ワンクール恋愛女の結婚道Vol.5 結婚力=生活力だから……ひとり暮らしのススメ

恋愛がワンクール(3か月)しか続いたことがない、恋愛コンプレックスの塊だった筆者。26歳のときに出会った男性と1年半の交際を経て結婚しました。結婚・恋愛に悩む方のサプリメントになるコラムをお届けします。


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度々「結婚する前にしたいこと」「結婚する前にしておくべきこと」「結婚したいなら準備しておくべきこと」といった内容の記事を見かけます。それらは「独身の間にしておくこと」と言い換えることもできるでしょう。

(社会一般的に)結婚後は許されない「恋愛をしておく」といった指南のほか、花嫁準備として「料理教室に通う」「テーブルセッティングを習う」「花道や茶道を嗜む」などさまざまな準備を勧める人は少なくありません。

でも正直なところ、どれも結婚に直結するとは思えません。目指す方向を間違っていませんか……? と感じてしまうのです。むしろ、男性が結婚相手に求める力とは別の力がついてしまうような気も。

凝った料理は作れなくてもいい

料理を例に挙げると、新婚生活が始まると、テーブルセッティングに凝ったり、2~3時間要するような手間のかかる食事を作ったり……といった“完璧すぎる食卓”を実現するのはムリ! 働く女性は時間に追われているので、日々の料理(主に夕食準備&片付け)にかけられるのは1時間程度ではないでしょうか。

そもそも「凝った食事」は日常で求められません。Facebookに「フレンチのお店?」「ビストロにいるの?」と驚くほど、洗練された料理の写真をアップする女性もいますが、あれは例外。真の料理好きだからこそ、苦もなく長時間キッチンへ立つ女性たちですから。

もちろんパートナーの男性は美味しい料理に喜び、その女性から離れられなくなることは確か。でも、無理にそこまでする必要はありません。美味しくない料理を作ったり、手抜きメニューを連日出したり、盛り付けが汚かったり……といった残念なことをしなければOK。

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私の話をすると、決して料理上手ではありません。それでも心がけているのは、野菜をたくさん取り入れたり、お肉とお魚を交互に使ったり、おかずをひとつひとつ小鉢に盛りつけて見た目を綺麗にしたり、1週間に1~2回は新メニューに挑戦したり……とできる範囲で工夫する程度です。

家ごはんは家庭で食べるものですから、あくまで家庭料理でOK。毎日「家でもレストランのようなごはんが食べたい」なんて男性は料理研究家と結婚するか、あるいはお金に余裕があるわけなので外食を選ぶでしょう。

と、ここまで「料理」に焦点を当てて話してきて、わかっていただけたと思いますが、料理教室やそれに付随する教室などに、わざわざ通わなくてもいいのです。その代わりに「ひとり暮らし」を始めるだけで、数万~数十万円のお金をかけることなく、結婚に必要な生活力が身につきます。結婚力=生活力です。

結婚したいなら、女磨きの前に生活力を身につけて

かくいう私は大学進学で上京した18歳から27歳になる直前までの8年間、都会でひとり暮らしをしてきました(うち1年は同じく進学で上京してきた妹との二人暮らしを含みます)。

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18歳での初めてのひとり暮らし準備は、家具家電付きの家に住んだこともあり、家族の手を借りずひとりで済ませました。ガスや水道、電気……公共料金の手続きも初めて。バイト代が入金される銀行口座の開設も初めて。住民票や転入・転出届の手続きも初めて。何もかもが初めてでした。

もちろん生活に必要なものもイチから揃えました。部屋に瓶のドリンクを持った友達が遊びにきたときに、実家には当然のようにあった栓抜きがなく、わざわざスーパーに買いに走ったこともあります。洗剤のストックがなくなり、「あぁ日頃から先回りして手に入れておかないと」と“在庫チェック”を習慣化するようにもなりました。

ちょっとカッコ悪い話ですが、食あたりになって深夜にもがき苦しみ、救急車を呼んだことも数回あります。部屋にゴキブリが出没したときも、ひとりで対処する術が身につきます。もちろん料理のスキルも上がります。

もともと実家に暮らしていたときに、頻繁に手伝いをしていたため、料理は適度にできましたが、「ひとり分」の材料の買い物の仕方、材料の使い切り方、保存方法はもちろん、冷蔵庫にあるものでサッとヘルシーな食事を作る術を身につけました。

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洗濯や掃除に関しても同じです。自分以外にそれらをする人はおらず、かつできる時間は限られています。たとえ手が空いていても、夜中や朝方にすると近所迷惑に。そのため、大学や会社から帰宅した後や休日の空き時間を見つけて、いかに効率よく済ませるか、綺麗な部屋を長くキープするにはどうすればいいか考えるようになります。

ひとり暮らしをすると、実家暮らしのときと比べて圧倒的に、意思決定の機会が多くなります。さらに次にすべき行動を考えて、効率よく動けるようにもなります。どうすれば快適に暮らせるか、考えを巡らせる機会も増えて、その過程で生活力がついてくるのです。

もしひとり暮らし経験がないまま、結婚していたら……と想像しようとしてもムリでした。家庭を回していくのに必要な力の8割(残り2割は実家で家事の手伝いをさせてもらったおかげ)は、ひとり暮らしで身につけたといっても過言ではありません。

特別な教室に通う余裕があれば、まずは不動産屋へ。ひとり暮らしを始めるだけで、結婚への近道が必ず現れますから。

2014.11.04

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子