桃山商事・清田隆之+池田園子の恋バナサロン Vol.5 「自分磨きは必要ない!? オープンな姿勢こそ婚活成功のカギ」

恋バナ収集ユニット・桃山商事の清田隆之氏とライター・池田園子が、毎回ひとつのお題を掘り下げる連載企画です。過去に400人以上の恋愛相談を受けてきた清田氏が、女子の悩みにやさしく(?)寄り添ってくれます。第5回目は「婚活」をテーマにお届けします。

出会いのインフレが延々と続いてしまうと、せっかく誰かと知り合っても、それを出会いに変えられなくなる。(清田)

「仕事相手はあり得ない!」と閉じてしまうのはもったいない。いつでもオープンな状態でいたいですね。(池田)

出会う≠知り合う

池田:第5回目のテーマは「婚活」です。私の周りにも婚活に励む女子は少なくないです。結婚する気のない彼氏に見切りをつけて、婚活パーティに顔を出している子とかね。

清田:男の人がくるくる回っていくやつ?

池田:そうです、回転寿司みたいなアレです。私も昔、何度か行ったことがありますよ。一度にいろんな男性と知り合うことはできても、それが出会いになるかといったら、どうなのかなって印象で。そもそも30~40人の男性と1人1分ずつ喋っても、よほどインパクトがある人でなければ記憶に残らないんで…。もちろん男性側も同じ気持ちでしょうけどね。

清田:前に桃山商事で「出会う」というについて考えるトークイベントを行ったことがあるんですよ。とある女子は、職場と家の往復ばかりで「出会いがない」と言っていて、別の女子は、毎週のように合コンをしているのに「出会いがない」と言っていた。二人の状況は大分違うはずなのに、一様に「出会いがない」という言葉を使っている。それで、「出会う」って一体どういうことなんだって話になり、いろんな人のエピソードを元に考えてみたわけです。そこで注目したのが、「知り合う」と「出会う」の違いで。

池田:誰かと知り合ったとしても、それは出会いではない…ということですか?

清田:そうそう。仕事や合コンを通じて男の人と「知り合って」いるはずなのに、自分の中ではそれを「出会い」として認定していない。だから「出会いがない」という感覚になっているんだと思う。とすると、そもそも自分にとって何が「出会い」なのかを今一度考える必要があるんじゃないかと思ったわけです。

いつものようにメモ帳を広げる清田隆之氏(恋バナ収集ユニット・桃山商事)

池田:なるほど。合コンのような課外活動をしていなくても、仕事で知り合う相手と出会って付き合う人もいますもんね。

清田:池田さんは既婚者だけど、旦那さんとの出会いはどんな感じだったの?

池田:彼が取材を受けてもらう側で、私が取材する側のライターとして出会いました。仕事を通して出会っていますね。ありがたいことに、このGoogirlで過去に連載していた企画で。

清田:すげえ! それは初耳でした(笑)。つまり、過去に誰かと付き合った経験があれば、一応その人とは「出会った」ことになるわけだよね。なので、当時その相手とどう出会ったかを振り返ってみることは、自分が何を出会いだと感じ、どういうシーンで出会いやすいのかを、見つめ直すいい資料になると思う。「出会わなきゃ!」という気持ちを抑え、一度そうやって自分の恋愛観を整理してみると、何かが見えてくるような気もします。

「出会いのインフレ」が起こる現場

池田:もちろん、どうしても出会いがないなら、婚活パーティはきっかけのひとつとしてアリですけどね。2~3時間でたくさんの男性と知り合える街コンにしても。

清田:桃山商事の佐藤広報というメンバーが、昔よく街コンの体験取材をしていたんだけど、彼いわく、街コンでは「出会いのインフレが起きる」とか。

池田:一度にたくさんの人と出会いすぎちゃうから?

清田:いっぺんにいろんな人と知り合ってしまうと、たとえ気の合う人がいたとしても、「他にもっとイイ人がいるのでは?」という発想になり、なかなかそれを出会い認定できなくなっちゃうらしい。それは構造的な問題であり、婚活パーティにも同じことが言えるよね。プロフィールに書かれた年収や身長などの数字、見た目の良さだけでジャッジしなきゃいけないわけだから。1人目より2人目のほうが年収が上だったら、この会場にはもっと上の人がいるのでは…と思ってしまうのもムリはない。

池田:わかります。どんどん高みに向かおうとしちゃう。

清田:そういう出会いのインフレが延々と続いてしまうと、せっかく誰かと知り合ったとしても関係が発展せず、「また出会えなかった」という感覚が蓄積していってしまうんじゃないかなと…。

池田:機会損失でしかないですね。

清田:たとえ自分の条件に見合った相手じゃなくても、とりあえず「相手をもうちょっと知ってみよう」くらいの気持ちで関係を築いてみれば、それが後々出会いに「育っていく」可能性もあると思う。

池田:そうですよ。私もインタビューの仕事で出会った相手と付き合って、結婚までするなんてまったく想像していなかったです(笑)。もちろん「今日は出会うぞー!」と意気込んで、取材に行ったわけでもないですし。相手の話を引き出していたら楽しくて、お互いにウマが合うと感じて、その後につながったわけですから。

清田:最初に知り合う段階で知れるのって、相手のほんのわずかな一面にしかすぎないもんねえ。繰り返しになるけれど、恋愛する相手を探すんじゃなくて、出会った人たちの中から恋愛相手が生まれるかも、みたいな精神でいるほうが気楽だし、可能性も上がるような気がします。

池田:そのためには条件が云々とか言っていないで、外部に対して開いておくことが大事ですね。「仕事相手はあり得ない!」と閉じてしまうのはもったいない。いつでもオープンな状態でいたいですね。

恋人・結婚相手探しではなく、友達探しの感覚で参加しよう

清田:それにしても「自然な出会い」って何なんだろうね…。よくわからないけど、我々の中に根強くある。あれは何なんだ?

