ハツラツかと言えば、答えはノーで、複雑な三十女且つ妊婦の心は、一筋縄とはいかないものだから、もうひとスパイス必要でした。
夫という名の同志
それが、夫の存在でした。そもそも交際から結婚まで1年未満の二人は、お互いにいい年齢で出会っていたこともあり、相手を尊重することについては至極冷静にこなせていたのでした。わかりやすく言えば、別々の小さな島がつかず離れずの距離でプカプカ浮いているような、そんな平和な風景。侵略もなければ、陸続きとなるような融合もない。しかしなんだか老夫婦のようなさみしさも感じられました。以前から、そんな二人の距離感に違和感があった私は、妊娠で生じるイライラや不安、孤独やらを耐えられず投げかけることを試みました。
夫の女性像を崩す……
夜の23時から始まるネガティブ独演会は、彼にとって非常に辛い時間であったことでしょう。そして妊娠中の女の気持ちをまず知ってほしいと考えた私は、自分の症状と酷似していると感じた出産育児本を読み聞かせるなど、あらゆる手練手管を尽くしたものです。そんな面倒な行動を起こす妻を見て、夫の中で、今まで私に抱いていた女性像がガラガラと音を立てて崩れたことでしょう。しかし、このガラガラが私にとって、どうしても必要な作業でした。
孤独との戦いからの脱却
以前は自立した関係を保てたはずが、仕事を辞め、家にいて、お金を稼ぐことができなくなった私と相手との関係が今後どう変化していくのか不安だったのです。だから前途多難な未来を思い、いろんなことを面倒くさがらず、ちゃんと話そうと思いました。この作業は、面倒以外の何者でもないのですが、今思えば、どうしても必要なヤマだったのでしょう。このことが、私にとって大きな一歩となり、ただただ孤独との戦いだった日々からぐーっと腕をつかまれ、引き上げられた気分になりました。
次回は、こんな私が感じた30歳からの結婚への覚悟についてお話したいと思います。