sex研究部Vol.8 ラブライフアドバイザーOLIVIAさん

周りの人にはなんとなく聞きづらい、女性の性やセックスに関するテーマ。大事な話ですがネットで調べて済ませていませんか? 専門家の話からセックスをひもとく企画第8弾に登場していただくのは、ラブライフアドバイザーの OLIVIAさん。男女の性・セックスに関するフィールドワークを学生時代から行い、食生活やメンタルケアを含む生活全般の「ラブライフ」を提唱してきたOLIVIAさんに、悩める女性たちへアドバイスをいただきました。

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男女どちらにも役立つセックス本を作りたかった

性のオピニオンリーダーとして、さまざまなメディアで活躍するOLIVIAさん。初の単著『最高に気持ちがいい!感じるセックス、飽きないセックス』が好評を博し、2015年1月には台湾で翻訳本『一・起・高・潮』が出版されるなど、海外からも注目を集めています。

「2冊目となる共著『こころとカラダで感じ合う絶頂のセックス』から『飽きない~』を出版するまで2年半あいています。その間、男性誌と女性誌のセックス特集の取材をたくさん受けてきました。何度も取材を受けるなかで、男性誌ではテクニック寄りの切り口、女性誌ではメンタルやインナービューティ寄りの切り口が多く、男女間で意識の方向が全然違うなと再認識したのです。なので、男女の意識や性メカニズムの違いを紐解きながら、それぞれのお悩みを解決する本を作れたらなと思い、出版に至りました」

第2章「男女のカラダを正しく知ろう」では「大人のための性教育」として、男女の体の構造やホルモンが引き起こす発情スイッチの違い、オーガズムの違いなど、知っているようで知らない情報がまとめられています。
「自分のデリケートなパーツの構造を正しく理解できていない人もいます。構造自体をわかっていると、セックスのときに自分から相手に合わせられるようになりますし、相手に『~をしてほしい』と自分の快感ポイントを伝えて、ふたりでセックスを作り上げやすくもなります」

お肌をケアするようにセルフケアを楽しもう

構造がわかればセルフケアもしやすくなります。OLIVIAさんは大学の卒業論文テーマに「女性のセクシャリティ」を選び、その後もセクシャリティを磨くセルフケアの必要性を提言してきました。本書でも「感じる身体をつくるひとりエッチ」として、具体的な方法が紹介されています。

「お肌をケアするのと同じ感覚で、丁寧にお手入れしてほしいと思っています。セルフケアはマッサージの延長線のようなもの。『恥ずかしいこと』『虚しいこと』と感じる女性がいるかもしれませんが、欲望に向き合う貴重な時間でもあります。セルフケアを楽しむことで内面からエロスが滲み出るようになりますし、セックスのときにどう触れられたいかイメトレすることもできるのです」

性さらに第3章で取り上げられているのは、男女のよくある勘違いとお悩み別テクニック。

「意識したのは『それは違う』とダメ出しするだけではなく、何がどうダメなのか解説すること。たとえば、よく『女性に対しAVのようなプレイをするのはダメ』とは言われますが、実際にAVの中のどのプレイをすべきではないのか、逆に女性がうれしく感じるプレイはどれなのか具体的に説明しています」

セックスは教科書で学ぶものではないので、何がどうダメなのかわかっていない人は少なくありません。このほかにも、セックスを楽しむためのテクとして、お悩み別・目的別に選べる「LOVEポジ」が58種類も紹介されています。「エクササイズ効果のあるもの」「腰痛防止できるもの」など、本当に欲しかった情報がたっぷり。

セックスレスに陥ったら……コミュニケーションから見直そう

第4章では「セックスレス予防策」が取り上げられています。これまで数々の男女にセックス・カウンセリングを行ってきたOLIVIAさんは、セックスレス予防・改善をどう考えているのでしょうか。

「セックスレスだからといって、いきなりセックス単体を見直すのではなく、普段のコミュニケーションから振り返ってみてください。相手の目を見て話したり、相手に対して『ありがとう』『おはよう』などときちんと言葉で伝えたり。まずはそういった“基本”から積み重ねていくこと。それから肩もみやマッサージなどスキンシップを徐々に増やし、最終的に『久しぶりにしてみようか』と1ステップずつ進めることが大事なのではと思います。セックスはコミュニケーションそのもの。お互いに“送受信”することが必要です」

以前、ある男性誌で「1か月かけてセックスレスを解消する」特集が組まれたとき、識者として登場したOLIVIAさんは、まずは相手の肩にぽんとふれて「行ってきます」と言ったり、奥さんの変化に気づいたりすることから始めよう、と提唱したと話します。

