ワンクール恋愛女の結婚道Vol.7 夫婦という「二人チーム」から考えたこと

恋愛がワンクール(3か月)しか続いたことがない、恋愛コンプレックスの塊だった筆者。26歳のときに出会った男性と1年半の交際を経て結婚しました。結婚・恋愛に悩む方のサプリメントになるコラムをお届けします。


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これから結婚する方、結婚したばかりの方に悲報をひとつ。結婚一年目は「新婚生活はどう?」と耳にタコができるほど聞かれます。

私自身も何十回聞かれたことでしょうか。その度に「またきたか」とうんざり。挨拶代わりの言葉として無意識のうちに発する人、「新婚生活=ラブラブな期間」だとイメージする人が多いのかな、と感じていました。

1年半も付き合い、かつ半年も同棲していると、後者の人が想像するようなラブラブ感は消失します。というより、私たちはふたりとも「ひとり時間はマスト」「個室は必須」タイプなので、あまりベタベタする関係ではなく、ほどよい距離感を保って暮らしています。

そのため「気の合う友達と暮らしている感覚かな」と答えていました。でも最近になって、すこし違う思いが生まれてきたのです。夫婦こそ最小単位の「チーム」ではないか、と意識するようになりました。

旅先での役割分担から見るチーム感

私たちは3か月に一度くらいのペースで旅行します。私は旅行が「好き」ですが、彼は旅行が「大、大、大好き!」な人。少しでも時間に余裕ができれば、あるいは何とか余裕を作り出して、とくに海外旅行を計画します。

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今年は国内よりも海外に多く行きました。年始にインドネシア、5月に香港、11月にベトナム……と結構なペース。国内もあわせるといろいろな場所に行きました。そうして彼と幾度となく旅をしているうちに、私たちはバランスのいい「チーム」だなと感じたのです。

彼は地図を読んで、現在地と目的地のつながりをすばやく理解できる人。ガイドブックとスマホがあれば、どんなところにも迷わず行けます。一方で、私は極端に地図を読めない女。とくに見知らぬ土地では地理感覚がなくなるので、旅先では彼に頼りっぱなしの子どものようになります。

どう見ても旅行中は「役立たず」な私。何もできないので申し訳ない気持ちになり、彼に「なんだかごめんなさい……」と謝ると、「園子さんは英語が話せるから助かってるよ」とフォローされて驚いたことがあります。

英語? むしろ話せないけど……? 彼が言う「英語が話せる」というのは、どうやら「俺より英語が話せる」ということらしい。とはいえ、身振り手振り&単語&短いフレーズを駆使して、無理やりコミュニケーションを図っているだけですが、彼には「言語面で頼りになる女」と認識されているのでした。

海外では「地図参照・目的地までのガイド担当=彼」「外人とのコミュニケーション担当=私」とざっくり担当が決まっています。2年前にふたりで初めて訪れた外国はシンガポールでした。その頃からおおまかな役割分担は決まっていたと思います。

恋愛感情は消えても「ベストパートナー」ならそれでよし

旅行はいわゆる非日常。ここからは日常に目を移してみます。たとえば仕事面。私はライターで、彼は編集者なので、一緒に仕事をする機会もあります。ライターと編集者は同じ業種ではあるものの、必要なスキルは異なるので、いい記事を生み出すにはどちらの存在も欠かせません。

さまざまな場面で、私たちは得意なこと・苦手なことをそれぞれ補い合って生きている――そう実感します。だからこそチームなのだと。「チーム」というと「会社で一緒にプロジェクトを進めるチーム」を連想する人は多いでしょう。夫婦もそれと同じ。

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思い返してみてください。社内のチームには多種多様なタイプの人がいませんか? 事務作業を正確にかつスピーディーにこなす人。会議でクリエイティブなアイデアをぽんぽん出す人。人当たりがよく関係各所での調整が上手な人。巧みなプレゼンで聞き手を魅了する人。何らかの優れた部分を持った個人が集まり、ひとつのチームができているはずです。

夫婦というチームは二名体制ではありますが、それと同じだと思うのです。デコボコしていてもいい。凹凸の部分をお互いに補い合っていることに気づくと、改めて「この人とチームを組んでよかった」と思うのです。ベストパートナーじゃないか、と。

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原則、結婚すると恋愛感情はなくなります。私自身、今は彼を「大切な家族かつパートナー、ときに戦友(仕事を一緒にするとき)」という視線で見ていますし、彼も同様だと思います。もちろん例外はあり、長く結婚生活を送っていても「ラブラブです!」「私たちはいつまで経っても男と女です!」と断言する夫婦もいるでしょう。でも、大多数は「家族」に落ち着いてしまうもの。

実はそのことを残念に感じる時期もありました。「もう少し“男と女感”があってもいいのに(笑)」と。でも「チーム感」を意識することが増えてからは、不思議なくらい気にならなくなりました。お互いに「この相手とはベストチーム、ベストパートナーだ」と思えていれば、安定的かつ強固な結び付きが長続きするもの。2015年も「いいチーム」を目指します。

2014.12.15

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子