母が教えてくれた「結婚相手を選ぶ究極の基準」

みなさん、結婚する相手を見極める基準はなんですか? 今お付き合いしている彼と結婚するだろうなという女性でも、ふと「この人で本当にいいのかな。好きだし気もあうけど、結婚となるとちょっと条件に満たないなぁ」と思う瞬間、ありませんか? これから出会おうとしている女性は、「私はこういう条件の人と結婚するんだ!」とかたく心にきめていても、いざとなると「条件は満たしているけど、一生やっていけるかな?」と迷ったり、「だんだんどういう人と結婚したいのかわからなくなってきた……」と混乱したりすることもあるかと思います。


たくさんの男性と出会って迷走する日々

筆者は独身時代、結婚につながる出会いをもとめてさまざまな場に足を運びました。お誘いがあれば月・水・金それぞれ違う男性と夕食をとったこともあります。「優しいけどどうも頼りない」「いい人だけど子供っぽい」「実直だけど頑固そう」――など、何様なんだといいたくなるような感想を帰りの地下鉄で反すうしたものです。

好条件に舞いあがる私

そんな男性たちのなかでも印象に残っている男性が何人かいますが、その一人がとある医師の男性です。当時30代半ばで、連絡先を交換して後日デートに出かけることに。すると、待ち合わせ場所に車できた彼が乗っていたのは、ベンツの四駆。「タクミか!!」と心のなかで突っ込みました。(矢沢あいさんの名作『NANA』で、主人公が憧れる男性ミュージシャン:タクミが乗っていたのがベンツの四駆でした) ベンツの四駆の助手席は視点も高くそれだけですでに私はちょっといい気分になっていました。(バカですね……)
ドライブ中、社会人同士ですから自然と仕事の話になります。すると、彼は東京近郊と地方の2か所に医院を経営し、著書もあり、体にやさしい化粧品のプロデュースまでしているという超やり手! しかも趣味はサーフィンと絵にかいたようなさわやかさ、容姿も及第点以上です。ベンツが千葉の海沿いの眺めのいいカフェにつくころには、すっかり私は舞いあがっていました。ただし、結婚詐欺じゃないかと家に帰ってから彼の名前をググる冷静さはかろうじてありましたが。

結婚相手を選ぶ大切な基準とは

でも、そのあと何度かデートをすればアラも見えてきます。意外と人の話を聞いていないことがある、かなり稼いでいるせいかお金に厳しくない、今ひとつ情緒にかける……など。筆者は会話のなかでいろいろな情感を共有できることに喜びを感じるので、だんだんと違和感を抱くようになりました。でもそこで、もう一人の自分がささやくのです。「こんな条件いい人なかなかいないよ! 多少は目をつぶりなよ!」と。……たしかになぁ、私もうアラサーだしな、結婚って意外とこんなもんなのかもなぁと悩みはじめたとき、母の言葉を思い出したのです。
「いい、結婚はね、気があうことも大事だし、生活力も大事。でも結局最後に決め手になるのは『仮にこの人が今もつすべてを失っても、二人でリヤカーを引きながらでも頑張って生きていこうと思えるか』よ。」と。リヤカーを引きながら……はおおげさかもしれませんが、つまりその人が今もつ経済力や社会的地位・うしろ盾などを失って裸一貫になっても、ともに人生やりぬこうと思えるかが決め手だ――というのです。それを思い出せば結論は明白です。ベンツや医師免許が全部なくなったら、私はこの人と頑張って幸せな人生をたてなおそうと思えるか。答えは否です。チャラチャラ舞いあがっていた自分を恥じ、先方にもお付き合いをきちんとお断りしました。

みなさんも結婚の判断に迷ったとき、この基準をひとつの判断材料にしてみてください。意外なほど頭がクリアになりますよ。

2015.07.18

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記事を書いたのはこの人

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Written by 吉原由梨(ヨシハラ ユリ)

東大法学部卒業後、外資OL、秘書職を経て、現在は都内で夫と二人暮らしのフリーライター。30代初級者。 趣味は読書、グルメ、美容と健康の研究、マッサージ巡り、人間観察etc. 自身の経験や思索、あとは好奇心の赴くまま、幅広いジャンルのコラムを書いていきます。 Twitter:@yuriyoshihara ブログ:http://yuriyoshihara.blog.jp 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子