池田:合コンやSNSで出会った相手と結婚するとき、公式では決まって「友達の紹介で出会いました」と発表しますもんね(笑)。人為的に開催された場に、積極的に参加したことを知られたくない人は多いです。

清田:言い換えると、「恋愛を探しにいった場所」ではなく「(学校や会社などの)恋愛以外の文脈」で知り合った人と、人間的な関係を育む中で結婚に至ったというのが自然な出会いってことになるのかな。いずれにせよ、結局は「関係を育む」ことが大事なんだと思う。って、すげえ当たり前の話だけど(笑)。もし婚活パーティに行くなら、「自分は友達に誘われて来たんだ」と自己暗示をかけてしまうのはアリだと思う。

池田:そう言葉にしておくことで、気分的にもラクになりそうですね。「必ず誰かと出会って、1人は釣り上げて帰る!」と目標を定めるよりは、精神的に救われるのかも。

清田:そのほうが「友達探し」くらいのライトな感覚で参加できるんじゃないかな。たとえ、その場にピンとくる相手がいなくても、友達になれば相手の背後にあるネットワークに接続できる可能性も広がる。実際、街コンで知り合った人たちと改めて合コンを開き、そこに来た男性と結婚に至ったという女子もいました。

池田:婚活パーティや街コンに「恋人候補を見つけないと時間のムダ!」みたいな考えで参加するのはよくないですよね。そういう人は自分の理想の枠にハマらない人を前にすると、明らかに「あなたには興味ありませんオーラ」が出てますから。そんな態度だと誰も寄り付かなくなってしまいます。

清田:それはもったいない考えだし、自分自身を追いつめてしまう危険性もあるような気がする。

池田:高い理想とか要望ばかり掲げていると、誰からも声をかけられなくなったり、なんとなく気になる相手とカップルになれなかったりして、結果的に「私ダメかも…」「女として魅力がないのかも」と悪い方向に考えるようになると思います。

清田:「出会い」のイメージが高すぎたり狭すぎたりすると、自然と出会いのチャンスは低くなる。でも、その構造に気づかないと、「出会いがないのは自分の力が足りないからだ」という風に原因を自分の努力不足に還元してしまい、しんどい自分磨きに走ってしまう…。自分さえ改善されれば、運命の人と出会えるはずだ、みたいに思ってしまったり…。それはなかなかしんどいことだもんねえ。

正解はひとつじゃない――恋愛は受験とは違う

池田:「彼氏を作る講座」みたいなのが実際あるようですね…。そういう妙な講座に通って大金を落とす人もいそうです。

清田:婚活に勝つための講座もあるみたい。そこでは、男性に選ばれるためのメイク、ファッション、振る舞いなんかを教えられるんだって。確かにモテの確率は上がるかもしれないけど、それって“オトコの好み”に合わせたメイクやファッションを強制されるってことなわけで、個人的には疑問もあるんだけど…。

池田:彼女たちは画一化されたコンサバ女子として、再び婚活市場へ出ていくわけですよね。個人の魅力が押し殺されているのが悲しいです。そもそも、どうしてオトコに選ばれないといけない私、みたいな受け身体質を教えられちゃうんでしょう。教える側としては相当な金儲けになるんでしょうけど…。

清田:そういう女子像が「正解」として提示されてしまうと、「そうじゃないから自分はダメなのか…」 「もっと自分を磨かなきゃ…」という発想が生まれてしまい、かえってしんどくなっていくような気もするんだよなあ。失恋ホスト活動をしていて感じるのは、真面目な女性ほど、恋愛を「受験」のような発想、つまり「努力をすればするほど幸せに近づく」というような考え方で捉えているように思う。彼女たちは、女性誌や恋愛コラムをまるで「勉強」するかのように読みまくっているみたい。

池田:その気持ちは何となくわかります…。

清田:向上心があるのは確かにいいことだけど、そういう発想でいくと、自分の中に「足りないもの」「欠けてるもの」ばかりを探すようになってしまうと思うんだよね。でも、実際の恋愛は受験のように整備されたシステムではないので、努力が必ずしも実を結ぶとは限らない。それでどんどん苦しくなっていく女性も多いと思う。

池田:「自分には~が欠けてるから」と卑下するのは間違っていると思います。いまの自分は過去の自分が積み重なってできたものだから、いまの自分で勝負しないと。それこそが人の魅力なんですから。

清田:桃山商事にも、たまに「私にダメ出しをしてください」ってやってくる女性がいるのよ。多分、まだ自分が「正解」にたどり着いていないから恋愛が成就しないと考えているんだと思う。いずれにせよ、「自分には何かが欠けているから恋愛できない」とは思わないでほしいというのが我々の願いであります!

今月のまとめ

1.「出会い」を再定義してみる
2.恋人候補探しをやめてみる
3.過剰な自分磨きはいらない

清田氏が推薦! 今月読みたい本

上野千鶴子&信田さよ子という二人の巨匠による『結婚帝国』は、結婚に対する幻想を相対化し、視野をグググッと広げてくれる一冊です! 石上賢介によるルポルタージュ
『婚活したらすごかった』には、結婚に焦る女性の姿が男性目線を通して描かれています。婚活にのめり込む女性の姿を観察してみるのも一興かもしれません。

清田隆之
1980年生まれ。恋バナ収集ユニット・桃山商事代表。『日経ウーマン』などで恋愛コラムを連載中。2月20日に桃山商事の初著書『二軍男子が恋バナはじめました。』が原書房より発売。Twitter(@momoyama_radio

2014.05.15

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記事を書いたのはこの人

Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子

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