ワンクール恋愛女の結婚道Vol.4 Googleカレンダー共有は愛と信頼の証。

恋愛がワンクール(3か月)しか続いたことがない、恋愛コンプレックスの塊だった筆者。26歳のときに出会った男性と1年半の交際を経て結婚しました。結婚・恋愛に悩む方のサプリメントになるコラムをお届けします。


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「今日、ごはんいる? いらない?」
「うーん。何時に帰れるかわからないからなぁ……」
「で、どうすればいいの?」
「じゃあ一応残しておいて……」
「はーい。ハッキリしてよね」
「……」

パートナーとこんなLINEのやりとりをしたことはありませんか。毎日この調子だと面倒ですし、そのうち連絡すらなくなりそう。「一応」の言葉を受けて、食事をとっておいたとしても、「突然飲み会に誘われてさ」なんて理由で食事がムダになることもあります。

作った側としてはイラッ。ひとりだったらもっと簡単なもので済ませたのに。食材がもったいないなぁ。野菜をたくさん使って新メニューに挑戦したのに。いろいろな思いが心をぐるぐると回ります。さらには「ごはんいるって言ってたのに!」と爆発。その気持ち、よくわかります。

私自身、同じようなイライラを感じていたことがあります。そのイライラの原因をお話する前に、我が家の特殊な(?)食事事情に少々お付き合いください。

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夫は朝5~6時頃就寝、帰宅は深夜以降という、かなり夜型(朝型寄りの夜型?)人間です。そのため平日に夕食をともにすることは、記念日的な日を除いて、まずありません。代わりに正午頃に目を覚ます夫と一緒にとるのは昼食。私は朝食を食べる習慣がなく、夫にとっても1日の最初の1食なので、朝兼昼ごはんといったところでしょうか。

ただし、平日に昼食をともにするのは、少なくとも私が正午すぎまで自宅にいるとき限定です。午前中から仕事で出たり、午後早めに出かけるときは昼食を作りません。夫のためにと思って作り置きしたり、食卓に並べたりしていても、食べて出かけてくれるとは限らないからです。

以前は夫が何時に起きて、何時に家を出るか把握していなくても、必ず昼食を作っていました。「●●は冷蔵庫、●●はガス台上の鍋、●●はレンジで温めて……」といったメモを残して、きちんと食べてもらうよう整えていたつもりでしたが、そう思い通りにはいきません。

すべての男性がそうだとは言いませんが、メークをする必要のない男性は、出かける直前まで眠っていることが多いです。我が家も例外ではなく「ごはんを温める暇もなかった」というような理由で、食事を手付かずのまま放置されることが、ときどきありました。

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「LINEなどで食事の有無を確認すればよいのでは?」という声も飛んできそうですが、同じ家に住んでいても、生活時間帯が違うと連絡がとりづらいこともあります。それに毎回伺いを立てるのも面倒!

何度かそんなことが続き、ついに私のイライラは爆発しました。「昼ごはんがいらない日は『いらない』って言ってよ!」「食材がもったいないでしょ!」と怒ったのです。そこでふと「待てよ……」と考えを巡らせました。そのときに思い出したのは、会社員時代にネット上で同僚の予定を把握できたことでした。

「15時~16時まで会議」「12時~13時まで●●さんとランチMTG」など、みんなの予定を事細かくチェックできていたのです。ミーティングを設定するときは、参加メンバーの予定表を確認しながら、全員の空き時間に予定を入れたものでした。わざわざ「●日の●時~空いていますか?」と聞く必要もなく、効率がいいなと感じたのを覚えています。

この合理的な取り組みを夫婦間でも取り入れてはどうか、と思いました。そこで夫に「Googleカレンダーを共有しよう。そうすればあなたが何時頃に起きて、昼ごはんを食べて行くかどうかもわかって、ムダがないと思うんだ。LINEやメールで毎回尋ねる必要もなくなるよ」と話しました。効率的なことが好きな夫は何のためらいもなく、カレンダー共有に同意してくれました。

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そのおかげでGoogleカレンダー共有後、ストレスを感じることはなくなりました。自分の予定と一緒に夫の予定を表示しておけば、彼が起きそうな時間、食事を用意する必要の有無も一目瞭然。もっと早く共有しておけばよかった……と感じたのです。

これを話すと友人から「お互いに見られたらマズい予定はないの?」と質問されましたが、そんな予定はないですし、まったく気にしていません。ライター/編集という仕事柄、男性とふたりで食事に行く機会も少なくありませんが、「●月●日●時~●●さんと●●で食事」などと、包み隠さず入れています。ここまで情報をオープンに開示しているせいか、何ひとつツッコまれたことはありません。

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もともと私たちはお互いに、各自の予定を詳しく聞き合ったりすることはありませんでした。誰と飲みに行くのも、食事に行くのも個人の自由なので、まったく気になりませんし、私も気にしてほしくないです。それこそ「まだ帰らないの?」「いつ終わるの?」と連絡した経験もナシ。

毎日LINEで「今日はごはんいる?」「今日は大丈夫」と伝達し合うのも愛でしょう。でも私にとって、お互いの予定をすべて可視化するGoogleカレンダー共有も愛。渡されたことはありませんが、恋人から合鍵を受け取るのに似た感覚なのではないかと思いました。どちらもふたりが信頼し合っていて、自分にやましい気持ちがないからこそできること。

ちなみに「自分にしか予定が見えない『限定公開』機能があるじゃない?」といった余計なツッコミはいりませんからね。

2014.09.23

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子