桃山商事・清田隆之+池田園子の恋バナサロン Vol.6 「復縁したいと思ったら…ツラくても『別れた理由』と向き合うことから始めよう」

恋バナ収集ユニット・桃山商事の清田隆之氏とライター・池田園子が、毎回ひとつのお題を掘り下げる連載企画です。過去に400人以上の恋愛相談を受けてきた清田氏が、女子の悩みにやさしく(?)寄り添ってくれます。第6回目は「復縁」をテーマにお届けします。

しんどい理由と向き合わないといけないと思う。別れを告げる側が、相手が納得するまで話をすることが大事だよ。(清田)

「別れる」という行為も恋人たちにとって、本来「一大行事」のはずですよね。「付き合う」フェーズと同等のものだと思います。(池田)

ツラいなら「別れた理由」を見つめ直してみよう

池田:第6回目のテーマは「復縁」です。復縁を「復活愛」と表現するメディアもあって、とくに2013年は女性誌でも「復活愛特集」が頻繁に組まれていた記憶があります。

清田:確かに復縁というのは、桃山商事に寄せられる悩み相談の中でも一番多いテーマの一つです。

池田:一言で復縁といっても、いくつか種類があったりするんでしょうか。

清田:結局は個別具体のケースバイケースという感じもするので、タイプ別とかに分類するのは難しいと思うけど、強いて分けるなら「別れていた期間」かなあ。

池田:期間というと?

清田:例えば、数年間に渡って別れた状態にあって、別の人とつき合うなどの体験を経てヨリを戻すってケースがありますよね。それに対し、別れてたもののすぐに「やっぱやり直そう」ってなるケースもある。桃山商事では前者を「長距離型復縁」、後者を「短距離型復縁」と呼んで区別しています。

池田:確かに。その二つにはどんな違いがあるんですか?

清田:長距離型は、お互い別れてからいろんな変化があって、何かの偶然で会うことになったときにまた素敵な相手として映った、みたいなケースが多い。短距離型だと、別れたことによって相手の大切さに気づき、愛情を深め合ってもう一度やり直すというケースが多いかな。とはいえ、いずれにせようまくいくかどうかはその人たち次第だし、長距離型復縁をしたけど「やっぱこいつ変わってねえな」と感じてまた別れちゃうこともあるし、短距離型復縁だって、戻ってみたらまた同じような揉めごとを繰り返し、単に「刺激の強いケンカ」でしかなかったってこともある。

池田:私はどちらの復縁も体験したことはないので、正直復縁って上手くいくの…? と感じていたりします。「また付き合いましょう」と再度“契約”を交わしたとしても、過去に何らかの理由があって別れているわけですから、前と同じ理由で終わってしまわないのかな、と。そもそも人は大人になると、そう簡単に変わりませんから、別れた原因になった「嫌な部分」を変わらずキープしている可能性もあるわけで…。

爽やか笑顔の清田隆之氏(恋バナ収集ユニット・桃山商事)

清田:大事なのはそこだよね。いずれにせよ、なぜ別れるに至ってしまったのか、その理由や構造的な問題をちゃんと乗り越えない限り、いくら復縁したところでまた同じことを繰り返してしまうような気がする。

池田:思い出すとツラいことがあるかも知れませんが、自分でその原因というか傾向をつかんでおかない限り、対策はできないということですね。

清田:そうですね。もっとも、かつての恋人ならではの安心感とか、別れた直後のさみしさとか、「復縁したい」という気持ちを生み出す要素は多々あって、それらは強烈な感情だったりするので、なかなかそこまで冷静になることも難しいとは思うのですが……。

セフレ化する危険性も…

池田:だとすると、復縁するためにはどのような対策があるんでしょう?

清田:とにかく「一度失敗しているんだ」という意識を強く持ち、その原因をできるだけ言語化してみることから始めるしかないと思っています。例えば、自分から振ったケースならば、彼のことが嫌になったのか、浮気をされたのか、結婚に関する話し合いができなかったのか、自分は何がつらかったのか…など、別れようと思った原因やプロセスをしっかり見つめ直してみる必要がある。

池田:なるほど。

清田:逆に振られたケースならば、自分の何がいけなかったのか、相手とどこが合わなかったのか、相手が心変わりしてしまったのはなぜなのか…など、さみしさや苦しさはあると思うけど、一度しっかり向き合ってみることが大事なのかなと。

池田:さみしさや苦しさに負けてしまい、なんとか元に戻りたいとすがってしまうと、例えばセフレになってしまうなどの危険性がありますよね。「彼と一緒にいられるならこういう関係でもいいや」って、セフレ止まりで甘んじてしまう話とか、よく聞きます。

清田:その彼女も切実な気持ちだろうから、一概には否定できないけど……そう考えると復縁って、かなり難しいものだと思うのよ。やっぱり何らかの事情があって、ダメになっているわけだしね…。仕方のないことだけど、過去の記憶ってどうしても都合良く編集されてしまう。キレイな部分と汚い部分があったら、思い出したくなるのは前者なわけで。

