終わりよければすべてよし。ならば、終わり悪ければすべて悪し?

先日、数か月ぶりに会う友人とランチをしました。前回会ったとき、彼女は仕事で行った海外で出会った日本人彼氏と遠距離恋愛中で、「トランジット入れたら移動時間30時間だよ。1日以内で行けるなら遠距離とはよばないね」と誰も反論できない持論を述べていました。ただ、彼女も筆者と同じアラサー。彼氏の方の態度が「結婚を匂わせたかと思えば、そんなこと考えられないと言ってみたりと不誠実だ」というので、周囲からは「早く目を覚まして国内で婚活しろ」とさんざん言われていました。


楽しかった思い出も、嘘だったの?

それ以来だったので、先日もまずはその話題に。すると、「突然連絡がとれなくなって」とのこと。もう未練はないそうですが、最後にきちんと向き合ってもらえなかったことで、「好きだった人を嫌いになってしまうのが嫌だし、楽しかった思い出まで嘘だったような気になるのが悲しい」という彼女。筆者はかなり憤慨しつつ、彼女の最後のセリフの深く共感しました。

いい人だったはずの彼の、謎の行動

というのも、筆者も20代のころ真剣にお付き合いした相手にふられたとき、(もちろんフラれたこと自体で大変なダメージを受けましたが)そのあとにかなり後味の悪い思いをしたのです。
当時はお互いひとり暮らしだったので、家を行き来しており、荷物も多少は相手の家に置いていました。そんな状態でかなり一方的にフラれてしまった筆者……。荷物など勝手に処分してくれればよいものを、わざわざ段ボールに入れて手紙を添え、こともあろうに筆者の実家の父の職場(!)に送ってきたのです! 失恋から数か月たち、まわりの支えもあってようやく立ち直ってきた矢先、仕事中に実家の母から電話が。緊急事態かもと思って出てみれば……。

母: あのね、○○さんからユリ宛てに荷物が届いたのよ。それもお父さんの職場に。
私: ……!?
母: でね、開けてみたら荷物と、折り紙の裏にメッセージが書いてあって、見えたから読んじゃった。

……母、読んじゃったんですか。

母: ユリ、内容知りたい? せっかく気分一新して頑張ってるのに思い出すのもねぇ……。

……いや、親だけに知られている方がいやだよ。
ということで、職場で元彼からの手紙を母親に音読されるのを電話できくという異常な事態に。

母: 『ねえユリ、……』。

お手紙の破壊力

これ以上は書けませんが、全体的にポエムのような手紙でした。「お母さん、お手数だけど全部捨てて」と母にたのんで電話を切ったあと、最低最悪な気分に。一方的にフラれたのもつらいし、しかもそんな娘を心配する親のもとに(しかも職場に)荷物を送りつける訳のわからない行動のせいで親の心労は増したでしょうし――。私だって恥ずかしくてたまりません。お付き合いしていた期間は、常に冷静で的確な判断のできる人で、そんなところにも惹かれていたのでショックでもありました。
先述の友人のセリフにあるように、「一時は好きだった人を嫌いになりそうなのがつらい」そして「私が好きだったあの人は、そんなひどい人だったの?」といい思い出までが信じられなくなりました。

よい思い出を、必要以上に悪い思い出にしてしまわないために

何年もたった今となっては、「彼も若かったし誰にでもミスはある、交際していた間はいい人だったよな」と冷静に振り返れますが、別れ際がキレイでないとそう思えるまでに時間がかかります。おそらくこれは、男女が逆でもあり得ることでしょう。人のふり見て我がふり直せ

「立つ鳥跡を濁さず」とはよくいったものです。別れは誰にとってもあまり嬉しいことではありませんが、楽しかった期間や自分のことを「いい女性とのよい思い出だな」と相手に思ってもらえるよう、別れ際の振るまいには配慮が必要です。ご注意を!

2015.07.21

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記事を書いたのはこの人

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Written by 吉原由梨(ヨシハラ ユリ)

東大法学部卒業後、外資OL、秘書職を経て、現在は都内で夫と二人暮らしのフリーライター。30代初級者。 趣味は読書、グルメ、美容と健康の研究、マッサージ巡り、人間観察etc. 自身の経験や思索、あとは好奇心の赴くまま、幅広いジャンルのコラムを書いていきます。 Twitter:@yuriyoshihara ブログ:http://yuriyoshihara.blog.jp 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子