ワンクール恋愛女の結婚道Vol.2

恋愛がワンクール(3か月)しか続いたことがない、恋愛コンプレックスの塊だった筆者。26歳のときに出会った男性と1年半の交際を経て結婚しました。結婚・恋愛に悩む方のサプリメントになるコラムをお届けします。


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初めての同棲は緊張したのを覚えています。その相手というのは今の夫。穏やかな性格で、私に怒ることは一切なく、険悪なムードになることもほとんどありません。数か月に一度、私がイライラの種を見つけては、ケンカをふっかけるというくらい。
かなり良好な関係であっても、若干の不安を感じてしまったのには、私が10年近くひとり暮らし(妹と1年ほど住んだ時期を含みます)をしていて、「ひとり暮らしのプロ」と化していた背景があります。
ひとり暮らしほど快適な暮らしはありません。お風呂あがりは熱が冷めるまで裸で歩き回ってもよいし、変な部屋着を着ても問題なし。家事も自分の好きなようにできるし、とにかく自由! そんなひとり暮らしを満喫していた私が、誰かと一緒に暮らすことなんてできる? と心配もあったのです。

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同棲を始めたのは、交際して1年が経つ頃、彼からこんな合理的な提案を受けたことがきっかけでした。

「お互いに仕事が忙しくて2週間くらい会えない日もあるでしょ? 一緒に住めば毎日顔を合わせるし、安心できるよね」
「家賃や光熱費、水道代なんかを2部屋分払うのってもったいなくない?」

うん、確かに。もっともでございます! 将来のために無駄なお金は使いたくない! というわけで、心配2割・楽しみ8割で、昨年5月から同棲生活がスタートしたのでした。

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しかし、同棲する上で問題になるのが家事分担の有無。「彼が家事をしてくれない」「分担した役割を実行してくれない」といった不満を耳にすることは少なくありません。

■掃除+洗濯+食事作りなど家事はすべて私
■家賃多め+光熱費水道代+通信費+外食・旅行費の支払いはすべて彼

我が家ではこんなルールを定めました。かなり明解な決まりごとです。「最近の男性は家事もできるし、するものだ」といった見解が多いなか、私は彼に家事をしてもらおうとは思いません。むしろしてほしくない。

彼にお願いするのは、美味しいコーヒーを淹れること、出勤前にゴミをゴミ置き場に置くことの2点。それ以外は何も求めていません。お互いにフルタイムで働いていても、家事はすべて私がやりたい。

その理由は2つあります。1つめは、私が中心になって家を守りたいから。共働きとはいえ、うちでは彼のほうがハードに働いているし、責任の大きい仕事をしています。だから家では働かないでほしい。憩いの場として過ごしてほしい。心地よい家を作りたい。自分で言うのもどうかと思いますが、こういった良妻的な気持ちもあるんです。

基本的に平日ランチはうちごはん。ニュースを見ながら家で食べています

2つめは、彼がびっくりするくらい家事を不得意としていたから。彼がひとり暮らしをしている部屋に初めて入ったときは、衝撃を受けました。掃除が行き届いていないし、洗濯を休日に2~3回まとめてやるって、どういうこと!? とはいえ、一般的なひとり暮らし男性の部屋だったとは思います。ただ、一緒に過ごす機会が増えるにつれ、家事はやや苦手なようで、料理も基本的には外食頼みだということがわかりました。

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ムリに苦手なことをやってもらう必要はありません。そのぶん、私より高収入なので「お金で解決」パターンを取ってもらいました。家事は全部やって居心地のいい家を作るから、生活費は多めに負担してくださいね、という。彼も家で余計なことに気を回さなくてもいいので、仕事でよいパフォーマンスが出せたり、私は料理のレパートリーを増やしたり、在宅仕事の合間に気分転換になったり、しっかり貯蓄できたり……とお互いにメリットはあります。

私が風邪で倒れたり、実家に帰ったりした場合はどうなるんだろうというのが、唯一の問題点ではありますが……。

2014.07.29

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子