池田:それはよくわかります。思い出は確実に美化されますからね。昔起きたとある出来事のうち自分の頭の中にあった記憶と、自分がノート(ネタ帳)に記録していた記憶は、結構違うなとびっくりしたことがありました。人の記憶はある意味で恐ろしいです。

清田:そこをグッとこらえ、良かったことも悪かったこともフラットに考え直して一度別れをちゃんと受け入れないことには、ちゃんと復縁することはできないのかもしれない。

しこりを残さないために…別れ話は納得いくまですべき

清田:あと、桃山商事で「元カレと復縁したい」という女性たちの話を聞いていると、ときおり「彼女たちは必ずしもヨリを戻したいと思っているわけではないんじゃないか…」と思うことがあるんですよ。

池田:えっ、それはどういうことですか?

清田:これはどちらかというと振られて別れた女性に多いケースなんだけど、彼女たちが望んでいるのは、実は「復縁」ではなく「納得」なんじゃないかと思うときがあって。つまり、別れることはさみしいし、すごくイヤだけど、せめてキチンと話し合って、別れの理由や相手の気持ちに対して納得をしたい、と。

池田:なるほど…。

清田:そういう女性の多くには、「別れるときにちゃんと話し合えなかった」という感覚がある。それでモヤモヤが残ってしまい、その気持ちから抜け出せずにいる。

池田:それ、ちょっとわかります。別れ話ってどう考えても気まずいから、宣告する側って喫茶店やカフェなんかに相手を呼び出して、相手が異論を挟む余地はほとんどない状況を作って、一方的に「~という理由で別れたい」と思いを告げて、できるだけ早急に終わらせようとしがちですよね。

清田:別れを宣告する側はそれでスッキリするかもしれないけど、言われる側は「ちょっと待って!」って感じだよね…。別れを切り出された側は、そこから苦しい時間が始まるわけで、その時間と向き合うためには、考えるための様々な材料が必要になると思う。でも、いろんな疑問が残ったままサヨナラされちゃうと、その後もずっとそれについて考えるハメになるよね。しかも、相手がいない状態で…。

池田:それってすごくしんどいことですよねえ。

清田:そうなると、向ける矛先のないエネルギーが頭の中に充満しちゃうよね。それをどうにかしたいから、つい復縁ってものに気持ちが向いてしまうんだと思うけど、実は一つずつ納得していけば、エネルギーの渋滞は解消される。彼女たちは、むしろそっちを望んでいるような気がするんだよね。

池田:「別れる」という行為は、恋人たちにとって本来「一大行事」のはずですもんね。それは「付き合う」フェーズと同等のものだと思います。お互いがわだかまりのない状態でいられたら最高ですよね。そういう意味で「納得した上での昇華」はなるほどなと思います。

次の恋愛は未来からやってくる

清田:そう考えると、どうしても失恋の傷から立ち直れない場合は、「ヨリを戻したいのではなくて、納得したいから話し合いたい」と相手に伝えてみるのもいいかも知れない。あからさまに復縁したいアピールを出しちゃうと相手に身構えられちゃうかもしれないけど、「別れを納得するための話し合い」ならば、相手も会ってくれるのではないかと思う。

池田:「もう一度付き合いたい」から入るのとは違って、冷静に「話し合いたい」ですからね。警戒されることもないはずです。

清田:しかも、復縁を願うときって、取り戻したいのは彼や彼との時間ではなく、そのときに感じた素敵な気持ちとか、キラキラしていた自分自身かもしれないって場合もある。そういうところまで考えを進めることができれば、それは例えば別の人、次の恋人とだってできることだと気づき、未来への希望がわいてくるかもしれない。

池田:彼以外の恋人なんて現れない…なんて思っていても、実は必ず当時の彼と同じくらい、または自分が成長していくにつれて、それ以上に楽しいときを過ごせる恋人は登場しますもんね。恋愛は過去にあるんじゃなくて、未来にチャンスがあふれているものですから。

今月のまとめ

1.「別れた理由」と向き合う
2.お互いに納得のいくまで話し合ってから別れる
3.「別の人とも恋愛できる」と意識する

清田氏が推薦! 今月読みたい本

アイスランド出身の小説がオラフ・オラフソンの短編集『ヴァレンタインズ』には、恋人や夫婦に訪れた別れの瞬間を描いた12の物語が描かれています。ああ、こうやって人は別れていくんだなあということをリアルに体感できる一冊です。谷川史子先生の名作マンガ『忘れられない』は、復縁というものについて深く考えさせられる物語です。かつて恋人だった男女が、とある出来事をきっかけに再び接近していく…。改札でバイバイするとき、振り返ってはいけないと思いつつ振り返る…。ギャー、切ない!! 号泣必至の名作です!

清田隆之
1980年生まれ。恋バナ収集ユニット・桃山商事代表。『日経ウーマン』などで恋愛コラムを連載中。2月20日に桃山商事の初著書『二軍男子が恋バナはじめました。』が原書房より発売。Twitter(@momoyama_radio

2014.06.12

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記事を書いたのはこの人

Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子

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