「レス解消策として一般的に言われるのは『セクシーな下着を着ける』といった外見的なアプローチですが、とくに一緒に生活している家族だと『突然どうしたの(笑)?』となってしまいます。夫婦間ではおだやかなアプローチで切り込んでいくのがいいと思います。リラックスした雰囲気のなか、肌のふれあいに移行するのが自然。またセックスそのものも、温泉にゆっくり浸かってホッとできるような、穏やかなセックスでいいのかなと感じます」

一方で、セックスレスとは無縁の男女もいます。OLIVIAさんもそんな男女から話を聞いたことがあるそう。彼らから見えてくるセックスを自然と継続するための秘訣は?
「1つめはお互いを一個人としてリスペクトしていること、2つめは結婚して家族になっていたり、交際歴が長かったりするものの、お互い男と女として生活し続けていること、3つめは小さな恋愛感情を持っていること」
目の前にいる身近な相手を大事にできているか、常に感謝の気持ちを持てているか――レス予備軍かもと感じたときに見直してみては。

“セクシーな下着、完璧なメイクよりも肌ケアを!

とはいえ、セックスレスに陥る前に手を打っておきたいもの。魅力的な体作りも欠かせない要素のひとつです。大学卒業後、アロマセラピストとして活動し、現在も女性のボディメイキングを目的とした「CATbodyTREATMENT」やラブ・コミュニケーションを深めるカップルマッサージ「LOVEもみ」などを考案・指導しているOLIVIAさんに、女性らしい体の作り方についても教えていただきました。

「特別なことをする必要はなく、清潔感と肌ケアが一番大事です。とくに肌は自分の“名刺”のようなもの。人は本能的に『健康な人と付き合いたい』と思いますから、日常的に顔と体をケアしておくべき。深い関わりになった相手の前では、遅かれ早かれメイクを落とした素顔を晒す日がきます。まずは肌という“素材”を磨いてください」

確かに肌に自信が持てないと、接近戦も憂鬱になりがち……。積極的にふるまえません。

「月経前や月経中は肌がゆらぎますよね。私は女性特有の体のリズムを意識して、日々のお手入れをしています。肌にゆらぎを感じるときはローズ精油入りの基礎化粧品を使うなど、月経周期によって基礎化粧品を変えて、1か月を通して肌コンディションにあまり差が出ないよう気を遣っています」

発酵食や酵素に詳しく、お手製の味噌や塩麹を作ることもあるOLIVIAさんはかなりの美肌。食生活も気になるところ。
「月2回のオーガニック食材の定期宅配をとっているので、野菜はたくさん摂っています。生で食べると酵素を摂取できるので、生野菜と温野菜をバランスよく食べるのがポイント。お水にもこだわっています。鹿児島の温泉水を数年前から取り寄せていて、飲料用にも料理用にも使っていますね。インナーケアを大事にしています」

最後にGoogirl読者にメッセージを寄せていただきました。
「セックスはすべて一期一会なもの。同じ相手と何度体を重ねようとも、二度と同じセックスはありません。その日のセックスをいかによくするか、これが彼との最後のセックスかもしれないなどと考えることも、心構えとして大切なことなのではないでしょうか」

OLIVIAさんの推し本

『大和なでしこ整体読本』
日本人女性らしい体を取り戻す方法が書かれています。読むと生活習慣の質が上がるかも。
『バイブを買いに』
セックス中の「とあるシーン」に登場する愛情あふれる描写を読んでほしいです。
『愛しあうからだ』
「ゆる体操」「ゆるヨガ」による性機能の高め方が書かれています。
『チンペの飼い方』
フランスの絵本。かわいいイラストで男性の体を学べます。

OLIVIAさん

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー。アロマセラピスト。「世の中をご機嫌な女性でいっぱいにする!」をライフテーマに、2007年からラブライフアドバイザーとして活動。全国各地で講座、ワークショップ、各種イベントへの出演をこなす。TV、ラジオ、書籍、雑誌、ソーシャルメディアをバランスよく活用して、ラブライフをより豊かにする情報発信を行う。数々の男性誌・女性誌で識者として登場することが多く、SEX特集には欠かせない性のオピニオンリーダーとなっている。最近では台湾・マカオなどのアジアにも進出するなど、活動の拠点を広げている。今年の目標はラブ・コミュニケーションを深める「LOVEもみ」本の出版、セックス・カウンセラー養成など。

2015.02.05

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子